山内惠介スペシャル② 歌を届けること、そして自分が歌手らしくなれる時

20th Anniversary Interview
Keisuke Yamauchi

デビュー20周年に出合ったシングル「残照」。歌手人生にとってコロナ禍の影響は少なくないが、新しい“気づき”も山内惠介にもたらした。5カ月ぶりにファンの前に立った時も、あらためて思った。自分は歌を届けることしかできないと。そして、それが自分の存在証明であると。
 
 

Question

山内惠介さん、残照の風景から得た新たな「気づき」を教えて。

 

――新しいジャケットはパステルカラーの美しい色彩ですね。

山内 陽によって変化していく“残照”の色合いを表現しています。残照の見せる風景は春夏秋冬、季節の変化とともに変わるので、この曲に出合ってからというもの、僕は空を見上げることが多くなりましたね。ちょっと涼しくなった夕暮れ時に買い出しに行くんですが、そこに月が出ていると思わず写真を撮ってキレイだな、と思ったり。コロナの影響は多大ですが、その代わりに季節感をしっかり味わえるようになりました。二十四節気を気にするようになり、処暑(しょしょ)だなとか、立秋なんだなとか。そうすると今はまだまだ暑くても秋がすぐそばに来ていることが実感できます。

――今までにない日常になったことで、気づきが増えたということですね。

山内 気持ちの変化ですよね。何事も意識するってとても大事。そうすれば耐えられるんです。空を見上げたらうろこ雲があって、そういえば朝晩少し過ごしやすくなったな、秋だなって思うことで、なんとはなしに頑張れる。少し先を読むようになりました。こうした何気ない気づきを、生活の中に生かしたいなって思います。

 

Question

山内惠介さん、サマーディナーショーで5カ月ぶりにファンの前で歌った感想は?

 

――「コンサートツアー2020」はコロナ渦の影響ですべて中止となってしまいましたが、8月には「サマーディナーショー」を開催。ファンの前で歌うのは5カ月ぶりでした。

山内 ショーが始まる寸前まで、本当に目の前にお客様がいるのだろうかと不安になるくらいでした。YouTubeでの配信(※)など、ずっと無観客でやってきて、お客様が座っていらっしゃること自体想像がつかなくて。でも、バンドのメンバーがステージに上がったらお客様がザワザワっとして、あぁ、皆さん来てくださったんだなと。たぶんお客様のほうも、僕が目の前にいることが信じられないような思いだったんじゃないでしょうか。

※山内惠介YouTubeチャンネル
惠チャンネル

山内惠介

美空ひばりで演歌・歌謡曲を覚え、17歳の時に“僕はエンカな高校生”をキャッチフレーズにデビューした山内惠介。記念となるはずたった20周年の活動は計画を再考することになったが、自分が歌手であること、ファンがいるから自分らしく歌えることを、より深く知った。

  
――1曲目を歌い始めた時の心境は?

山内 明るい曲を持ってくるべきかとも思ったんですが、久しぶりに皆さんにお会いできるのだから、やはりトップは20周年の記念曲「残照」しかないと思いました。そして、歌の内容を伝えるというよりは、とにかく再会できた喜びに浸る。元気で皆さん、本当によかったですねと。心にぐっとくるものがあり、より丁寧に歌を届けたいと思いました。

――フェイスシールド装着や大きな声NGなど、今までにない気配りも求められました。

山内 そうですね。掛け声はトントンと手拍子に変えてもらいましたが、手拍子の音がいつもより響くように感じました。声が出せない分、一生懸命伝えようとしてくださっているのがわかりました。やはりお客様が目の前にいて初めて、自分が歌手らしくなれる。そう思うと、この先も安心して聴いていただく意味で、(感染防止に配慮した)こうした形での開催も悪くはないんじゃないでしょうか。僕は歌を届けることが一番大切なので、おひとりおひとりを大切にして歌い続けられたらと思います。

――10月から「20周年記念リサイタル」が北海道や大阪、愛知、福岡で行われ、11月には東京・日本武道館でのコンサートも予定されています。

山内 コンサートの再開は8カ月ぶり。コンサートの雰囲気はまた全然違うので、ものすごく楽しみです。念願の武道館コンサートでは、20周年なので自分のオリジナル曲を20曲は歌いたい。ここで歌わないでいつ歌うんだ!ってことで(笑)。デビューから今年の「残照」まで、こういう歌と出合いながら歩いてきました、というのをしっかりと表現したいです。

(文=藤井利香 写真=長谷川秀司)

 

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INFORMATION
山内惠介デビュー20周年記念リサイタル

2020年に予定されていたコンサートツアーは中止となったが、10月からは「20周年記念リサイタル」が全国五大都市で行われる。その集大成は11月6日の日本武道館。年の初め、山内は「この日は大安なんです。2020年で20周年、『残照』という二文字を引っ提げ、二重丸をもらえる1年にしたい」と語っていた。コロナ禍により、20周年のために準備してきた活動のすべてを予定通りには実施できくなったが、だからこそ、山内にとっても、ファンにとっても、忘れられない20周年となるだろう。

