みちのく娘!

みちのく娘!の第3弾シングル「みちのく恋の花」は民謡ロック歌謡~それぞれの個性が化学反応~

工藤あやの、津吹みゆ、羽山みずきの3人による歌謡にユニット「みちのく娘!」。それぞれのソロ活動も注目だが、若手実力派の3人がそろえばさらに魅力満載。みちのく娘!として第3弾となる新曲「みちのく恋の花」をリリースした工藤、津吹、羽山に集まってもらった。

 

民謡ロック歌謡「みちのく恋の花」で化学反応

「みちのく恋の花」は、実らぬ恋を東北の風景に重ねて歌う、民謡ロック歌謡という位置づけだ。明るく元気な3人ならではのリズミカルな曲調が特徴で、「春ッコわらし」「べっぴん音頭」の前2作品同様、手がけたのは宮川彬良氏。また今回の作詞はもりちよこ氏で、日本語ならではの言葉遊びが散りばめられている。ちょっと元気をもらいたいときに・・・。みんなでノリノリで歌いたいときに・・・。年齢を問わず多くの人に楽しんでもらえる一曲となっている。

レコーディングは3人それぞれの個性を!

♥3 工藤あやのです! 津吹みゆです! 羽山みずきです! 3人そろって「みちのく娘!」ですっ。よろしくお願いします!!

♥工藤 3作目となる「みちのく恋の花」。今回は誰かに合わせるというよりも、自分たちが初めて聴いたときのメロディーを思い切り歌っちゃおう。それぞれの持ち味や感性をそのままに声にして、3人の化学反応がどうなるかを楽しみながらできあがった一曲です。すごく楽しいレコーディングで、個別に収録したにもかかわらずきちんと3人がつながりました。私たちも少しずつ成長しているのかなと実感できたことがうれしいです。

♥羽山 曲を聴いたとき、デビュー曲の「春ッコわらし」に似ているという印象がありました。ただそれに違うニュアンスを出したいなと思って、まずは元気さや明るさがちゃんと伝わるように歌うことを意識しました。最初にみゆみゆ(津吹)が歌って私は最後だったんですが、前の2人の歌い方を聴けたことでイメージを描けたのがよかったですね。

♥工藤 高音メインのときはみゆちゃんが最初に歌うことが多いんですね。次に私が入って、最後にまろやかなみずきちゃんの声が溶け込むと。逆にもう1曲の「悲しいときは」は大人っぽい曲なので、みずきちゃんが最初でラストがみゆみゆでした。

♥津吹 最初に歌ったときは緊張しましたよ。宮川先生の楽曲がまた歌えるのがうれしかったんだけど、トップバッターに指名されたときは責任感ジワジワで(笑)。でも本当に自分たちのありのままを出して歌えたので、それが合わさるときのワクワクはたまらなかったですね。

♥工藤 私自身はイメージを膨らませ過ぎていたようで、宮川先生とああですか、こうですかとかなり意見を戦わせました。ラストの“みちのく 恋のは~な~♪”のところは元気を出したくて、かなり高音になるんですが、それをリクエストしたら、じゃあやってみようかと。そうじゃないねと言われた部分がむしろ多かったですが、よりいいものをつくるというやり取りはすごく楽しかったです。

みちのく娘!

東北出身の女性3人による歌謡ユニット「みちのく娘!」。左から羽山みずき、工藤あやの、津吹みゆ。

♥羽山 私なんか、2人に乗っかってラクしちゃった感じで(笑)。みゆみゆの高音、あやのさんの本当にきれいな中音。それを聴きながら、よし、のっちゃえ~という感じで、まさに2人のおかげです!

♥津吹 最後の合わせる、というのも本来難しいと思うんです。私が高音で響かせている分、みずきちゃんは低音で抑えてくれる? と、先生方に言われていたでしょう。

♥工藤 宮川先生が、最後にみずきちゃんが入ると「〇」ってなるんだねって言ってたね。

♥津吹 一人ひとりが歌うだけだと今までのみちのく娘!に本当になるのかと半信半疑だったけど、3人そろとちゃんとみちのくの声だって思える。そこがすごく不思議~。誰がラストを歌っても、最後につじつまが合うのがすごい!

