山内惠介スペシャル① 20周年記念曲「残照」の新装盤。カップリングはどんな曲?

20th Anniversary Interview
Keisuke Yamauchi

新しい生活様式下で、山内惠介が少しずつ動き出した。ディナーショー実施や、東京(日本武道館)を含む5大都市での記念リサイタルの開催決定など、山内の20周年に希望の光が差してきた。そんな山内に記念曲「残照」の新装盤のこと、ファンの前で生歌を届けること、20周年記念のコンプリートアルバムのこと、師匠・水森英夫氏のことなどを聞いた。3回にわたってお届けする。まずは、9月2日にリリースされたばかりの「残照」新装盤から。
 
 

Question

山内惠介さん、20周年記念曲「残照」の新装盤が発売されました。カップリングはどんな曲ですか?

 
――「オトカゼ」としては最初のインタビューです。どうぞよろしくお願いいたします。まずは20周年記念曲「残照」のジャケット写真とカップリング曲を新装した「駅盤」、「花盤」が、9月2日にリリースされました。

山内 駅盤のカップリング曲は王道演歌の「網走3番線ホーム」です。網走は北海道をテーマにした最初の曲「流氷鳴き」(2005年発売)の舞台でもあり、15年ほど前の当時のことが思い出されましたね。真冬に現地を訪れたことがあるんですが、想像以上の寒さにびっくり。泊まった宿は二重窓にもかかわらず冷気がどこからか入ってきて、これがまさに「しばれる」(北海道の方言で、凍りつく)というんだなと実感しました。網走駅は道路沿いにある小さくて素朴な駅で、これまで「釧路空港」や「風蓮湖」などの詩を担当してくださった鈴木紀代先生が、実際にそこに赴いて男女の悲恋を詩にしてくださいました。

――「発車まで あと5分」という歌詞がありますが、とてもリアルな情景が描かれています。

山内 そこが今までの作品とちょっと違うところで、一場面を切り取って歌づくりをしてくださっています。来るのか来ないのか、ギリギリまで相手の女性を信じて待つというドラマチックな展開が描かれています。ラストでは「嘘だろう 嘘だろう」と歌いますが、結末はどうだったのか、その時の男女の思いは聴く人の想像力にお任せして、この歌を味わっていただけたらうれしいです。

山内惠介

20周年記念曲「残照」は、コロナ禍の中にあって、今まで以上に大切な曲となった。コロナ禍における緊急事態宣言の時は、毎日、「残照」を歌っていたという。9月2日にリリースされた新装盤のカップリング曲は2曲とも悲恋を歌うが、世界観の違いを山内がどう歌いわけているのかも聴きどころ。

 
――作曲はもちろん、師匠である水森英夫先生です。

山内 先生がとても良いメロディーをつけてくださり、とくにポイントとなるのが「願いは一つ ただ一つ」(1番)のフレーズ。あまり演歌では使わないリズムを使っていて、「願いは一つ」でトントンと来て、「ただ一つ」とちょっと刻むんですね。2番では「風さえ凍る 始発駅」、三番では「僕から君を 失くしたら」のところです。新しさを感じるリズムを僕自身も楽しみながら歌っています。

――余談ですが、「網走3番線ホーム」の歌詞では、網走から出発した列車の行き先は釧路になっています。今回の曲を、釧路が舞台の「釧路空港」につなげると、ふたりは無事落ち合えて2年半、一緒に暮らすことになりますね!

山内 そうですね~。歌う順番によってちょっとしたストーリーが描けそう。僕はいつも「風蓮湖」よりも「釧路空港」を先にもってきて、空港に一人降り立つところから歌いたくなるんですが、コンサートでは今回の曲を最初にしてみてもいいかもしれませんね。

――「花盤」に収録されたのは「緋恋花(ひれんばな)」。叶わぬ恋への未練に揺れる心情を架空の花にたとえた楽曲で、インパクトのある歌詞が印象的です。

山内 直木賞作家の桜木紫乃先生が詩を提供してくださり、回を追うごとに男女の成熟した恋愛観を書いてくださっています。冒頭の「恋のしくじり」という言葉など、まさに作家さんならではの文字使い。「熱い肌」とか「じりじり焦げる 十八夜」とか、さすがと思わせます。でも、これほど情熱的な恋、僕にはちょっと早いかもしれない。(歌詞になるような)今日がこの世の終わりだと思って恋愛をしたことがまだないから(笑)。いつかはしてみたい、恋焦がれてみたいとは思います!

