松山優太と岡本幸太がコラボライブ“優幸条約”を開催。セクシーvsナチュラルの対決にファンも巻き込まれる!？

2025.03.18

松山優太と岡本幸太が3月16日、東京・文京区のライブハウス「大塚Heart Next」でジョイントコンサートを開催した。ヴォーカリストとして熱烈なファンを持つ二人によるライブは「優幸条約」と銘打たれ、ソロコーナーはもちろん、コラボ楽曲では観客を巻き込んでの賑やかなステージをみせた。

「兄弟のよう」と松山優太が言えば、「優太兄ちゃん！」と岡本幸太が応える。松山がパーソナリティーを務めるラジオ番組『優 YOU TIME』（NACK5）に岡本がゲスト出演したことから意気投合した2人は、昨年8月にジョイントコンサートを開催。今回が2回目の“優幸条約”となった。

男性ヴォーカルデュオ CHEMISTRYのデビュー曲「PIECES OF A DREAM」（2001年）で幕開けした優幸条約2。同曲は優幸条約1のオープニングでも歌っているが、CHEMISTRYは2人が音楽の道へ進むルーツでもあった。松山の公式チャンネル「YU-TV」でも同曲をコラボ歌唱しており、“優幸条約”にとって欠かせない楽曲となっていた。

松山と岡本による甘く優しいハーモニーでファンの心をつかむと、まずはソロ対決だ。松山の前口上によって紹介された岡本が、先陣を切ってデビュー曲「あなたに哀愁」からステージを務める。

卓球対決で決定！？　「楽屋に置いてある卓球で、どちらが先に歌うかを勝負した」という松山優太。その結果、岡本幸太からソロステージをスタートさせるという。岡本も「ここの楽屋は卓球ができるほど広いんです」と笑っていた！！

広島県広島市出身の岡本。歌手を目指して上京したが、歌手への道は近くなかった。カラオケDAMのガイドボーカルやバックコーラスを務めながら、まずはヴォーカルユニットとしてデビューし、2023年年4月、念願だったソロメジャーデビューを果たした。

キャッチフレーズは“歌謡ポップスの新星”。ライブではいつも”幸太コール”に包まれているが、この日も同じだった。

デビュー曲のカップリング「たそがれシネマ」を雰囲気たっぷりに披露すると、優幸条約ならではの選曲で、カバー曲を届ける。

最初のカバー曲は椿屋四重奏の「いばらのみち」だった。同曲は安達祐実主演のドラマ『娼婦と淑女』の主題歌。「昼ドラのどろどろした感じが好きでした」と明かす岡本は、安達祐実がカバーした「いばらのみち」（紅子version）で披露すると、「昼ドラのドロドロしたところを歌で表現しました。ワクワクしながらお届けしましたが、伝わりましたか？」と笑顔をみせた。

その後は、やしきたかじんの「東京」、サスケの「茜空」をカバーし、じっくりと歌声を聴かせた。「茜空」はラジオから流れてきたのを聴いて好きになったという。

「青いベンチ」のヒットで知られる男性デュオ・サスケのメンバー、北清水雄太が東日本大震災の復興を願って、#311を忘れないと2016年にリリースした「茜空」。岡本はこの曲で「いかに日常がありがたいかとあらためて知るきっかけになった」という。「悲しくても人生は進んでいくんだなあと。素敵な曲なのでたまに歌わせていただいています」。

岡本のソロステージの終盤は、昨年3月にリリースしたセカンドシングル「君に愛がとまらない」とそのカップリング「あの日の夢を忘れない」。ラストに歌った「君に愛がとまらない」では、岡本のヴォーカルパワーが炸裂。ファンも岡本と一緒に“くるくるダンス”を楽しんだ。

松山優太は岡本幸太のことを“ナチュラルプリンス”だと表現する。対して岡本は松山のことを“セクシー茶目っ気アイデアマン”だという。

松山は2004年、リーダーとして音楽グループ「JULEPS」（ジュレップス）を結成し、2007年、「旅立つ日〜完全版」でメジャーデビュー。2013年にはソロ活動をスタートさせ、昨年2月7日、「恋花火」でソロでもメジャーデビューを果たした。両親が役者だったという松山は、歌手以前に役者に憧れていたそうで、現在は俳優・クリエイター・メンタル心理カウンセラーの肩書きも持つ。

そのセクシーな歌声だけではなく、時にSAXを携え、時にスタイリッシュに踊り歌う独自のスタイルで、バラエティ（！!）に富んだパフォーマンスを繰り広げるのが松山。クリエイターとして様々なアイデアを提案・具現化する力を発揮することから、“セクシー茶目っ気アイデアマン”（©岡本幸太）となる。

