山内惠介スペシャル③ 恩師が言った。「山内惠介には、まだまだ余白がある」

20th Anniversary Interview
Keisuke Yamauchi

山内惠介は昨年、肉体的にも精神的にも厳しい時間をファンに支えながら、全国47都道府県を回るツアーを完遂させるなど、多忙を極めた。すべては20周年となる2020年のためだった。そんな山内の集大成とも言える「20th Anniversary Complete Box」の発売が決定した。収録曲は152曲にもおよぶ。また自身初のオリジナルポップス曲の特別収録や、恩師・水森英夫氏との初めての対談企画も実現したという。

Question

山内惠介さん、20周年を集大成したコンプリートボックス「20th Anniversary Complete Box」が発売されますね?

 

――11月4日には、20周年を記念して「20th Anniversary Complete Box」が発売されます。記念ボックスは、収録曲152曲で、映像作品が収録されたDVD&ブルーレイもついた豪華なものになりますね。

山内 「残照」までのオリジナル曲すべて(96曲)と、これまでカバーした曲(51曲)などが入ります。10周年の時も同じように制作しましたが、この時よりも収録曲は多いし、経験を積んだ分、グレードアップした自分が表現できたらいいですね。

――その中に初めてのオリジナルポップス曲、「神様の贈り物」というクリスマスソングが入るそうですが、作詞が「2億4千万の瞳」(郷ひろみ)などで知られる売野雅勇氏、作曲が「$10(テンダラーズ)」「青いイナズマ」(SMAP)などを手掛けた林田健司氏で、師匠の水森英夫先生以外の作品というのはデビュー以来初めてとなりますね。

山内 演歌歌手がポップスを歌う。しかもJ-POPのヒットメーカーの方による作品です。レコーディングはこれからなんですが、“ノンコブシ”もありかなと。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、コブシはあくまで表現方法の一つです。せっかくの機会なので、どんな作品になるのか思い切って自分を試したい。ただし、あくまで自分らしく、37歳という年齢にふさわしい歌唱をしたいですね。そして、どう歌うにしても、最終的に僕の歌唱であることがわからない、耳にした人が誰? って思ってくれるような歌唱になれば最高です!

――カバー曲の中には「くちなしの花」(渡哲也)、「夜霧よ今夜も有難う」(石原裕次郎)など、俳優が歌った曲が多数あります。

山内 皆さんが懐かしがる曲をたくさん入れています。役者さんの表現の仕方と歌い手の表現の仕方って全然違うんですよ。役者さんが歌う場合、その方の醸し出す雰囲気、ムードがすごく生きていて、立ち姿から絵になるでしょう。「個」の持つ強さですよね。その役者さんが歌う歌を歌手である僕が歌うわけで、渡さんや裕次郎さんのエッセンスをもらいながら歌うと、それはまさに「二度おいしい」みたいな感じ(笑)。同業の歌手の方の歌を歌うのと、リスペクトのうえでは同じですが、自分なりの演じ方を考えながら歌うと楽しいし、勉強になることも多いです。

20年のキャリアを積んできたが、山内は師匠の前では“弟子”の顔になってしまうと話す。今年の正月には、久しぶりに師匠・水森英夫氏のレッスンを受け、多くの会話を交わしたという。「20th Anniversary Complete Box」の特別企画では、その水森氏との対談が実現。付属のブックレットに収録される。

Question

山内惠介さん、恩師・水森英夫先生との対談はいかがでしたか?

 

――記念ボックスのブックレットには、水森先生との対談が収録されているそうですね。

山内 出会いの頃のことなど、じっくりとお話させていただきました。その中で先生が、「山内は年々よくなっているな」と言ってくださったんです。これはとてもうれしかった。その時その時が一番いいというのがもっとも理想的で、自分でも少なからず実感がありますし、「まだまだ余白があるから」とも言ってくださって励みになりました。一方で、「山内はこれまででいちばん怒った弟子かもしれない」って以前おっしゃっていて(苦笑)。いやいや、本当です。実はそれを、今先生がどう思われているのかすごく気になっていたんです。

――水森先生はなんと?

山内 怒らせてしまったことは数知れずなんですが、「忘れたよ」と、ひと言いわれました。実際はお忘れにはなっていないと思います。簡単に忘れてしまうのではなく、それを踏まえて今どうしているか。未来を描くためにはそれがすごく大事で、「忘れた」と言ってくださった先生の優しさに感謝しながら、あらためて同じ失敗はしないと誓いました。

――手のかかった弟子ほどかわいいと言います。

山内 そうですね(苦笑)。でも、「失敗は成功のもと」にしないといけません。先生とは今回、初めて二人で写真撮影もしたんです。レコーディングの時などに、その場で一緒に写真を撮ることはありましたが、きちんと撮影したことがなかったので、これもまたいい記念になりました。自分へのギフトですね。先生のそばにいると完全に弟子の顔になります。そういう表情を皆さんに見ていただく機会はあまりないので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

――他にも撮りおろしのフォトポートレートが入り、ゴージャスな作品になりそうですね。

山内 10周年の時は河口湖に泊りがけでロケに行ったんですよ。でも、今回はそれができずとても残念だったんですが、撮影日はお天気に恵まれ、風景の中に溶け込むようにいい写真が撮れました。

――楽しみです。ところで、YouTubeなどのネット配信はもうすっかり慣れましたか?

山内 慣れたといえば慣れたんでしょうけど、欲がどんどん出てくる一方で限界も感じます。やはり数人でもいいから目の前にお客様がいたほうがいい。雰囲気を届けるというのがとても重要ですからね。難しさは感じますが、今後も必要な活動ではあるので、皆さんに喜んでいただけるよう頑張ります!

