3人の歌仲間スピンオフ。川野夏美、津吹みゆ、一条貫太が観客を沸かせる化学反応

川野夏美、津吹みゆ、一条貫太の3人が9月11日、北とぴあ さくらホールで「3人の歌仲間スピンオフコンサート」に出演した。同じ事務所の先輩後輩の3人はよく知る間柄だが、こうして3人が一緒のステージに立つのは初めてとのこと。「みんなで楽しくにぎやかなコンサートにしたいですね」(川野)、「お客様と生で触れ合える空間は幸せだとワクワクしています」(津吹)、「お客様の前で歌うのは(無観客とは)全然違います。気合も入ります」(一条)と、本番前に期待感を話していた。

「恋するフォーチュンクッキー」を歌う川野、津吹、一条の3人の歌仲間。胸の前でおにぎりを作る振り付けでは、全員、息もぴったりだったが……。

オープニングは3人によるAKB48のヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」。川野と津吹は完璧な振りを披露しながら歌ったが、「振りは完璧に覚えました」と話していた一条は、先輩の振りを見ながら必死についていく。しかし、少ないソロパートでは存在感を見せ、一条らしい「恋するフォーチュンクッキー」を披露した。

コンサートは3部構成で行われた。序盤と終盤にそれぞれのオリジナル曲を聴かせ、中盤は“みゆと雪の女王”と題し、3人がミュージカルの演出で観客を楽しませた。

津吹と一条がミュージカルアニメ『アナと雪の女王』の劇中歌「生まれてはじめて」を踊りながら歌う。ミュージカルが大好きな津吹は生き生きと。普段は硬派な演歌を歌う一条も、セリフ入りの歌を歌うのは初めてだったが、楽しそうだった。

津吹がミュージカル好きということから、ディズニーのミュージカルアニメ『アナと雪の女王』の劇中歌を3曲、“みゆ”を中心に歌った。川野が声量たっぷりに「レット・イット・ゴー」を聴かせるクライマックスの場面では、津吹は華麗なダンスで見せ、「少しでも雰囲気を出せるように、昨日も『アナと雪の女王』のDVDを見てきました。ミュージカルができて、幸せの極みです」とうれしそうだった。そして“貫ちゃん”こと一条は、セリフ入りの歌を歌うのは初めての挑戦だったが、堂々とステージを務め、最後は雪だるまのキャラクター“オラフ”の着ぐるみを着て登場し、観客を盛り上げていた。

ソロでは3人がオリジナル曲を2パートに分けて観客に届けた。

まず3年目の一条は、懐かしいデニムの上下の衣装で登場し、デビュー曲「ふたりの始発駅」を歌い、終盤はセカンドシングル「やんちゃ船」と、そして最新曲「北海の篝火」を力強く聴かせた。

また11月4日には新曲「いのち花」のリリースが決まっており、歌の冒頭をアカペラで披露するなどサービス精神をみせていた。一条らしい男くさい作品になっているようだ。

ちなみに、一条はコロナ禍によりイベントやコンサートが中止や延期になる中、自身のYouTubeチャンネル「一条貫太チャンネル」を開設し、ギターの弾き語りを披露している。

「本当に自分の好きな歌とか、インターネットを通してもらったリクエスト曲を歌っています。年配の方から若い方まで、いろんな方に聴いてもらうことができて、コメントは励みになります」と話し、今後も弾き語りができる曲数を増やし、歌手としての幅も広げていきたいと意欲を見せていた。

みちのく娘! としての活動も忙しい津吹は、「皆様と同じ空間にいられるのがうれしいです。自主期間中はずっと家にいて、エネルギーがあり余っていたので、元気いっぱいお届けします」と笑顔に。序盤に「望郷恋歌」と「望郷さんさ」の2曲を、終盤に最新曲「嫁入り峠」とそのカップリング曲「らっせら吹雪」を披露した。

「嫁入り峠」はデビュー5周年作品として今年2月に発売したが、10月7日には自身初となる新装盤のリリースも決まっている。カップリング曲「夕霧の月」は「大人っぽい雰囲気が漂う歌で、私自身のチャレンジになります。早く皆さんに聴いていただきたいし、生でお届けしたい」と話していた。

川野は2013年にリリースしたドラマチックな演歌「悲別~かなしべつ~」、当時、初めて着物を着て歌った本格的な演歌「じょんがら恋唄」を序盤に披露し、終盤は「紙のピアノ」と最新曲「満ち潮」を届けた。

「紙のピアノ」は第36回日本作詩大賞最優秀新人賞を受賞した作品で、川野がNatsumi名で2004年に発売した。母子家庭の貧しい暮らしの中で、娘がほしがったピアノを買うことができない母は、鍵盤をマジックで書いた紙のピアノを手作りする。やがて娘も母となり、亡き母の一周忌に故郷へ帰った時、当時の子ども部屋でこの紙のピアノを見つけるが、鍵盤には母親の涙のあとが残っていた……。切ないながらも、母親の愛情を感じる歌だ。

「ホッとさせられる歌です。こんな時期なので、ぬくもりを感じる歌を届けたいなあと思いました。心を込めて歌いました」(川野)

また「満ち潮」は、五木ひろしが最新アルバム「演歌っていいね!」の中でカバーしており、「たくさんある曲の中から私の曲を歌っていただき光栄でした。それだけにより一層、この歌を大事に歌っていきたい」と話していたが、沿いの町を舞台にした「満ち潮」の愛の切なさを聴かせていた。

この日のステージは新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため観客の数は半分だったが、同時にネット配信されており、途中でコメントを読みながらのコンサートとなった。

コメントを読む川野が「夏美さん、美人ですねだって。ありがとうございます。(観客に向かって)嘘じゃないですよ、本当に書いてあるんです!!」と、観客を笑わせる一コマもあった。

最後は、「誰もが知っている歌で、みんなで口ずさめる歌がいいな」(川野)、「みんなの歌ですよね」(一条)と、3人で坂本九の「上を向いて歩こう」を合唱してステージを終えた。

3人の歌仲間とは?

「3人の歌仲間」は組み合わせが楽しい3人(3組)の歌手によるコンサート企画。コンサートの模様はBS放送などでも放送されている(現在は「新・3人の歌仲間 with DAM CHANNEL 演歌」として、BS日テレで放送されているほか、カラオケDAMで配信中の「DAM CHANNEL 演歌」でも視聴できる)。今回は初めてのスピンオフ企画として、テレビ放送やDAMでの配信はなく、リアルイベント+有料のネット配信(ぴあライブストリーム)として行われた。コロナ禍により新しい生活様式が求められる中、地方の方もコンサート楽しめるように、との思いからネット配信された。

 


10月24日開催
クラウンミュージック・演歌フェスティバル

10月24日に東京・浅草公会堂で開催される「クラウンミュージック・演歌フェスティバル」を告知する3人。出演は鳥羽一郎、川野夏美、瀬口侑希、津吹みゆ、一条貫太、島あきの の6人。

クラウンミュージック・演歌フェスティバル
出演=鳥羽一郎、川野夏美、瀬口侑希、津吹みゆ、一条貫太、島あきの
会場=浅草公会堂
開場=14:45/開演=15:30(17:00終演予定)
主催=クラウンミュージック
チケット=¥6,000( 全席指定)
チケットは浅草公会堂、音のヨーロー堂ほか、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスのプレイガイドで購入できる。

問い合わせ及び電話での購入はベイワールドミュージックまで。
TEL:03-3222-7982

詳細はベイワールドミュージックHP
https://bellworldmusic.com/event/performance/20201024crmfes-asakusa

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