お互いにいい刺激をもらい、学び合えるうれしい関係

♥工藤 3人で歌うことによって、お互いにいい刺激をもらいます。みずきちゃんはこぶしがコロコロ。それを高音でラクに出せるのがすごいと思う。みゆちゃんは、対応能力あるとつくづく感じる。こうしてみてって言われると、素直に「ハイ!」って二つ返事ですぐやれる。私はどうしても自我が勝っちゃうの。言われたことに寄せないで、自分の方へ持ってこようとしてしまう。それをユニットでは絶対やってはいけないことだと思うので、3人のときはとてもいい勉強になります。

♥羽山 あやのさんの中音は本当にきれい。みゆみゆは高音直球ボイス。生まれ持ったものでもあるんでしょうが、羨ましいといつも思っています。あやのさん、対応能力ありますよ。先生に指導されたとき、私なんか質問する時ちっとも言葉になってなくて、感性で言っちゃう。それをいつもあやのさんが的確に表現してくれて、さすがっていつも感心しています。

♥工藤 わ~、ありがとう(笑)。

♥羽山 つっ込みどころもバッチリだし。そのセンスがうらやましい。

♥津吹 え~、最近、みずきさんも冴えてますよ。

♥工藤 そうそう。みゆちゃんが「声が出ない~」って言ったとき、私が今ハマっている(育成ゲームのキャラクター)「ピクミンのせいだよ~」ってフォローした。で、私が「ピクミンのどこが悪いのよ~」ってやり返す。そんなやりとりだけど(笑)、冗談を言い合える仲になったのがうれしいかな。

♥津吹 2人とも、スタッフさんへの対応をはじめ細かいところにちゃんと気づくんです。そういう人柄に対して自分も気づける人間でありたいと思うし、歌の面ではみずきさんの言葉を丁寧に歌うところ、あやのさんのキラキラした中音域に加え、高音から低音まで範囲が広いところなど、お姉さんから学ぶことが本当に多いです。

小さい「っ」を上手に使って元気に歌ってください!

♥工藤 この楽曲は言葉をハネて歌った方が切れ味よくて楽しくなります。演歌のジャンルを意識すると全部つなげて歌ってしまいがちですが、飛んだり跳ねたりしないまでも、小さい「っ」を多めに歌うようにすると歌が元気になります。一番の歌詞でいうと、「岩手山」のところを ”いわてっさん~♪”みたいに。みんなで顔を合わせながら「恋 恋 恋」のところも ”こいっ こいっ こいっ♪” とぜひ力強く歌ってほしいですね。ちなみに私が一番好きなところは、先ほど宮川先生に歌い方で意見を伝えて採用された、ラストのラスト、高音へとつながる”恋のは~な~♪”の部分です。

♥羽山 東北の風景が散りばめられていますが、相手を思っていても実らない恋というのを私たちが想像しやすい風景に重ねて先生が歌詞を書いてくださっています。そんな詞を味わいながら歌ってほしいし、私自身も好きなところはあやのさん同様、ラストの ”恋のは~な~♪” です。フレーズも好きだし、最後はどうなるかはわからないけれど希望が感じられる、優しさが漂っています。

♥津吹 「恋 恋 恋」と飛ぶところ、その前からぐ~っと高音で引っ張って「恋」に入っていくので、そこのハモリがまず1つのポイントです。あと、言葉遊びが詞に散りばめられていて、「四角四面の 角館」とか「先はどうなる 弘前の」とか。言葉のおもしろさも味わいながら、皆さんに楽しく歌っていただけたらうれしいです。

♥工藤 私は当初、民謡っぽく歌うことを意識していたんですが、完全に私たちに寄せなくても、あえてコブシを回さず皆さんの思うイメージで歌っていただいていいと思います。東北訛りが入っていいし、逆にどんなふうに歌ってくださるのか聴いてみたいとすごく楽しみにしているんです。年齢を問わず、いろんな方に歌ってほしいですね。

♥津吹 私の地元では、「春ッコわらし」をきっかけに、いろいろな人が“みちのく娘!”を結成しているらしくて、衣装を手作りして楽しんでいるそうなんです。女性バージョンだけでなく、男性バージョンもあるんですって。

♥工藤 それ、いいね~。今回の振り付けは、飛んだり跳ねたりというよりは、腕の動きといったキレのある動きがポイントになっています。それも加えながら、お仲間をつくってトリオで歌っていただけたら楽しいんじゃないかなと思います!