(文=藤井利香 写真=長谷川秀司)

 
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2020年9月2日発売
デビュー20周年記念シングル
山内惠介「残照」

 

残照(駅盤)


「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「網走3番線ホーム」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野 俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37553 ¥1227+税

 

残照(花盤)

「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「緋恋花(ひれんばな)
作詞/桜木紫乃 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37554 ¥1227+税

「残照」(駅盤)に収録されるカップリング曲「網走3番線ホーム」は「風蓮湖」や「釧路空港」などを手がけた鈴木紀代氏が作詞を担当し、駅のホームで愛する人を待つ焦燥感を描く。物語は約束の列車が発車する5分前から始まり、刻々と発車の時刻が迫る瞬間を、映画のワンシーンのように描き出している。一方、「残照」(花盤)には、叶わぬ恋に、身もだえするほどの未練を歌う「緋恋花(ひれんばな)」がカップリング曲として収録される。直木賞作家の桜木紫乃氏による、“殺してほしい この愛を”というサビのフレーズが胸に突き刺さる。
 

2018年の「さらせ冬の嵐」、2019年の「唇スカーレット」と同じ作家陣による、20周年記念シングル「残照」。残照とは、陽が沈んだあとに雲や山頂などに照り映えて、しばしの間残る美しい光のこと。作品では残照という景色に今にも消えそうな命を重ね、愛する女性との永遠の別れに惑う心情を歌っている。「決して明るい曲ではなく、人生の険しさや人の命の重さなど、テーマのすごく重い曲です。でも、最後に“心を灯して”という歌詞があり、そこでふっと温度が上がるような暖かみを感じることができる歌です」(山内)
 
 
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2020年3月11日発売

残照(愛盤)

c/w「弱虫」
作詞/田久保真見 作曲:水森英夫 編曲:伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37522 ¥1,227+税

「別れることもできず、出口のない恋愛の歌です。僕も男女の色っぽく、ドロドロとした愛の歌を歌える年齢になりました。ストレートなタイトルといい、“北向きの部屋”という歌詞が気に入っています。本当に寒い北向きの部屋に住み、寒かった思い出があります」(山内)

 

残照(夢盤)

c/w「正念場」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37523 ¥1,227+税

「明るい人生の応援歌です。2000年秋、僕も夢とロマンを追って上京しました。夢に向かってまっしぐらに人生の道を突き進む男の姿を描き、軽快な8ビート演歌に乗せています。男性にぜひ歌ってほしい曲ですね」(山内)

 

残照(星盤)

c/w「振り返れば、いつも君が」
作詞/もりちよこ 作曲/水森英夫 編曲/杉山ユカリ
ビクターエンタテインメント VICL-37524 ¥1,227+税

「長年ともに活動したバンドマンのひとりを失いましたが、僕を支えてくれた仲間への思いを歌にしています。空のどこかにいつもいて、ずっとその人を感じながら今を生きる。ステキな曲です。冒頭でセリフがあり、そんな曲の入り方も初めてとなる作品です」(山内)

 

残照(唄盤)CD+DVD

ビクターエンタテインメント VIZL-1736 ¥1,636+税
CDには新曲「残照」と、男性用・女性用のカラオケが、DVDには「残照」のミュージックビデオのほか、男性用・女性用の「残照」カラオケミュージックビデオが収録される。

 


profile
山内惠介(やまうち・けいすけ)
1983年5月31年、福岡県生まれ。母親の影響で、美空ひばりの歌を聴いて育つ。1999年、作曲家・水森英夫氏にスカウトされ、翌年上京。2001年4月18日、17歳の時に“僕はエンカな高校生”をキャッチフレーズに「霧情」でデビュー。2015年、15周年記念シングル「スポットライト」で『NHK紅白歌合戦』に初出場。以降、2019年まで連続出場中。その2019年は47都道府県を回るコンサートツアーを敢行。2020年3月、20周年記念シングル「残照」(4タイプ)を発表。9月に新装盤「残照」2タイプ(駅盤と花盤)をリリース。コロナ禍により記念ツアーや劇場公演は中止となったが、10月から「山内惠介デビュー20周年記念リサイタル」を全国5大都市で行う。

 
INFORMATION
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスでも「残照」を聴くことができる。
※対応ストリーミングサービス:Amazon Music Unlimited/HD、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、mora qualitus、RecMusic、Rakuten Music、Spotify、YouTube Music
 
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