
三丘翔太がミッツライブでアコーディオンを初披露。来年のデビューに向けた新曲「ゆうなぎの唄」では感情豊かに
三丘翔太が10月27日、東京・目黒区のライブハウス 目黒ブルースアレイで、ワンマンライブ「三丘翔太 Mits LIVE」を開催し、新曲「ゆうなぎの唄」を届けたほか、新たなチャレンジとしてアコーディオン演奏を披露。昼夜2公演で駆けつけた約200名のファンを喜ばせた。
2016年1月に「星影の里」でデビューした三丘翔太。10月16日には通算10枚目となる新曲「ゆうなぎの唄」をリリースした。
「海風と陸風が交代する頃に風が弱くなり無風状態になります。それを“ゆうなぎ”というそうです。日本は海に囲まれていますので、海辺の町がたくさんあります。皆さんが思い浮かべられる海辺の町にもきっといろんな町があるかと思います。そんな海辺の町を舞台に『ゆうなぎの唄』という作品をつくっていただきました。穏やかな夕凪(ゆうなぎ)の頃、そこに生きる人々の何気ない姿、情景を美しいメロディーで歌っています」
作詞は前田たかひろ氏、作曲は恩師・水森英夫氏による作品で、メロディーは日本人にとって馴染みのあるヨナ抜き音階でつくられた。ヨナ抜き音階とはド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音ではなく、日本の伝統的な5つの音で構成され、「君が代」や「蛍の光」がヨナ抜き音階の曲。坂本冬美の「夜桜お七」もヨナ抜き音階が使われている。
「三丘翔太 Mits LIVE」のオープニング。布施明の「君は薔薇より美しい」をカバーして登場した三丘は、「今日は大人のライブをお送りしたいと思い、ひと味違う選曲をしてきました」と明かすと、この日のために準備してもらったという真っ赤なタキシードに身を包み、ピアノとギターの二重奏による演奏で楽曲を届けていく。
「ピアノとギターによる演奏を聴きたくなるような選曲です。今日はカバー曲をたっぷりお届けします」
三丘は堺正章の「さらば恋人」、中山丈二の遺作であり、高田みずえなどがカバーしたことで有名な「秋冬」、ピアノ演奏が似合う作品から西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」、八代亜紀を追悼した「舟唄」などを歌い継いだ。「もしもピアノが弾けたなら」では、このライブのリハーサル中に西田敏行の訃報に触れ、驚いたと話していた。
また、ネット配信ではお馴染みのムード歌謡コーラスグループ「三丘翔太とイソフラボンズ」(三丘による多重録音)や、バンド「三丘翔太とオルニチンズ」(三丘がカラオケを打ち込み)とも共演(?)。どちらも三丘が大好きな枝豆の主要栄養素から命名されたグループだが、“懐メロボーイ”としても知られる三丘はムード歌謡から「ラブユー東京」や「たそがれ銀座」、「星降る街角」などをメドレーで聴かせた。
もちろん、オリジナル曲も第一部は「面影今いずこ」「虹色の雨」「釧路発5時35分根室行き」、第二部は「燈台灯り」「発車のベルが長すぎる」「よこはま埠頭」を披露した。
楽曲に対する想い出、エピソードなどと一緒に紹介し、前作「釧路発5時35分根室行き」を歌唱する際には、10月5~6日に北海道根室市で開催された「第32回根室さんま祭り」に参加したエピソードを聞かせていた。
「根室で行われたさんま祭りのスペシャルステージにゲストとして参加させていただきましたが、この曲がご縁となりました。発売当初は、長いタイトルに『覚えられない』という声もいただきましたが(苦笑)、今回初めて“釧路発5時35分発”の始発列車(根室本線 快速 快速はなさき 根室行)に乗りました。まるでテレビの旅番組のような素晴らしい車窓で、根室ではさんまをいっぱい食べました。ここ目黒でもさんま祭りがありますし、真田ナオキさんとは三真(さんま)フェスを開催しています。さんまに縁があります(笑)」
ミッツライブの目玉はアコーディオンの演奏だった。ムード歌謡を届けたライブ中盤。アコーディオンを抱えると、新たなチャレンジを初披露したのだ。
編曲家としても知られる音楽家 伊戸のりお氏から借りたというアコーディオン。ピアノとギター、そしてアコーディオンによる三重奏の演奏で、三丘が「高原列車は行く」を軽快に歌うと、大きな拍手に包まれていた。
第一部では演奏後、「リハーサルのほうがうまくいった。第二部はもっとうまく弾きます!」と軽口で笑わせていたが、「テレビの音楽番組でやらされたどうしよう(苦笑)」とも。三丘がテレビでアコーディオンを披露する機会はそう遠くないかもしれない。
この日、三丘は2公演で計36曲を熱唱したが、ライブの終盤には発売されたばかりの新曲「ゆうなぎの唄」が届けられた。
来年のデビュー10周年に向けて、三丘は恋とか愛ではなく、いつの時代にも歌っていられる穏やかな風景の歌を美しいメロディーで歌いたいと希望していたそうだが、そんな三丘の気持ちを組んで出来上がってきたのが、新曲だった。
「水森先生が一曲一曲、丹精を込めて曲をつくってくださいます。10月16日に発売になりました10枚目のシングルです」
ヨナ抜き音階を用いたメジャーワルツの抒情歌「ゆうなぎの唄」。三丘の歌唱と相まって、どこか懐かしく、気持ちが優しくなれる作品だ。
「来年はデビュー10周年です。えっ!? 紅白? もちろん何があるかわかりませんからね。でも、10周年を記念するライブかコンサートができたらいいな。チーム三丘の輪をどんどん広げていきたいと思います。夢は大きく、これからも頑張ります!」
ラストは映画『ティファニーで朝食』の劇中歌「ムーン・リバー」を歌って締めくくると、三丘はアンコールに昭和41年のヒット曲「若いってすばらしい」をファンと一緒に合唱して楽しんだ。
三丘翔太のテイチクアワー スタジオLIVE!
「懐メロボーイ」として親しまれている三丘翔太は、テイチク90年の歌の歴史を紐解く生配信ライブを開催。「祝・テイチク90周年!三丘翔太のテイチクアワー スタジオLIVE!第四回」は11月12日(火)19:00~から配信予定
2024年10月16日発売
三丘翔太「ゆうなぎの唄」

「ゆうなぎの唄」
作詞/前田たかひろ 作曲/水森英夫 編曲/猪股義周
c/w「困るのよ」
作詞/さくらちさと 作曲/水森英夫 編曲/猪股義周
テイチクエンタテインメント TECA-24055 ¥1,500(税込)