坂本冬美がカラオケ王座決定戦を開催。 “冬美愛”にあふれた大会に、新曲「再会酒場」での紅白出場を熱望。ファイナリスト全10名の歌唱シーンも掲載。
坂本冬美が9月28日、最新シングル「再会酒場」のロングセールスを記念して開催されたカラオケ王座決定戦に特別審査員として参加した。
東京・港区のJ-SQUARE SHINAGAWAで行われた「坂本冬美『再会酒場』リリース記念 令和カラオケ3部作限定 カラオケ王座決定戦」は、坂本が令和に入って発売したシングル3作品「俺でいいのか」、「酔中花」、「再会酒場」に限定したカラオケ大会。全国はもとより、香港、タイ、韓国、台湾など海外からも応募があり、トータル850通のエントリーに坂本自身、「それは本当ですか!」と驚いていた。また応募者は8歳から85歳と幅広い年齢層に渡っていた。
「カラオケ大会は、『雪国~駒子 その愛~』(2007年リリース)以来になります。今日は特別審査員として、私のモノマネではない、皆さんそれぞれの歌を聴かせていただきたいと思います。モノマネは(坂本)冬休みさんだけで十分でございます(笑)。オリジナリティあふれる歌をお願いします。ただ、ひとつだけお願いがございます。私よりうまく歌わないでください。それだけはお願いします! それでは・・・、『令和カラオケ3部作限定 カラオケ王座決定戦』でございます。皆様、最後までよろしくお願いします」
坂本の宣言によって開幕した決定戦には、一次審査を通過した10名が参加した。審査員は、音楽評論家の富澤一誠氏、3部作を作曲した徳久広司氏、坂本の担当プロデューサー 山口栄光氏、担当ディレクター 松尾文美氏が務めたが、決定戦に進出した10名には歌唱力に加えて、いかに“坂本冬美愛”があふれているかが求められた。
そんな中、優勝したのは秋田県から参加し、「俺でいいのか」を歌った佐藤ひとみさんだった。
「歌う前は心臓バクバクでしたが、冬美さんの前で歌わせていただくことができて本当にうれしかったです。冬美さんが『あばれ太鼓』でデビューされたときに、『素晴らしい歌声だな』と思いまして、早速、練習したのを覚えています。冬美さんは私の歌の先生です。大会に参加するにあたっては3曲とも練習しましたが、『俺でいいのか』がいちばん自分に合っていると思って選びました。いろいろ失敗したので、出来についてはあまりいい点数はつけられませんが、この場所に来られたことがうれしかったです」
そんなふうに語っていた佐藤さんだが、優勝が決まると、「本当ですか!? 嘘みたい! 普段よりうまく歌えなかったので、優勝できるなんて全然思ってませんでした」と感無量だった。
坂本が「いいお声でした。民謡か何かされていますか?」と声をかけると、佐藤さんは「母と祖母は民謡をしていますが、私は演歌一筋です」と答えていた。
準優勝は東京から参加し、「再会酒場」でエントリーした中村幸綱さん。歌唱を終えた中村さんは、「小さいときから演歌が大好きでした。出身は三重県鳥羽市なんですが、冬美さんが近くに来られたときにはコンサートにも行かせていただきました。とにかく冬美さんは華やかで、トークも面白くて大好きです。たぶん、僕が生まれた年ぐらいに冬美さんがデビューされていると思うので、一緒に歩んできた気がします(笑)。ですから、この大会を知ったときには出場しないといけないと思いました! 緊張しましたが、今日は一生懸命歌いました」と話していたが、歌唱力が評価されての準優勝だった。
大会では「坂本冬美特別賞」も準備され、「歌はもちろんですが、私の振りを全部マネして歌ってくださったのがうれしくて、とても印象的でした」と、坂本は山口県から参加し「再会酒場」で勝負した新庄りえ子さんを選出。坂本自身が愛用しているものと同じタイプのスピーカーをプレゼントした。
新庄さんは歌唱後、「夢のようです。笑顔で歌いたいと思いましたが、歌っているときは手が震えました。『再会酒場』はコロナが明けて、希望を持とうという歌なので、それを表現しようとかんばりました」と話していたが、“冬美賞”の受賞が決まると、「冬美さんの歌っている姿を見て、振りや歌い方を研究して練習してきました。幸せです」とうれしそうだった。
総評では、審査員の徳久広司氏が、「3曲それぞれにポイントがあるので、そこを聴きながら、“冬美愛”を審査しました。佐藤さんは本当にうれしそうに、幸せそうに歌ってくれていました」と評価した。また富澤一誠氏は、「レベルの高い大会でしたが、愛を感じたカラオケ大会でした。来てよかった。審査員でしたが、楽しめました」と感想を述べ、「少し長くなりますが・・・」と、出場者ひとりひとりに審査員としてコメントし出場者を労った。
そして、大会のフィナーレは優勝者による歌唱。坂本冬美がそばで見守る中、佐藤ひとみさんがもう一度、「俺でいいのか」を披露した。佐藤さんは涙ぐみながらも、最後まで歌いきり、坂本も優しく寄り添っていた。
カラオケ大会を終えた坂本冬美は、参加者の本気を感じたという。
