石川さゆりが紅白では今の時代に寄り添った「天城越え」を披露。1年の総決算として、「エネルギーをいっぱい詰めたい」
石川さゆりの今年の歌い納めは大晦日のNHK紅白歌合戦での「天城越え」となる。オーケストラと和楽器による演奏で聴かせる。
12月29日に紅白のリハーサルを行った石川は、「紅白歌合戦というのは、私たち歌い手がスタッフや大勢のファンの皆さんと一緒に、この1年を思いっ切り走った総決算として、歌い納めをさせていただく場でもあります。エネルギーがいっぱい詰まったものにしたいと思います」と語った。
デビュー50周年を迎えた石川は今回の紅白が45回目の出場となる。
「初出場させていただいた時は10代でした。以来、20代、30代、40代、50代・・・と来ましたが、こうやって50周年の時に紅白で歌わせていただくのは、ファンの皆さんがしっかりと応援してくださって、私の歌をたくさん聴いてくださったおかげです。幸せだなって簡単に言えるわけじゃありません。デビューした頃はたくさんの先生が導いでくださいました。『さゆり、頑張れっ』て。それが気づくと、そういう先生方はみんな天国にいらっしゃって・・・。でも、私の周りには本当に頼もしいスタッフがいて、一緒に走ってくれています。すごくうれしく思います」
胸の奥にしまい込んでいた想いをゆっくりと感慨深げに話した石原。オーケストラと和楽器で歌う「天城越え」については、今の時代の音楽にしたいという。
「『津軽海峡・冬景色』と『天城越え』をここ数年は交互に歌っています。「違う歌を歌えばいいのに」とおっしゃる方もいます。「この歌を聴いて1年を終わりたい」という方もたくさんいらっしゃいます。自分で言うのはおこがましいんですが、この2曲を皆さんが日本の歌のスタンダードにしてくださっているとしたら、歌い手としてこんなにうれしいことはありません」
「でも、そんな中でも切磋琢磨しながら、その時代の『津軽海峡・冬景色』や『天城越え』を、スタッフの皆さんと一緒につくりたいと思ってやってきました。今年は、コロナやロシアによるウクライナの侵攻など、いろいろ大変な世の中になりました。ですので、『もっとちゃんと手をつないで、みんなで乗り越えていかないといけないことがいっぱいあるよ』『きっとみんなでいろんな困難を乗り越えられるよ』という思いで、今の時代の『天城越え』をつくりました。大晦日では、そこを感じていただけたらいいなと思っています」
そして、石川は今年の漢字一文字に「新」を選んだ。
「コロナ禍で本当にみんな大変だったけど、大変大変と言うだけじゃなくて、それぞれがいろんなことを考えた時間だったと思います。紅白もそうですが、コロナの前と今回とは何かが違います。皆さんにも新しい気持ちが芽吹いていると思います。私も50周年を迎えて、ここで落ち着いちゃうんじゃなくて、新しい何かが、ぽこんと芽吹くようにしたいなと思っています。きっと何かが始まっています」