木川尚紀がゆあさみちるのライブにゲスト出演。最新曲「下手くそな生き方だけど」などを披露。特技のギターで松山千春のデビュー曲「旅立ち」もカバー
木川尚紀が7月21日、東京・赤坂のミュージックレストラン エムゼス東京で開催された「ゆあさみちる LIVE 2023」にゲスト出演し、特技のギターを演奏しながら、最新曲「下手くそな生き方だけど」など5曲を披露した。
木川は2019年8月に、田久保真見・作詞、花岡優平・作曲の「泥だらけの勲章」でテイチクエンタテインメントからデビューした。デビュー前は工場で働いており、油で汚れた作業着がデビュー衣裳だった。
インパクト抜群のデビューだったが、デビュー2年目からはコロナ禍になったこともあり、セカンドシングルの発売まで時間を要した。持ち前の明るさもあり、テイチクサムライのひとりとして活躍しながら、昨年9月、3年ぶりにセカンドシングル「下手くそな生き方だけど」をリリースした。
その最新曲のカップリング「石ころ純情」を等身大で歌い始めた木川は、地元・茨城県からやって来たといい、最近テレビに出たと報告した。
出身地 行方(なべがた)市では7月12日に突風による被害があり、最大1000戸が停電し、固定電話も一時不通になった。翌日、突風で被害にあった場所を偶然、車で通ったところニュース映像に、その姿が映ったという。
災害への備えを促しながらも、「いや~、うれしかったですねえ。映ったのは車だけですけどね」と、軽口で観客を笑わせると、演歌と同じように大好きなフォークソングから松山千春の「旅立ち」をカバーした。
同曲は1975年、松山が19歳の時に「全国フォーク音楽祭北海道大会」に出場して歌った曲だ。ニッカ ポッカにサングラス姿で登場した松山は、これがステージ衣裳だと言った。残念ながら大会では上位2組に入れず落選したが、大会を通じて松山の歌声を聴いたSTVのラジオプロデューサーの目にとまり、1977年、同曲でデビューを果たした。
木川は自らの人生に重ねるように、「いろんな旅立ちがありますよね」と、同曲を熱唱すると、デビュー曲のカップリング「てるてるぼうず」を心を込めて歌った。
「てるてるぼうず」は都会で頑張る主人公が故郷の母親を思う作品。木川は4歳の時に母親と死別しており、25歳になっても「母親の姿形、声を聴くこともなかった」という。ところが、「ある日、突然、家のタンスの隅から一本のビデオテープが出てきましてね。それに母親が映っていました。たぶん、母親がそこに隠したんだろうと思う置き方がされていましたが、そのビデオを観て、久しぶりにお母さんに会ったような感じになりました」。
涙を誘う木川の歌唱に、会場からは一際大きな拍手が贈られた。
デビュー4年の木川が歌うオリジナル曲はすべて花岡優平氏の作品だ。働きながら地元のカラオケ大会に出場していた木川が、「小美玉発!スター★なりきり歌謡ショー」に出演したのがきっかけだった。
同大会は大ホール稼働率が県内ワースト2だった茨城県小美玉・小川文化センター(現愛称・アピオス)が住民参加を旗印に生まれ変わろうと企画した、10年間の限定大会。出演者は大物歌手になりきって自慢ののどを披露し、応援団が客席から声援を送る。会場は満杯となった。
木川は2016年の第7回大会で優勝し、最後の開催となった2019年の第10回大会でも準優勝。この大会を通じて、審査員を務めていた花岡優平氏に出会って師事し、デビューへの切符を掴んだ。
2019年に「泥だらけの勲章」でデビューした木川は、「花岡先生に出会えなかったら、ここでギターを持って歌っていることもないし、木川尚紀というひとりの歌手がここに立っていることもなかったと思います」と感謝していた。
この日、ライブ会場には花岡氏も姿を見せていたが、「今日は花岡先生に久しぶりにお会いできたのがうれしかった」と話し、ミニライブの最後に、「いまいちばん頑張っている歌です」と、フォークタッチのバラード「下手くそな人生だけど」を披露すると、ゆあさみちるにステージをつないだ。
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