歌手・松原健之、俳優としての挑戦~前進座公演「雨あがる」出演で、表現者としてさらなる高みへ
歌手・松原健之が、長い歴史を持つ劇団、前進座公演「雨あがる」の舞台に上がり、本格的な俳優業に取り組んでいる。今年由緒ある国立劇場からスタート、東京・名古屋と延べ13回の公演を経て、年明け1月4日からは京都での13日間にわたる上演が予定されている。
松原健之と前進座の縁は、松原歌手デビュー前の2001年にさかのぼる。作曲家・平尾昌晃の紹介でオーディションを受けたところ、全国160回に及ぶ前進座公演に起用され、そこから歌手デビューのきっかけとなる恩師・五木寛之との縁も生まれたという。
前進座との出会いがなければ、その後の「歌手・松原健之」の運命も変わっていたのだと思うと、20年の時を経ての邂逅、これもまた運命なのかと思わされる。
今回の前進座公演への出演に、表現者としての松原健之も大きな刺激を受けたという。自身もその声量には自信があったというが、「共演する俳優の皆さんが、マイクなしで客席の後ろまで声を届ける発声の素晴らしさには、とてもかなわない。ただ声の大きさだけではなく、役になりきってセリフを届けることの難しさを勉強しました」と言い、俳優として真摯に役柄に取り組むことで、表現者としてのさらなる高みに挑戦している。
原作・山本周五郎の描く、市井の人々への温かい眼差しそのままに、「人の生き様」「人の優しさ」を丁寧に描き上げた舞台「雨あがる」。この中で松原は、芸を生業として旅を続ける渡り芸人与十郎を演じる。
松原健之の歌声を知る者にとっては、与十郎たちがその“芸”を披露する場面は印象的だ。それぞれの人生を旅する様々な人たちが、歌をきっかけに笑顔になり、絆を深め、明日への思いを馳せる情景は、まさに松原自身がコロナ禍で自由に活動できない時に夢見た情景そのもの。松原健之自身もまた、旅を続けている一人であることを改めて感じる一幕でもある。
この公演の主題歌となった松原健之の新曲「悲しみの旅人よ」は、それぞれの「旅」を続ける人々へ、そして「旅」を続ける自分自身へのエールのようにも思える。
「金沢望郷歌」に代表される歌手・松原健之しか知らないファンにこそ、ぜひ俳優・松原健之を見てもらいたい。
歌の世界ではすでに多くの人に認められている輝く星のごとき才能が、演劇という世界では実力ある俳優たちにもまれ、磨かれながら、月のようにその輝きを受け止めて光る様を見てもらいたい。それこそが、旅の途中の松原健之のありのままの姿だと感じることができるはずだ。
「様々な職業の人たちの人間模様が描かれたこの『雨あがる』というお芝居。歌手・松原健之とはまた違う“渡り芸人与十郎”としての舞台での生き様を観ていただけたらうれしいです。ぜひ来年のお正月、京都先斗町の歌舞練場にいらしてください」(松原)
【公演情報】
前進座京都初春特別公演『雨あがる』
日程:2023年1月4日~1月16日
会場:先斗町歌舞練場
(お問い合わせ)前進座関西事務所
TEL:06-6212-9600(平日10:00~17:00 土日祝休)
その他詳細は、前進座HPへ▶