夫婦の絆に支えられ55年……三船和子が感謝を歌う

芸能生活55周年を迎えた三船和子が記念曲として「幸せは ホラ…」をリリースした。
17歳でデビューし「他人船」などヒット曲を次々と出すさなかの交通事故で、一旦は引退したものの、その後実生活で支えられた夫への感謝を歌にした「だんな様」で見事な再起を果たした。「悩んでいてもすぐ忘れるタイプ」と自らを語り、前向きに生きる姿勢が幸せを呼び込み、夫婦の絆を歌う楽曲は十八番である。この記念曲でも、そうした持ち味を十分に発揮する。

生涯現役で歌い続ける

--芸能生活55周年、おめでとうございます。記念年を飾る新曲は、さまざまな人生経験を積まれながらも一線で活躍される三船さんから、励ましのメッセージが伝わってくるような温かい曲ですね。

三船 詞を見た時に、私の人生そのもので胸にこみあげてくるものがありました。人生は山あり谷ありで、それはどなたにも当てはまること。皆さんもさまざまな経験をされていらっしゃると思います。そんな中でも、幸せは自分でつかむもの、ちょっとのことでも幸せはやってくることを感じでいただきたいですね。

--デビューされてから55年の間には、交通事故の後遺症で家庭に入られた時期もあります。その時は、歌への諦めがきっぱりとついたのでしょうか。

三船 はじめは心のどこかで未練が残っていたかもしれませんね。ただ、家庭に入って1年ほどしてから、大切に使っていた私のネーム入りの譜面をチリ紙交換に出したことがあって、それで吹っ切れました。

--その当時、譜面に歌手のネームを入れていただけるのは、ほんのひと握りの歌手だけに許された貴重なものだったと聞いています。それをまとめて全部ですか?

三船 譜面は命より大切だと思っていたので、処分するのも最後になりました。でも、楽譜と交換したトイレットペーパー2個を見て、一般社会では何の役にも立たないと思った瞬間から、歌い手への諦めがつきました。

--その後、家事や育児に追われながらも、あるパーティーで歌われたたことがきっかけで復帰されました。再デビュー後のヒット曲「だんな様」が、今回の作曲も手がけていらっしゃる岡 千秋先生との出会いですね。

三船 あの時は歌手として復帰する話がまとまってすぐに岡先生が曲を書いてくださったんです。そしてこの55周年記念曲も、2曲とも明るくて踊りながら歌いたくなるような曲を作ってくださいました。本当にノリがいい曲でステップを踏みながら歌えるリズムなので、私も家では家事をしながら口ずさんでいます。ぜひ多くの方に親しんでいただきたいですね。

1983年8月1日発売「だんな様」  
作詞/鳥井実 作曲/岡 千秋  
ミノルフォンレコードの第1号歌手として「ベトナムの赤い月」でデビューした三船。1968年に交通事故に遭い声が出なくなり歌手を引退するも、リハビリの末1982年100万枚を超えるセールスとなったこの曲で、奇跡の再起を果たした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--最後に、今後の抱負を聞かせてください。

三船 歌い手である以上はステージに立つことが使命だと思っています。生涯現役で60周年、70周年を目指します。

(文=高橋真里)


2020年10月7日発売
芸能生活55周年! ますます花開く
三船和子「幸せは ホラ…」

「幸せは ホラ…」  
作詞/円 香乃 作曲/岡 千秋 編曲/伊戸のりお  
c/w「夫婦げんかも愛なのね」  
作詞/円 香乃 作曲/岡 千秋 編曲/伊戸のりお  
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91306  ¥1,227+税

芸能生活55周年記念曲「幸せは ホラ…」は、ノリのいいリズミカルなメロディーに乗せて人生の悲喜こもごも、感謝を歌う明るい一曲。c/w「夫婦げんかも愛なのね」は、三船の本領発揮、歌唱力が光る夫婦演歌。「若い頃はこういうことがいっぱいありました。でも嫌なことはすぐ忘れます。最後の「ねぇあなた」は女性のかわいらしさを表現するように気持ちを込めて歌っています」(三船)。

Profile
三船和子(みふね・かずこ)
1947年9月10日、愛知県生まれ。本名は、緒方一子(おがた・かずこ)。松山恵子に憧れて歌手を志し、1965年、ミノルフォンレコード第1号歌手としてベトナム戦争の反戦歌「ベトナムの赤い月」でデビュー。デビュー翌年の1966年、「他人船」が当時10万枚を超えるヒットを飛ばしいちやく人気歌手へ。その矢先、1968年に交通事故に遭遇し、ケガの後遺症のため一時引退を余儀なくされる。その後リハビリに専念、1982年「だんな様」で再デビューを果たし大ヒットを記録。「他人船」と並ぶ国民的愛唱歌として長く愛されている。今年芸能生活55周年を迎え、記念曲「幸せは ホラ…」を発売。円熟した歌唱力でこの先も「生涯現役」と意欲を燃やす。