吉永加世子が恒例のサマーライブを開催し、夏の日のボルテージも最高潮に! 師匠・吉幾三との師弟愛も!
吉永加世子が六本木の夜を熱くした。8月26日、東京・港区のライブハウス「六本木バードランド」で恒例のサマーライブを開催。「夏の思い出をつくりたい」と満席の観客と、熱くて温かい空間をつくった。また師匠の吉幾三もサプライズで参加し、吉永とのデュエットも実現した。来年はデビュー30周年の節目の年。吉永は熱い応援をファンに訴えた。
夏の日のボルテージも最高潮に!
吉幾三がプロデュースし、2020年に発売した「燃えつきて」でステージに飛び出してきた吉永加世子。“燃えて・・・ 今夜も眠れない”と声を張り上げると、続いて岩崎宏美の「シンデレラハネムーン」を披露。ライブの開幕を告げる笑顔をみせた。
「8月最後の土曜日です。夏の思い出をつくりたいという、恒例の吉永加世子サマーライブです。汗をびっしょりかきながら一曲一曲歌わせていただきたいと思います。私の意気込みは、このステージで体重2.5キロやせて帰ることです(笑)。皆さんも一緒に盛り上がってください!」
吉永は、現在の“吉永加世子“に改名した2008年に吉幾三につくってもらった「永遠(とわ)に愛して」のカップリング曲「ひとり・・・湘南で」を聴かせ、コーラスでファンとの掛け合いを楽しんだ。また、夏を感じさせる「夏をあきらめて」「たそがれマイ・ラブ」で、ボルテージを上げていく。
研ナオコのカバー曲としても知られるサザンオールスターズの「夏をあきらめて」では、この日のために練習してきたというオカリナを前奏で演奏し、ファンを喜ばせた。最初の入りではオカリナ演奏を失敗し、「諦めようかと思いました(苦笑)」が、2度目のチャレンジで「オカリナ・デビューできました!」。
吉永のバックを務めるのは、K.Y-BANDOだった。ただ、いつもならバンドマスターとしてドラムの太田ヒロさんが演奏を引っ張るが、この日は違った。
「約1カ月になりますが、先月、20年間バンマスをしてくださった太田ヒロさんが残念ながらお亡くなりになりました。『加世子のサマーライブを楽しみにしているから、それまでには元気になって帰る』と言ってくださっていたんですが・・・」
一時は、サマーライブの延期も考えたという。だが、太田ヒロも天国から観に来てくれるだろうと、予定通りライブを開催することにした。そして、この日、ドラムを叩いていたのは実娘のさくらだった。
吉永はファンからのリクエストをもとに、「東京」(やしきたかじん)」、「北国行きで」(朱里エイコ)、大好きな髙橋真梨子の「ジョニーへの伝言」をメドレーでカバーすると、ロングヒットを続ける最新曲「サヨナラTokyo」へと歌い継ぐ。
リクエストから選曲したカバー曲が、「愛した人とたくさんの思い出をつくった、大好きな街から出て行く作品になったので、そういうテーマなら、やはりこの歌ですよね!」と披露した「サヨナラTokyo」だった。
会場からは、「サヨナラTokyo」のロゴが描かれたオリジナル形状のうちわが振られ、「まるで蝶々が飛んでいるようでした」と、うれしそうだった。
ステージがざわついたのは、そんな時だった。師匠の吉幾三がステージに登場したのだ。
「ビーチサンダルで来ちゃったよ。お台場で飲んでたんだ。『あれ!? 今日だっけ?』と思って電話したら、『もう始まりますよ』と言われて。日付勘違いしていた。タクシーを飛ばしてきたよ。加世子、お前、ちょっと休め。その間、俺が歌うから。皆さん、投げ銭いただけますか(笑)」
一人で歌おうとする師匠を制して、「一緒に歌いたい」とリクエストした吉永。2人で三好鉄生のヒット曲「涙をふいて」をデュエットした。同曲は吉がアルバム『あの頃の青春を詩う vol.2』(2014年)の中でカバーしている作品でもあり、吉が“涙をふいて ほほえみ合えたら”と歌うと、吉永が目をうるうるさせる場面もみせた。のちに、「泣き虫は師匠ゆずりなんでしょうか」と吐露していたが、師弟愛を感じさせるシーンでもあった。
師匠が弾き語りで一曲披露する間に、衣裳をチェンジした吉永は、「乗ってますか? 元気ですか? 元気があればなんでもできる!」と呼びかけると、会場のある六本木にちなんで「六本木心中」などを披露。この夏、吉ファミリーで旅行した沖縄にちなんだ作品から「恋しくて」「涙そうそう」「ハナミズキ」を歌った。
「今年2023年はいろんな思い出ができました。そして『サヨナラTokyo』を歌い始めてから、たくさんの人に声をかけていただけるようになりました。本当にうれしいなと思っています」
吉永は今の思いを吐き出すと、この日のために研鑽してきたマライヤ・キャリーの「HERO」、大好きな歌手の一人、山口百恵の「曼珠沙華」を歌い、ラスト曲には桂銀淑の「花のように鳥のように」を選曲した。
「楽しい時間はあっという間に過ぎていきますが・・・」。その思いはファンも同じだ。“加世子コール!”に応えて再登場した吉永は、アンコールに「勝手にしやがれ」、そしてもう一度、「サヨナラTokyo」を歌い上げた。師匠の女唄を伝承する思いを決意した一曲でもあった。
▲沢田研二の「勝手にしやがれ」のカバーでは、最後に被っていたハットを客席へ投げるパフォーマンス。そのハットを受け取ろうとする観客。だが・・・。▲ハットにはリールが付いており、吉永加世子の元に戻っていく。ハットトリック(?)の大成功に大喜びの吉永。「これがやりたかったんです!」
「来年は節目の年になります。気持ちも新たに一生懸命頑張っていこうと思います。そのためには皆さんの熱い応援が必要です」
1989年に作詞家・弦哲也氏に師事し、1994年、“小林加代子”として「涙の浜千鳥/女の花道」でデビューした吉永加世子。デビュー30周年の節目に向け、心を躍らせていた。