吉村明紘、32年目を飾る新曲「恋のカケヒキ」で勝負を懸ける
鍛えられたたくましい肉体に甘いマスク。九州男児らしい行動力と一途さが魅力の吉村明紘が、待望の新曲「恋のカケヒキ」をリリースした。
吉村の熟練した表現力と、軽快なメロディーに乗せて披露するダンスは必見。32年歌い続けてきた情熱はハンパじゃない。
この8月~9月の2カ月間、JAL国内線の機内オーディオ番組『日本の歌』に、吉村明紘のロングセラーを続けている代表曲「門前仲町ブルース」が採用された。新型コロナウイルスの感染拡大によってステージやプロモーションのスケジュールがすべてキャンセルとなってしまった中で、「唯一の今年のハイライトですね」と顔をほころばせた。
20歳の春に意を決して歌手を目指し、福岡から上京。内弟子時代の下積みを経て、1988年に徳間ジャパン第1回演歌新人コンテストで優勝に輝き、その年に「男なら女なら」で念願のデビューを果たした。
その後、一時期不遇をかこったが、紅白出場という夢を胸にデビューから今年で32年。吉村は、持ち前の行動力で精力的に活動し続けてきた。
デビューして15年目を迎えた2003年には、“全国チャリティーキャンペーンひとり旅10万km”と銘打って、自らの運転でたったひとりで全国を歌とともに駆け抜けるキャラバンを敢行。
「プロフィールには10万kmって書いていますが、全国をほぼ2周したので実際には20万km以上走りました(笑)」
その思い切りのよさと、歌への思いを少年時代から変わらず持ち続けてきたという一途さ。穏やかな物腰と柔和な笑顔からは想像できないが、九州男児らしい一面もちらりと垣間見える。
そんな吉村明紘の最新作は、軽妙なリズムの表題曲「恋のカケヒキ」とスローバラードの「二人はDESTINY」、オリジナルのアルバム「Show Time」からピックアップした「たずね鳥」の3曲を収録した聴きごたえのある一枚だ。
「3曲ともカラーの異なる楽曲を収録しているので、それぞれを楽しんでいただきたいと思います」
とりわけ表題曲の「恋のカケヒキ」は、カラオケで歌って盛り上がる作品を意識して、制作過程で何度も練り直して熟成し、レコーディングに臨んだという力作だ。
「サビの部分は、覚えやすいメロディーに同じフレーズのリフレインになっているので、ここを気持ちよく歌ってください。この曲は、先生方からも吉村明紘の声と顔と雰囲気にピッタリな作品だと言われました。2年ぶりの新曲となりますので、私もこれまで以上に気合も入っていますし、ヒットを目指して精いっぱい歌っていきたいと思います」
懐かしい昭和の薫りを残しながらも、吉村の凛々しい佇まいと甘い歌声で都会的な洒落た雰囲気をまとう歌謡曲に仕上がった。
”偶然の出会いから恋に落ちる男女”という普通に起こりそうなラブストーリーも、熟年世代だけではなく、若い世代や女性にも共感を呼びそうだ。
「プロモーションビデオではダンサーを従えて、ダンスも披露しています。今はなかなか皆さんの前で歌うこともかないませんが、(コロナ禍の)現状が良くなってこの歌を披露できるようになったら、会場一体となって楽しく皆さんと振り付けを踊って歌いたいですね」
ささやかながらも切実な希望を語る吉村は、いつもの柔らかな笑みを浮かべていた。
会場で1日も早く「恋のカケヒキ」ダンスが見れることを願う。
プロモーションの詳細が決まれば、その都度、徳間ジャパンの公式サイト等で公表していく予定とのこと。ぜひチェックしていただきたい。
2020年8月26日発売
吉村明紘「恋のカケヒキ」
2年ぶりの新作は、今年の年頭より企画制作がスタートし、数多くの候補作の中からチョイスされた「恋のカケヒキ」と、c/wの「二人はDESTINY」に、ボーナストラックとしてアルバム「Show Time」に収録していた「たずね鳥」の3曲入りシングル。表題曲「恋のカケヒキ」は、ふとした偶然で出会った男女のラブストーリーをリズムよく歌い上げている。「バックダンサーと一緒に収録したPVでは、振り付けも公開しているので、皆さんにも覚えていただけたらうれしいです」(吉村)。覚えやすいメロディーが印象的なカラオケ愛好者に絶好の作品だ。
Profile
吉村明紘(よしむら・あきひろ)
2月12日、福岡県生まれ。1983年、第5回福岡歌謡選手権大会で優勝。1985年より津田耕治氏の内弟子となり、修行を積む。1988年に徳間ジャパン開催の第1回演歌新人コンテストで優勝、同年「男なら女なら」でデビュー。1989年、KBC朝日放送音楽祭・最優秀新人賞を受賞。2003年には全国チャリティーキャンペーンとして“ひとり旅10万km”を敢行し話題となる。2008年に発表した「門仲ブルース」をリメイクし、2014年に「門前仲町ブルース」をリリース。c/wを変えて3バージョンを発売しロングセラーを記録した。