“艶歌”の若山かずさが挑む男唄~「男の花」で胸熱く~

若山かずさが出会った初めての男唄。これまで女心を歌ってきた若山の新しい挑戦だったが、意外や意外。艶っぽい男唄が誕生した。

 

――「男の花」は歌手デビュー37年目にして初の男唄ですね。“蕾硬けりゃ 硬いほど”など、歌詞を拝見させていただくと、耐えて花を咲かせる男の生き様が歌われています。

若山 美樹克彦先生から「こんな曲があるよ。ぜひ歌ってみない?」と打診があって、“詞も曲もいいな”ということで歌わせていただくことになりました。美樹先生も歌ってもらえたらとおっしゃってくださいましたし、喜多條 忠先生の詞も素晴らしいと思いました。男の人の人生応援歌になるような曲は今まで歌ったことがなかったのですが、“艶歌”を歌ってきた若山かずさが、また新たな歌に挑戦するっていうのもいいですよね。

――美樹克彦先生といえば、かつてアイドル歌手として活躍され、現在は作曲家、音楽プロデューサーとして活躍されています。美樹先生とのご縁は以前から?

若山 ええ。美樹先生が(千葉県)木更津で音楽教室をやっておられ、私も現在は千葉に住んでいますので、たまにお会いしてお話しをする機会がありました。でも、私が思う先生のイメージは歌謡曲でしたから、先生の歌を歌うことはないだろうなって思っていました。また、喜多條先生にもご縁があるかなと思いながら、何度かお会いしていますが、作詞していただく機会はこれまでありませんでした。

――ところが、今回、喜多條先生と美樹先生による作品を歌うことになりました。

若山 自然に巡り巡って。偶然、流れがひとつになりました。プライベートではゴルフをご一緒したことなどもあったんですけどね。「男の花」は、今までとは違う先生の作品でもあるので、レコーディングやレッスンの仕方も異なり、勉強になりました。初めての男唄ですが、縁があって歌ってみたら、すごく若山かずさに合っていました。

――「男の花」ではイントロから入るサックスの音色が印象的ですね。

若山 サックスのおかげで、若山かずさの色になったと思います。サックスの音色がちょっと女性っぽく聴こえて、そんなに男っぽい歌ではなくなりましたね。男唄の中にも艶っぽさが出たねって、ディレクターさんもおっしゃっていました。

――レコーディングはいかがでしたか? 先生方からのアドバイスはありましたか?

若山 喜多條先生は体調を崩しておられて来られなかったんですが、美樹先生が来てくださいました。「男唄だから、歌い方も言葉遣いも今までとちょっと違うよ」と、歌い方を指導していただきました。例えば、1番の歌詞に“春は奇麗な 花になる”というフレーズがあるのですが、ここは譜割りが違うことを指摘いただいたり、「ここはちょっと力強く歌いなさい」など、細かくアドバイスをしていただいたり。最後の“咲かせてみせる 男の花を”のところも「最後はみんなに聴かせなきゃいけないんだから盛り上げて、“おとこ~”と、思い切りいきなさい」って。先生の中のイメージを意識しながら歌いました。

――歌詞についてはいかがですか? 男唄ですが、共感できる部分はありますか?

若山 「男の花」の歌詞を読むと、自分の人生に重なる部分があります。私生活でも昨年、両親を続けて亡くしたりしましたしね。いろんなことがありますから、男女関係なく、“それでも頑張っていこう”って思う時はありますよね。3番の歌詞には生き様が描かれていますが、そういう気持ちは女でもあるよなって思います。

――3番の最後には“咲かせてみせる 男の花を”という歌詞が出てきます。

若山 50代後半になった若山かずさがこれから一人で生きていくために、いつか花を咲かせてみよう、という思いを込めて歌っています。歌っていても胸が熱くなりますね。

 


2020年9月23日発売
かずさが歌う人生応援歌
若山かずさ「男の花」

「男の花」
作詞/喜多條 忠 作曲/美樹克彦 編曲/南郷達也
c/w「白牡丹《2020ver.》」
作詞/池田充男 作曲/四方章人 編曲/南郷達也
日本コロムビア COCA-17799 ¥1,227+税

喜多條 忠氏が作詞を、美樹克彦氏が作曲を手掛けた表題曲「男の花」は、歌手デビュー37年目、48作品目にして、若山かずさが初めて出合った男唄。つらい状況でも耐え、いつかは花を咲かせてみせると頑張る男の応援歌ではあるが、若山は男女問わず、共感できる歌詞だという。カップリング曲「白牡丹《2020ver.》」は1996年のヒット曲。ファンからも根強い人気があり、今の若山の解釈で歌い直した。

 

今の若山かずさが歌う「白牡丹《2020ver.》」

――カップリング曲「白牡丹」は1996年の楽曲です。若山さんが30代の頃の歌ですが、新たにレコーディングするにあたり、先生からアドバイスなどはありましたか?

