中村仁美が歌手を引退。今後は歌の指導者へ

中村仁美が2月5日、公式ブログを更新し、この2月をもって歌手を引退し、歌の指導者の道へ進むことを明らかにした。

「仁美から大切なご報告です」と題し、次のように報告した。

「今日は 中村仁美から皆様へ。ご報告したい大切な事がありブログを書かせて頂きました。以前から体調を崩しており、松前先生をはじめ事務所スタッフの皆様にも心寄り添い支えて頂いておりました。しかし、このコロナ禍で自分と向き合う時間が多くなる中、歌の指導への道へ進みたいと強く思うようになり、この2月をもって歌い手を退く事を決意致しました。これまで応援をして下さった皆様には、心から申し訳ない気持ちでいっぱです」

1歳半のころから歌いはじめた中村は、4歳の時に初めて歌のステージに立つ。7歳から9歳までは編曲家・伊戸のりお氏のご尊父であり、札幌の伝説の演歌師・茅大介(かやだいすけ)氏に師事した。多くのカラオケ大会で優勝し、2005年、歌手を目指して上京。伊戸のりお氏と円香乃氏に師事する。

2007年には「日本クラウン創立45周年記念オーディション」に北海道代表として出場し、高評価を獲得。2012年、戸川よし乃として「すずめは雀」(作詞/円香乃 作曲/岡千秋 編曲/伊戸のりお)でデビューした。

2018年6月、中村仁美に改名し、9月に新曲「冬紅葉」をリリース。新曲発表会で、関係者に改名報告と「冬紅葉」を披露した。新曲のレコーディングでは感情移入し、泣いてしまったと話していた。

2017年に出した「松前半島」が縁となり、同じ北海道出身の松前ひろ子(ミイガンプロダクション)と懇意になる。そして2018年6月、本名の中村仁美に改名、ミイガン所属として、同年9月「冬紅葉」(作詞/原文彦 作曲/弦哲也)をリリースした。

2019年の「恋の川」を経て、2020年には作詞・円香乃、作曲・岡千秋、編曲・伊戸のりおによる「涙岬」をリリース。カップリング曲「かもめの姉妹」では松前とデュエットしていた。

明るいキャラクターからは想像もつかない哀愁を帯びた歌声が魅力の中村。ブログでは「頂いたこの大きなぬくもりを、これからも心の糧にし、新たな目標に向かってしっかり歩いて参りたいと考えております」と、その思いを綴っている。

中村仁美公式ブログ「すずらん日記」

中村仁美としてのセカンドシングル「恋の川」のリリースを控えた2019年3月30日には、東京・新宿の牛込箪笥区民ホールで中村仁美としてファーストコンサートを開催した。

中村仁美ファーストコンサートには、デビュー曲からお世話になっている作曲家・岡千秋氏が激励に駆けつけ、中村は思わず涙する。この日の中村は冒頭から「今日は泣きません」と宣言していたが、ステージでは何度も涙していた。

ミイガン・ファミリーの一員として、松前ひろ子、三山ひろしと共に、第2の歌手人生を歩んでいた中村(左)。