舟木一夫が10日間で300曲を披露。旅立った西郷輝彦への想いも胸に、芸能生活60周年記念ロングコンサートで大きなチャレンジへ
芸能生活60周年の舟木一夫が12月10日から同21日まで、東京・中央区の新橋演舞場で「芸能生活60周年記念 舟木一夫 ロングコンサート in 新橋演舞場」を開催することになり、開幕を翌日に控えた12月9日、同劇場で記者会見を行った。
今年1月19日の東京・東京国際フォーラム ホールAを皮切りに、11月16日の東京・中野サンプラザホールまで全国27カ所(全30公演)で芸能生活60周年記念コンサートツアーを行い、大成功を収めた。
芸能生活60周年を締めくくる同公演は、12月13日および17日の2日間の休演日を挟んで10日間にわたって開催される。3日ごとに曲目を変え、Aバージョン(10日~12日)、Bバージョン(14日~16日)、Cバージョン(18日~20日)、それにDバージョン(21日)の全4パージョンのプログラムで構成されるという。
Q:ロングコンサートを前にした今の気持ちは?
舟木 こんなに長く歌ってきていますので、ステージに立つたびにいちいちリキを入れたりはしませんけれど、今回は60周年の冠のコンサートラストで、しかも10日で300数曲歌います。風邪をひいたりしないよう体調には気をつけたいですね。
Q:3日ごとに曲目を変えて歌うというプログラムになっています。
舟木 それは僕自身が言い出したことです。10日間やらせていただく以上、ただ同じ曲をベタに持ってくるのが常套なのでしょうけれど、あえて(自分自身に)負荷をかけて、お客さまには少しわかりにくくても、バージョンを3つ作って、ラストに一つくっつける。要するに負荷をかけて頑張ってみようかなという感じです。
Q:チェレンジですね。
舟木 60歳過ぎてからの作品を歌うバージョンの中では、最悪というか、最強というか・・・(笑)。80歳を過ぎて現役で歌えるかというのがありますが、あと2年。このへんで1回、負荷をかけて、それがクリアできれば、その先が見えるのではないでしょうか。
Q:楽曲の構成についてはいかがですか?
舟木 思い出でいいと思うんですよ。それは、決して後ろ向きの同窓会ではなくて。僕は今年年頭から60周年は、こういう新しいこともお聴かせしてみようか、こういう構成もとか考えていたのですが、やはり単純に昭和の歌い手が昭和の歌を歌って、昭和のお客さまに楽しんでいただけるのが一番いいなと思っています。
Q:改めて芸能生活60周年のこの1年について聞かせてください。
舟木 好きな歌を歌っていたら60年がたっていた。長かったか、短かったかとよく聞かれますが、それは誰でも両方あるのではないかと。僕の場合は「50年目ですよ」とか「60年目ですよ」とか、まわりに言われながらきたので、それは幸せでしたね。今年1年は面白いこともつらいこともありましたが、一つだけ選べと言われたら、輝さん(西郷輝彦)が旅立ってしまったことですね。それが一番つらかった。いまだに吹っ切れていません。
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12月7日には、芸能生活60周年記念シングル「湖愁(こしゅう)」(詩・宮川哲夫、曲・渡久地政信)=松島アキラのオリジナル楽曲(1961年発売)のカバー=を日本コロムビアから発売した。
舟木が同曲を名古屋の某テレビ番組で歌い、松島アキラのステージで歌ったことがきっかけで「歌手・舟木一夫」が誕生した思い出の名曲だ。
「ある意味、『高校三年生』よりも大切な歌でして、その歌を歌うと、ただ歌が好きで、歌い手になりたがっていた少年のころに戻れる。来年は、今年やった分ぐらいの仕事がクリアできるか。その1点に集中してやっていきたい」と、新たな目標を見据えて意欲を燃やす舟木一夫だった。
2022年12月7日
芸能生活60周年記念シングル
舟木一夫「湖愁」
この歌を口ずさむとき、17歳の想いがあるれる・・・。1961年、松島アキラが歌った「湖愁(こしゅう)」を名古屋の某テレビ番組で歌い、松島のステージで歌ったことがきっかけで歌手「舟木一夫」が誕生した。そんな思い出の曲を記念シングルとしてリリース。カップリング曲には自作による代表曲「浮世まかせ」を収録。2022年9月1日、ウエスタ川越で開催された60周年ライブバージョンとなる。
2022年11月16日発売
舟木一夫『舟木一夫 芸能生活60周年記念コンサート』
・全曲舟木一夫のオリジナル曲、第1部、第2部合わせて3時間に及ぶステージを完全収録
・第1部:抒情歌謡の代表曲を中心に構成
・第2部:40分を超える組曲+朗読で構成した1996年のアルバム作品「その人は昔―東京の空の下で―」をステージ初披露
収録曲
■第1部
1.初恋
2.まだ見ぬ君を恋うる歌
3.あゝりんどうの花咲けど
4.貝がらの歌
5.夕月の乙女
6.木挽哀歌
7.帰る
8.麦笛
9.夕笛
10.吉野木挽歌〜絶唱
11.恋唄
■第2部
1.君へ心こめて
2.花咲く乙女たち
3.東京は恋する
4.北国の街
5.哀愁の夜
6.高原のお嬢さん
7.その人は昔―東京の空の下で―
8.銭形平次
9.ありがとうも さようならも
10.あゝ青春の胸の血は
11.修学旅行
12.仲間たち
13.君たちがいて僕がいた
14.高校三年生
15.学園広場
16.少年いろの空
17.みんな旅人
18.浮世まかせ
19.高校三年生
CD3枚組の『舟木一夫 芸能生活60周年記念コンサート』《¥5,500(税込)》も同時発売。