若山 とくに細かい指示はありませんでした。“30代の若山かずさ”と“今の若山かずさ”は年齢的に違うから、作詞の池田充男先生からは「“今の若山かずさ”の気持ちで歌ってくれればいい」と、おっしゃっていただきました。

――「白牡丹」は母に心配をかけつつも、一途な愛を貫こうとする娘の心を歌っています。

若山 今回より、30代の時のほうが、さらっと歌っているかもしれないですね。おかげさまで、当時「白牡丹」はよく売れました。今でも根強く人気のある曲です。ファンの皆さんからも、「もう一回出してもらえたらいいなあ。今の若山かずさだと詞の解釈も違うから、絶対いいよね」という声をいただいていました。少し重みのある「白牡丹」を感じていただければと思います。

 
 

2020年11月18日発売
「若山かずさ全曲集 男の花」

日本コロムビア COCP-41264 ¥2,818+税

【収録曲】
1.男の花 /2.酔い惚れて/3.ふたりづれ/4.伊良湖悲曲(エレジー)/5.白牡丹《2020ver.》/6.縁切寺 /7.恋しずく/8.知床挽歌/9.女のひとり歌/10.しのび傘/11.終着駅の女/12.ゆきずりの花/13.ひとり雪/14.雪どけの宿/15.湯の町みれん/16.一生懸命

 


ANOTHER TALK
若山かずさ、カラオケスタジオを開店!!

Q 地元・千葉県に「カラオケスタジオ かずさ」をオープンされましたね。

若山 去年の10月頃から物件を探して、12月末には前夜祭みたいなことをやって、今年1月14日にオープンしたんですよ。お店探しから始まって、開店までにわずか4カ月。工事の人は大変だったと思います。でも、今年だったら探すのは無理でしたね。去年でよかった。

Q カラオケが楽しめるお店を作りたいという思いはずっとお持ちだったのですか?

若山 多くの方に演歌や歌謡曲を聴いてほしいという思いがあって、いつかはお店をやりたいと思っていました。でも、歌手との両立は難しいので、実際にお店をやる予定はなかったんですが、たまたま地元の皆さんが応援してくださって。それで、どうせやるんだったら大きいほうがいいということで、100人ぐらい入るお店をオープンさせました。周りのみんなは、最初20~30人ぐらいが入れるお店かと思ったらしいんですけどね。あの辺(千葉県市原市)で、100人も収容できる大きなお店はないから、地元ではちょっと有名なんですよ。「カラオケ店はいっぱいあるけど、これだけの規模はないね」って。どんな店だろうって見に来てくださって、店内に入ると、「おおー! こんなに広いんだ」って感じ(笑)。音響もよくしたので、歌い手さんの仲間もキャンペーンをやりたいって声をかけてくださっています。コロナが収束して、みんなが安心して歌えるようになったら、ぜひ、やっていただきたいですね。
 

カラオケスタジオかずさ
場所=千葉県市原市不入斗1−1
営業時間=11:30~17:00/18:00~22:30
TEL=0436-37-2250
http://www.top-color.jp/wakayamakazusa/news/1960
詳しくはお店にお問い合わせください。


▲クリックorタップすると拡大します

 

若山かずさ出演

2021年4月14日
農業女子応援隊
艶歌華舞台~農業と演歌は日本の宝~
東京・江東区文化センター 大ホール
開場=15:00 開演=15:30

第1部 芝居「輝け! 農業女子~日本を支える女たち~」
第2部 歌謡ショー「春爛漫~あたなに贈る歌の花束~」

農業女子プロジェクトサポーターの黒木美佳(黒木姉妹)がプロデュースする舞台。農業女子応援隊を結成した島津悦子、若山かずさ、北野まち子を中心に、特別出演として黒木千春(黒木姉妹)らが参加する芝居&歌謡ショー。コロナ禍により2度の延期を強いられたが、来年4月14日の開催が決まった。

「農業女子って今、すごく注目されているんですね。美佳ちゃんが農業女子プロジェクトのサポーターをしていて、その縁で、自分たちでも企画を立てて何かしようっていう話になって農業女子応援隊を作りました。舞台はお芝居と歌謡ショーの2部構成。本当は今年の4月に行う予定で、そのあとそれぞれの故郷でも舞台をやりたいねって話していたんですけど……。でも、中止じゃなく、あくまでも延期なので、ちょっと待ち遠しいと思いますけど、楽しみに待っていただきたいですね。農業の経験ですか? 島津さんも北野さんも実家が農家ですが、私だけ農業の経験がありません。ですから、お二人は農作業のかっこうがお似合いですが、私だけ似合っていないんです(笑)」(若山)

公演に関する問い合せ先
若山かずさファンクラブ(090-5780-5877〈佐藤〉)

 



profile
若山かずさ(わかやま・かずさ)
3月22日、千葉県生まれ。1984年、「別れ愛」でデビュー。1991年、「しのび傘」をヒットさせ、日本コロムビアヒット賞を初受賞。1996年にリリースした「白牡丹」がオリコン演歌チャートで2週連続1位を獲得。若山の代表曲の一曲となる。2003年にデビュー20周年記念曲の第1弾「海峡無情」を、2004年に第2弾「ふたりづれ」をリリース。2013年、デビュー30周年記念曲「女のみれん」を発売。2020年1月、地元・千葉県に「カラオケスタジオかずさ」をオープン。9月23日に新曲「男の花」を発売。コロナ禍に開設した「若山かずさofficial~素顔を届けます。若山かずさ×YouTube」チャンネルでは、バーチャルキャンペーン「全国キャンペーン行ったつもり」を展開。新曲発売日には、カラオケスタジオかずさにて新曲発表会を開催した。

 
「カラオケスタジオかずさ」で行われた新曲発表会の様子

 


若山かずさofficial YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCCO3SBArN3LUWGi-lWEUEHw