(文=藤井利香 写真=長谷川秀司)

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2020年11月4日発売
山内惠介
20th Anniversary Complete Box

ビクターエンターテインメント VIZL-1813 ¥30,000+税
【生産限定盤】12CD+Blu-ray+DVD+booklet
デビュー20周年を記念して、2001年デビューからこれまでにリリースされたすべての楽曲とミュージックビデオを網羅したコンプリートボックス。

楽曲はCD 12枚に全152曲が収録される。主な収録曲はデビュー曲「霧情」から最新曲「残照」まで全シングルなどソロオリジナル97曲に、カバー曲51曲ほか。トピックスは作詞に売野雅勇氏、作曲に林田健司氏を迎えたクリスマスソング「神様の贈り物」が収録されること。山内が師匠である水森英夫氏以外の作曲家が手がけた歌を、しかもポップスを新曲として歌うのは初めとなる。映像作品は、これまでに発表されたミュージックビデオに加え、「まんさくの花」のミュージックビデオが初収録される。収録数は全22曲(Blu-ray・DVDとも内容は同じ)。付属のブックレットには、山内惠介20周年スペシャルインタビュー、恩師・水森英夫氏との初の対談、撮り下ろし写真が満載。

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2020年9月2日発売
デビュー20周年記念シングル
山内惠介「残照」

 

残照(駅盤)


「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「網走3番線ホーム」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野 俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37553 ¥1227+税

残照(花盤)

「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「緋恋花(ひれんばな)
作詞/桜木紫乃 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37554 ¥1227+税

「残照」(駅盤)に収録されるカップリング曲「網走3番線ホーム」は「風蓮湖」や「釧路空港」などを手がけた鈴木紀代氏が作詞を担当し、駅のホームで愛する人を待つ焦燥感を描く。物語は約束の列車が発車する5分前から始まり、刻々と発車の時刻が迫る瞬間を、映画のワンシーンのように描き出している。一方、「残照」(花盤)には、叶わぬ恋に、身もだえするほどの未練を歌う「緋恋花(ひれんばな)」がカップリング曲として収録される。直木賞作家の桜木紫乃氏による、“殺してほしい この愛を”というサビのフレーズが胸に突き刺さる。

2018年の「さらせ冬の嵐」、2019年の「唇スカーレット」と同じ作家陣による、20周年記念シングル「残照」。残照とは、陽が沈んだあとに雲や山頂などに照り映えて、しばしの間残る美しい光のこと。作品では残照という景色に今にも消えそうな命を重ね、愛する女性との永遠の別れに惑う心情を歌っている。「決して明るい曲ではなく、人生の険しさや人の命の重さなど、テーマのすごく重い曲です。でも、最後に“心を灯して”という歌詞があり、そこでふっと温度が上がるような暖かみを感じることができる歌です」(山内)

2020年3月11日発売

残照(愛盤)

c/w「弱虫」
作詞/田久保真見 作曲:水森英夫 編曲:伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37522 ¥1,227+税

「別れることもできず、出口のない恋愛の歌です。僕も男女の色っぽく、ドロドロとした愛の歌を歌える年齢になりました。ストレートなタイトルといい、“北向きの部屋”という歌詞が気に入っています。本当に寒い北向きの部屋に住み、寒かった思い出があります」(山内)

 

残照(夢盤)

c/w「正念場」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37523 ¥1,227+税

「明るい人生の応援歌です。2000年秋、僕も夢とロマンを追って上京しました。夢に向かってまっしぐらに人生の道を突き進む男の姿を描き、軽快な8ビート演歌に乗せています。男性にぜひ歌ってほしい曲ですね」(山内)

 

残照(星盤)

c/w「振り返れば、いつも君が」
作詞/もりちよこ 作曲/水森英夫 編曲/杉山ユカリ
ビクターエンタテインメント VICL-37524 ¥1,227+税

「長年ともに活動したバンドマンのひとりを失いましたが、僕を支えてくれた仲間への思いを歌にしています。空のどこかにいつもいて、ずっとその人を感じながら今を生きる。ステキな曲です。冒頭でセリフがあり、そんな曲の入り方も初めてとなる作品です」(山内)

 

残照(唄盤)CD+DVD

ビクターエンタテインメント VIZL-1736 ¥1,636+税
CDには新曲「残照」と、男性用・女性用のカラオケが、DVDには「残照」のミュージックビデオのほか、男性用・女性用の「残照」カラオケミュージックビデオが収録される。

 


profile
山内惠介(やまうち・けいすけ)
1983年5月31年、福岡県生まれ。母親の影響で、美空ひばりの歌を聴いて育つ。1999年、作曲家・水森英夫氏にスカウトされ、翌年上京。2001年4月18日、17歳の時に“僕はエンカな高校生”をキャッチフレーズに「霧情」でデビュー。2015年、15周年記念シングル「スポットライト」で『NHK紅白歌合戦』に初出場。以降、2019年まで連続出場中。その2019年は47都道府県を回るコンサートツアーを敢行。2020年3月、20周年記念シングル「残照」(4タイプ)を発表。9月に新装盤「残照」2タイプ(駅盤と花盤)をリリース。コロナ禍により記念ツアーや劇場公演は中止となったが、10月から「山内惠介デビュー20周年記念リサイタル」を全国5大都市で行う。

INFORMATION
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスでも「残照」を聴くことができる。
※対応ストリーミングサービス:Amazon Music Unlimited/HD、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、mora qualitus、RecMusic、Rakuten Music、Spotify、YouTube Music

 

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