深川隆成

ジャズ歌手・深川隆成が東京・赤坂のサントリーホールでニューアルバム発売記念コンサートを開催

ジャズの英語歌詞を自ら日本語に訳して歌って人気を集めている個性派ジャズ歌手・深川隆成が9月17日、東京・赤坂のサントリーホールでコンサートを開いた。

昨年5月26日にも同ホールで日本語JAZZ公演を行い、ウクライナ支援のためのコンサートとして同国の復興にひと役買ったが、今回は、ニューアルバム「それでも朝は来る」(7月7日発売)の発売を記念して開催したもので、サントリーホールでの公演は2年連続2回目。

深川隆成

現在、ライブとCD制作を主体に音楽活動中の深川は、音楽を通じて、アフリカのペナン共和国の学校支援とウクライナ支援の2つを中心に社会活動を行っており、昨年7月発売のウクライナ支援アルバム「ひまわり Loss Of Love」では、「たとえ私が死んでも、歌がある限りウクライナの復興のためにお役に立てるのでは…」として、同CDの収益金全額をウクライナに寄付し続けている。

会場には、大勢のファンが詰めかける中、ピアノ・星野由美子、ベース・篠宏昌、ドラムス・秋田聡、サックス・大川修広の4人のミュージシャンをバックに、星野由美子、飯田さつき、MIRANO(ミラノ)の3人のゲストボーカルの歌でオープニングの幕を開け、深川はニューアルバムの収録曲からジョセフ・コズマ作曲「Autumn Leaves」、チャーリー・パーカー作曲「What Price Love?(Yardbird Suite)」同アルバムのタイトル曲で自作曲「それでも朝は来る」、自身が初めて日本語詞に訳したベン・E・キング作曲の映画主題歌「Stand by Me」、アンコールで「All Of Me」など全12曲を熱唱した。

深川隆成

その中で歌唱した「Stand by Me」の日本語詞は、これまでにも数々の日本語詞が作られたそうだが、いずれも許可が下りず、深川が初めて許諾に成功。

「英語の歌詞を日本語に乗せるのは非常に難しくて、特に歌詞を大事にしている著作者は、英語詞と日本語詞が全く同じ意味でなくてはだめだとして認められなかったんです。『スタンド・バイ・ミー』を私は『そばにいて』と訳したのですが、世界でも有名な『Fly Me To The Moon』も私が日本語詞に訳して、初めて許可が下りた1曲です。原曲の雰囲気を残しつつ日本語で表現する…目を閉じて聴いていれば、日本人にもその歌詞の持つ心模様、景色が届くと思って作っています」

深川隆成

ゲストボーカルやバックミュージシャン
たちと。右から3人目が深川隆成

これまでに300曲ぐらい日本語に訳詞し、そのうち32曲が許諾されたそうで、「これからもよりたくさんの曲を日本語化して、日本語でジャズを歌う文化をつくっていきたい。それを日本人の皆さんがカラオケなどで、日本語詞で歌っていただけたらうれしいですね」と話していた。

10月27日には、東京・千代田区の東京倶楽部水道橋店で日本語JAZZライブを開く。