デビュー55周年を迎える松前ひろ子が新曲「おんなの恋路」発表会を開催。いではく氏と弦哲也氏による三重唱での新曲披露に「幸せです」
デビュー55周年を迎える松前ひろ子が1月16日、東京・港区のライブレストラン青山で新曲「おんなの恋路」発表会を開催した。新曲の作家である いではく氏(作詞)と弦哲也氏(作曲)が祝福し、トリオによる三重唱で新曲を披露するなど和気あいあいとしたアットホームな会となった。
また、松前は弟子の三山ひろしの新曲「恋…情念」がオリコンの週間 演歌・歌謡曲ランキングなど各種ランキングで1位発進したことを喜び、自身は「2位を目指したい」と笑顔を見せると、「55年周の冠がついた新曲を発売することができて感無量です。最後のエネルギーを出し切るつもりで歌っていきたいと思います。今日は幸せな新曲発表会になりました」と話した。
北島三郎の従妹に当たる松前ひろ子は「歌手になりたい」という思いから家出同然に、故郷・北海道から上京。北島の内弟子として修業し、1996年9月1日に「さいはての恋」でデビューした。途中、交通事故と結婚により8年間のブランクができたが、今年はデビュー55周年イヤーを迎えている。
新曲「おんなの恋路」は女性の恋の道を歌った作品。昨年、三山ひろしの「北海港節」で日本作詩家協会の作詞大賞を受賞した いではく氏が作詞を手掛け、「天城越え」の大ヒットで知られる弦哲也氏が作曲を担当した。
いで氏が「女性が人を好きになるときに、制約がなくてもいいのではないかと思ってつくった作品です。“夫婦(めおと)かなんて どうでもいいの”という歌詞があるので、人によっては不倫だと解釈される方もいるかもしれませんが、決してそうではなくて、(婚姻などの)形にとらわれない、本能のままに生きる女性を描きました」と作詞意図を紹介すると、弦氏は「笑顔で歌える作品になりました」と話した。
「作家デビューしたころは“しあわせ演歌”の作品をつくらせていただくことが多かったのですが、(情念を歌う)『天城越え』からおかしくなりました(笑)。作曲の仕事は、事務所で行うというより、朝、台所からまな板のトントントンという音が聞こえる自宅の居間ですることが多い。トントントンという音がいいリズムになって曲が完成することがあります。今回の松前さんの作品は、作家デビュー当時の気持ちでつくりました。元日から悲しい出来事が続いていますが、明るく、まな板の音がするような作品です。そばに好きな人がいれば幸せ、という希望と夢のある歌。皆さんも笑顔で歌ってください」
▲第一興商のカラオケDAMによって「いたわり坂」を披露した松前ひろ子。MVの映像によるカラオケには、笑顔を見せる中村典正さんの姿も。
新曲「おんなの恋路」発表会では、松前は前作「居酒屋 夢あかり」などを披露しつつ、「主人が亡くなって5年となりますが、主人に会いたくなりました」と、中村典正作品から再デビュー25周年記念曲「いたわり坂」(2005年/作曲家名は山口ひろし)を披露した。テレビなどメディアへの露出を避けていた中村氏だが、同曲のMVには中村氏が登場している。
「主人は騙されたって言っていましたが(笑)、ここに座っているだけでいいからとなだめながら出てもらいました。頑固な人で、何かあると(故郷)山口からは総理大臣が何人出ていると思うのかというのが口癖なぐらい気骨のある人でしたが、私が再デビューしたあとは、3人の子供たちのために夕飯の支度をしてくれました。いちばん下の子が高校を卒業するまでそれは続きました。やさしくて、強くて…。山あり谷ありの歌手人生ですが、主人と家族の愛、支えてくださる皆様の温かいご支援があっての55年です」
新曲発表会の最後には、松前の要望からいではく氏、弦哲也氏も加わり、トリオで「おんなの恋路」を歌唱。松前の人柄から実現した三重唱による新曲披露は貴重なシーンとなった。
歌い終えた松前は、「新曲を聴いてくださった方からは、『マイナーな曲ですが、メジャー調の曲に聞こえて心地いいですね』という声もいただいています。応援してくださっている皆様に恩返しできるよう、最後のエネルギーを出し切りたいと思っています」と決意を述べつつ、「今日は幸せな新曲発表会になりました」と笑顔をみせた。
なお、1月17日発売の新曲「おんなの恋路」では6月、7月、8月にカラオケ大会を実施予定。今回は65歳未満の部と65歳以上の部の2部門開催となるそうで、松前は「3回の大会で6人のチャンピオンが生まれます。ぜひ、たくさん歌ってください」と呼びかけた。(詳細は「おんなの恋路」CDに封印される応募要項を参照)