 

昭和の名曲をイメージした、大人の歌「悲しいときは」

カップリングの「悲しいときは」も同じ作家陣によるが、「みちのく娘!」にとって今までにない大人っぽさが漂う作品。3人の声が重なり合いながら、余韻に浸ってしまいそうなエンディングも印象深い。コンセプトは、懐かしのグループサウンズスタイルという。

♥工藤 カップリングの「悲しいときは」は、タイトルを見る限り悲しい曲かなと思いがちですがそうではありません。悲しいときはどうする? 何する? と問いかけ、悲しいけれど私はこうするのよと、前向きな気持ちが表れている楽曲です。エンディングはすごく色気を感じさせるある部分ですね。私自身はまだ、主人公の女性のようにはなれないなと、あこがれながら歌っていますが、この曲をもっとも自然体で歌っていたのがみずきさん。女性として一番輝いている年齢でもあり、力を抜きながら、張るところは張る。さすがと感じさせるみずきさんに上手に引っ張ってもらいました。

♥羽山 恋を失ったときの心情って時間だけが無情に過ぎ、心ここにあらずですよね。その悲しみから抜け出せないでいる女性像をどう表現したらいいのか、ギリギリまで考えました。正直、形がまとまらずにアレンジを聴きながらその場でつくっていった感じですが、不思議と気持ちよく歌えたのがよかったです。

♥工藤 そう、気持ちよさは伝わってきた(笑)。

♥津吹 リズムの取り方としては、糸之先生(監修の日本舞踊「花柳流」師範・花柳糸之)から、ミュージカル映画の『ドリームガールズ』をイメージしてねって言われていたんです。でも曲の内容は失恋の悲しみなので、それを意識して歌ったら宮川先生に「ちょっと悲し過ぎる」って。それで2人のお姉さんの歌い方を参考にしながら歌ったんですが、一番色気が出ないタイプなのでどうしよ~って。奥行きのある心情を歌うためにはもう少し自分を磨いていかないといけない、足りないんだなって、この歌を通して勉強になりました。

みちのく娘!

♥工藤 今までこういう楽曲はなかったんです。いろいろな楽曲には挑戦していて、最近では「他人の関係」(金井克子)を歌わせていただいたときに、みちのく娘!はこの路線もありなんだって思った方も多いとうんですが、コンサートではすでに「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)や「ブルー・ライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)も歌っています。その流れで今回の「悲しいときは」がつくられ、また新たな路線としてたくさんの方に聴いていただきたいです。

♥津吹 一番なら「笑っちゃうね」、二番なら「見たくなるの」のところが聴きどころですよね。“笑っちゃうね~♪” “ちゃうね~♪” “ちゃうね~♪”ってハモる。関西弁みたいだ~って思いましたけど、そっちじゃないのねって(笑)。

♥工藤 3人のハモリのパターンがいくつかあったんだよね。最終的にこの形になって、“ちゃうね~♪”でそのまま伸ばしている人、“ちゃうね~♪” “ちゃうね~♪”までいって最後の人にパスする人、そして仕上げの人と3段階でハモりが流れていきます。

♥津吹 ハモってはないけど重なり合っていくというのがすごく新鮮だった。

♥工藤 振りで誰がどこを歌っているのかわかるので、ぜひ見て聴いて楽しんでいただきたいです!

♥3 「みちのく恋の花」「悲しいときは」。よろしくお願いしますっ!!

(文=藤井利香)

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2021年12月8日発売
みりのく娘!「みちのく恋の花」
みちのく娘!