「『私よりうまく歌わないで』とお願いしたほど、皆さん、お上手でした。カラオケ大会そのものは十数年ぶりでしたので、皆さんの本気を感じました。今日は、皆さんが一生懸命練習してくださっている姿を想像しながら聴かせていただきました。私もカラオケ大会やオーディション番組で、歌手へのきっかけをつくりましたので、昔を思い出しました。『再会酒場』、『酔中花』、『俺でいいのか』はカラオケファンの皆様に向けてつくらせていただいた曲でもあります。皆さんが歌ってくださるのを目の前で見て、『いい歌を届けることができてよかったな』と、肌で感じることができました。幸せな一日を過ごさせていただきました」
そして、この大会を通じてNHK紅白歌合戦で「再会酒場」を歌いたいという思いを強くしたと明かした
「これだけたくさんの方が『再会酒場』を歌っていただけていることが証明されました。ここ最近は紅白に出させていただいても、新曲を歌わせていただく機会がなかったので、『再会酒場』で紅白に出たいです!」
大会では坂本冬美のミニライブも行われ、坂本は9月20日に発売されたばかりのアルバム『酒場のうた』から「あじさい酒場」、「酒と泪と男と女」(カバー)、「再会酒場」を聴かせた。『酒場のうた』は、お酒をテーマにした楽曲を坂本がセレクションしたアルバムで、「あじさい酒場」はデビュー曲「あばれ太鼓」のカップリング曲。恩師・猪俣公章氏の作曲作品を今回、新たにレコーディングして収録した。また「再会酒場」はセリフ入りバージョン。ファンにセリフ入り「再会酒場」を届けるのは今回が初めてだった。
選ばれしファイナリストたち
「坂本冬美『再会酒場』リリース記念 令和カラオケ3部作限定 カラオケ王座決定戦」には850通のエントリーがあり、審査を通過した10名のファイナリストが決定戦に出場した。優勝は佐藤ひとみさん、準優勝は中村幸綱さん、特別賞は新庄りえ子さんが獲得したが、その他のファイナリストの歌唱にも、坂本冬美は「皆さん、歌がお上手でした。それぞれの個性を感じましたし、コブシの使い方や、詩の解釈など私自身勉強になりました」と話していた。
▲今野里恵子さん(宮城)/「再会酒場」
トップバッターは今野里恵子さん。歌唱順はトランプくじにより決められたが、「家族からは1番は絶対引くなって言われて来ましたが、引いたら1番でした(苦笑)。でも、冬美さんの目の前で歌えて本当に幸せでした」。
▲宇田津幸恵さん(宮崎)/「酔中花」
「どこを見ていいのかわからないし、どんなポーズをしていいのかもわからないし。カラオケのときは冬美ちゃんのやっているようにやっているんですが・・・」と、歌唱審査では緊張したと話された宇田津幸恵さん。「でも、昨日までは声も出なかったんですが、今日はパカーッと開きました。本当に冬美さん、大好きです。今年の5月に冬美さんのYouTubeチャンネルを見て、ポーンって脳天を打たれたように恋をしてしまいました」
▲木下信男さん(栃木)/「俺でいいのか」
ト音記号のブローチをつけて出場した木下信男さん。「すごく緊張しましたが、最高です。こういうことはもう二度とないかもしれません。出来映えは半分ぐらいです。ちょっとあがってしまいました」
▲初岡優子さん(東京)/「酔中花」
「冬美さんの歌は大好きで、いつもカラオケで歌わせていただいています。冬美さんにお会いできて感無量です。若いときから冬美さんの曲を聴いて、ずっと歌っています。衣裳は、ゆらゆらしているほうがいいのかなと思って選びました」
▲林美佐江さん(埼玉県)/「俺でいいのか」
「風邪を引いてしまって、今月はたった2回しか練習できてないんです。その間は冬美さんの曲をYouTubeで聴いたりして一生懸命勉強していました。振りは娘が考えてくれました。出来は100%ではないんですが、気持ちよかったです」
▲川田浩行さん(群馬)/「再会酒場」
「冬美さんの『あばれ太鼓』を初めて聴いたときに、こんなに歌がうまい人がいるだと思って、自分も一生懸命練習しようって思って、よく歌っていました。緊張しましたが、気持ちよく歌えました」
▲越智麻美さん(福岡)/「俺でいいのか」
最後の歌唱となり、「緊張する時間が長くて・・・」と語った越智麻美さん。「(決勝進出の)通知が来たときから、ご飯が食べられなくなりまして・・・。3杯か4杯しか。死ぬかと思いました。今日からは食べます」と、緊張しながらも軽口で会場を沸かせていた。歌唱の出来については「いつもとちょっと違う感じでしたが、がんばりました」と話され、坂本冬美を目の前に「冬美さんは憧れです。美しいです!」。
2023年9月20日発売
ベストセレクションアルバム
坂本冬美『酒場のうた』
「再会酒場」(セリフ入り)、「あじさい酒場」(2023年ボーカル新録)、「出逢い酒」(2023年ボーカル新録)など酒場をテーマに坂本冬美のオリジナル楽曲とカバー楽曲で構成した珠玉の酒場ベストセレクション! 全16曲。
収録曲
1.「再会酒場」(セリフ入り)
2.「あじさい酒場」(2023年ボーカル新録)
3.「祝い酒」
4.「男哭酒」
5.「出逢い酒」(2023年ボーカル新録)
6.「男惚れ」
7.「能登はいらんかいね」
8.「お酒と一緒に」
9.「居酒屋」(duet with五木ひろし)
10.「舟唄」(オリジナル歌手:八代亜紀)
11.「おもいで酒」(オリジナル歌手:小林幸子)
12.「紅とんぼ」(オリジナル歌手:ちあきなおみ)
13.「酒場にて」(オリジナル歌手:江利チエミ)
14.「酒よ」(オリジナル歌手:吉幾三)
15.「酒と泪と男と女」(オリジナル歌手:河島英五)
16.「愛に乾杯」