岡本からバトンを引き継いだ松山は、デビューシングル「恋花火」から歌い始めると、カップリング曲「天の川」、ボーナストラック「THE MUTUAL SONG」を続けて披露した。

「恋花火」は松山自身が作詞を担当した夏の終わりのラブソング。ラテンテイストのメロディーに乗せて、松山の切ない歌声が心に響く作品だ。また、松山が作詞作曲した「天の川」はメジャーデビュー前からの人気曲で、「THE MUTUAL SONG」は富国生命保険相互会社の創業100周年記念ソングとして制作されたアップテンポの作品だ。この曲では総合クリエーターとして映像制作にも関わっている。

「恋花火」「天の川」と2曲続けてしっとりとラブソングを聴かせたあとの「THE MUTUAL SONG」では、アイドル歌手並に踊りながら歌った松山。このギャップが岡本のいう“茶目っ気”でもあった。

松山はJULEPS時代、J-POPのジャンルで活躍したが、ソロでは演歌・歌謡曲のジャンルで勝負する。先日はNHKの音楽番組『新・BS日本のうた』の公開収録（4月6日放送）に参加したとのことで、エピソードを聴かせながら、番組で歌った「夢の途中」（来生たかお）をカバーすると、自身のことを話し始めた。

両親が役者だったこともあり、早くから芸能界に憧れがあり、自身も役者を目指していたこと。だが、戦隊ものヒーローのオーディションに落ちたことで、好きだった音楽の世界へ進むことになり、その当時流行っていたのが、CHEMISTRYだった。

現在は役者としても活動するが、「映像に自分の演技を残したい」という思いが強く、「たくさんの歌手が出演する映画をつくりたい」と野望も明かしてした。

ここでSAXを手にした松山はインディーズ時代の2018年にリリースした「NEVERLAND」と「GOLDEN TIME」をSAXの演奏とともに届ける。「僕の作品の中でもっとも激しい曲です」という「GOLDEN TIME」では観客もペンライトやハンカチを頭上で振り回しながら松山に食らいついた。

会場に静寂が戻ると、松山はロマンチックなラブソング「2つの流れ星」（2016年）を聴かせ、ラストに未発表曲を届けた。

埼玉県所沢市在住の松山。FM放送のNACK５で、現在、「優 YOU TIME」のパーソナリティーを務めるが、番組と連動したライブツアー「優 YOU TRAIN 埼玉線」をスタートしている。川越市、坂戸市を巡り、3月29日には草加市のカラオケホール「Crystal Live＆Song」、5月11日には入間市の「音降りそそぐ武蔵ホール」でライブを行う予定だ。

そのツアーソング「優 YOU TRAIN」（仮題）で最後を締めた松山が、再び岡本をステージに呼び出すと、優幸条約2の大トリに、チェッカーズの「ギザギザハードの子守唄」がコラボ曲として選ばれた。

2人でチェックの服を着ようと事前に相談していたが、ギンガムチェックのシャツで登場したのは岡本だけだった。「私服はチェック柄だったんだけど（笑）」と弁解する松山だったが、イントロから松山のSAXが冴えた「ギザギザハードの子守唄」。2人のヴォーカルも融合し、ファンも「ヘイッ!!」とコブシを突き上げて2人のパフォーマンスに呼応した。

その盛り上がりに、松山優太と岡本幸太によるジョイントライブ「優幸条約」が第3回、第4回と続きそうな予感がした。

なお、4月6日にデビュー3年目を迎える岡本幸太は同日、東京・渋谷区のライブハウス「渋谷Gee-ge」で、「岡本幸太デビュー2周年イベント」を開催する。

松山優太と岡本幸太による2回目のジョイントコンサート「優幸条約２」。ともにユニットでの歌手デビューを経て、ソロデビューを果たした2人が、音楽を目指すキッカケとなったのも男性ヴォーカルデュオ CHEMISTRYの存在だった。ルーツの似る2人は息の合ったパフォーマンスで魅せた。

2024年2月7日発売
松山優太「恋花火」

「恋花火」
作詞／松山優太　作曲／平隆介　編曲／日下ユキ
c/w「天の川」
作詞・作曲／松山優太　編曲／日下ユキ
〈ボーナストラック〉
「THE MUTUAL SONG」
作詞：松山優太・フコク生命／作曲／松山優太・沢水友彦　編曲／沢水友彦
徳間ジャパンコミュニケーションズ　TKCA-75206 　¥1,500