「みちのく恋の花」
作詞/もりちよこ 作曲/宮川彬良 編曲/宮川彬良
c/w「悲しいときは」
作詞/もりちよこ 作曲/宮川彬良 編曲/宮川彬良
日本クラウン CRCN-8446 ¥1,350(税込)

2011年11月に発売した「春ッコわらし」、2020年5月の「べっぴん音頭」に続き、第3弾となるのが「みちのく恋の花」。民謡ロック歌謡とも言える作品。工藤あやの、津吹みゆ、羽山みずきの3人がこぶしや民謡で培った声の出し方を生かし、みちのく娘!ならではの魅力で歌っている。カップリング曲の「悲しいときは」では、「悲しい」というストレートに感情を表す言葉をタイトルと歌い出しに繰り返すことで、記憶に残る作品となっている。


profile
みちのく娘!(みちのくむすめ!)
東北出身の女性演歌歌手、工藤あやの、津吹みゆ、羽山みずきの3人による歌謡ユニット。それぞれソロでも活動するが、ユニットでの歌唱が反響を呼び、2018年11月、「みちのく娘!」として「春ッコわらし」を発売。キャンディーズの「やさしい悪魔」でも知られる喜多條 忠氏の作詞、「マツケンサンバⅡ」を手がけた宮川彬良氏の作曲・編曲によるダンサブルな楽曲が注目された。2020年5月には第2弾シングル「べっぴん音頭」を、2021年12月には第3弾シングル「みちのく恋の花」をリリース。

工藤あやの(くどう・あやの)
1994年5月7日、山形県生まれ。2010年、「弦哲也 北区(きた)の演歌座2010」で行われた新人発掘オーディションで大賞を受賞。“山形のひだまり娘”として2014年1月、「さくらんぼ 恋しんぼ」でデビュー。明るく飾らない性格で、みちのく娘!ではお姉さん的存在。

「自分の楽曲があり、また「みちのく娘!」があり、いろいろな楽曲を二足のわらじどころではない、四足、五足の勢いで歌わせていただいています。でも、それにきちんと対応できる自分であるためには感情も豊かでないといけないなと思い、このところ、夜に月を見ながら歩くことをマイブームにしています。その日によって月の姿が違い、毎日見ていると感じることも変わってきてきますね。ずっと月に語りかけ、自分磨きにつなげています(笑)」

 

津吹みゆ(つぶき・みゆ)
1996年2月28日、福島県生まれ。『NHKのど自慢』出演をきっかけにスカウトされ、高校在学中から、作曲家・四方章人氏のレッスンを受ける。“どんと響く!直球ボイス!”をキャッチコピーに2015年2月、「会津・山の神」でデビュー。よく笑い、元気いっぱいユニットを盛り上げる。

「コロナで初めてホームシックにかかりました(苦笑)。くじけそうになったこともあり、そんなときに支えてくれる家族やスタッフ、そしてファンの皆さんがいて、いいも悪いもちゃんと言葉をかけてくれる、寄り添ってくれる人のいるありがたさを今すごく感じています。2022年はお芝居も交えたコンサートを行う予定で、自分の限界を決めずにチャレンジしていきたいと思います!」

 

羽山みずき(はやま・みずき)
1991年12月7日、山形県生まれ。小学6年生から地元の歌謡サークルに通い、高校1年生で、山形県歌謡振興会に所属。出羽三山で巫女として務めていたことから、“開運演歌女子”のフレーズで、2016年4月「紅花慕情」でデビュー。第58回 日本レコード大賞 新人賞を受賞。おっとりとした雰囲気で、周りを和ませる。

「コロナの影響で活動しづらい日々が続きましたが、つらかったこと、悲しかったことをただ記憶するのでなく、それを今後に生かせるようにと思い続けてきました。どんな状況におかれても応援してくださる方が必ずいて、そんな方々に寄り添えるような歌い手になりたいし、人間性ももっと磨いていかないといけない。そのためにもレッスンを欠かさず、自分のできることを精一杯やっていきたいと思っています!」

みちのく娘! 公式ホームページ
工藤あやの公式ホームページ
津吹みゆ公式ホームページ
羽山みずき公式ホームページ
徳間ジャパン 工藤あやのページ
日本クラウン 津吹みゆページ
日本クラウン 羽山みずきページ