開催スケジュール

10月6日(火)
|14時開演/18時30分開演
|大阪・フェスティバルホール

10月14日(水)
|14 時開演/18時30分開演
|北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru

10月15日(木)
|12時開演/16時30分開演
|北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru

10月 19 日(月)
|14時開演/18時30分開演
|福岡・福岡サンパレスホール

10月21日(水)
|14 時開演/18時3 分開演
|愛知 ・日本特殊陶業市民会館

11月6日(金)
|14時開演/18 時30分開演
|東京 ・日本武道館

詳細は山内惠介公式HPを参照
https://yamauchikeisuke.com/
 


2020年9月2日発売
デビュー20周年記念シングル
山内惠介「残照」

 

残照(駅盤)


「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「網走3番線ホーム」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野 俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37553 ¥1227+税

 

残照(花盤)

「残照」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
c/w「緋恋花(ひれんばな)
作詞/桜木紫乃 作曲/水森英夫 編曲/馬飼野俊一
ビクターエンターテインメント VICL 37554 ¥1227+税

「残照」(駅盤)に収録されるカップリング曲「網走3番線ホーム」は「風蓮湖」や「釧路空港」などを手がけた鈴木紀代氏が作詞を担当し、駅のホームで愛する人を待つ焦燥感を描く。物語は約束の列車が発車する5分前から始まり、刻々と発車の時刻が迫る瞬間を、映画のワンシーンのように描き出している。一方、「残照」(花盤)には、叶わぬ恋に、身もだえするほどの未練を歌う「緋恋花(ひれんばな)」がカップリング曲として収録される。直木賞作家の桜木紫乃氏による、“殺してほしい この愛を”というサビのフレーズが胸に突き刺さる。
 

2018年の「さらせ冬の嵐」、2019年の「唇スカーレット」と同じ作家陣による、20周年記念シングル「残照」。残照とは、陽が沈んだあとに雲や山頂などに照り映えて、しばしの間残る美しい光のこと。作品では残照という景色に今にも消えそうな命を重ね、愛する女性との永遠の別れに惑う心情を歌っている。「決して明るい曲ではなく、人生の険しさや人の命の重さなど、テーマのすごく重い曲です。でも、最後に“心を灯して”という歌詞があり、そこでふっと温度が上がるような暖かみを感じることができる歌です」(山内)
 
 
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2020年3月11日発売

残照(愛盤)

c/w「弱虫」
作詞/田久保真見 作曲:水森英夫 編曲:伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37522 ¥1,227+税

「別れることもできず、出口のない恋愛の歌です。僕も男女の色っぽく、ドロドロとした愛の歌を歌える年齢になりました。ストレートなタイトルといい、“北向きの部屋”という歌詞が気に入っています。本当に寒い北向きの部屋に住み、寒かった思い出があります」(山内)

 

残照(夢盤)

c/w「正念場」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37523 ¥1,227+税

「明るい人生の応援歌です。2000年秋、僕も夢とロマンを追って上京しました。夢に向かってまっしぐらに人生の道を突き進む男の姿を描き、軽快な8ビート演歌に乗せています。男性にぜひ歌ってほしい曲ですね」(山内)

 

残照(星盤)

c/w「振り返れば、いつも君が」
作詞/もりちよこ 作曲/水森英夫 編曲/杉山ユカリ
ビクターエンタテインメント VICL-37524 ¥1,227+税

「長年ともに活動したバンドマンのひとりを失いましたが、僕を支えてくれた仲間への思いを歌にしています。空のどこかにいつもいて、ずっとその人を感じながら今を生きる。ステキな曲です。冒頭でセリフがあり、そんな曲の入り方も初めてとなる作品です」(山内)

 

残照(唄盤)CD+DVD

ビクターエンタテインメント VIZL-1736 ¥1,636+税
CDには新曲「残照」と、男性用・女性用のカラオケが、DVDには「残照」のミュージックビデオのほか、男性用・女性用の「残照」カラオケミュージックビデオが収録される。

 


profile
山内惠介(やまうち・けいすけ)
1983年5月31年、福岡県生まれ。母親の影響で、美空ひばりの歌を聴いて育つ。1999年、作曲家・水森英夫氏にスカウトされ、翌年上京。2001年4月18日、17歳の時に“僕はエンカな高校生”をキャッチフレーズに「霧情」でデビュー。2015年、15周年記念シングル「スポットライト」で『NHK紅白歌合戦』に初出場。以降、2019年まで連続出場中。その2019年は47都道府県を回るコンサートツアーを敢行。2020年3月、20周年記念シングル「残照」(4タイプ)を発表。9月に新装盤「残照」2タイプ(駅盤と花盤)をリリース。コロナ禍により記念ツアーや劇場公演は中止となったが、10月から「山内惠介デビュー20周年記念リサイタル」を全国5大都市で行う。

 
INFORMATION
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスでも「残照」を聴くことができる。
※対応ストリーミングサービス:Amazon Music Unlimited/HD、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、mora qualitus、RecMusic、Rakuten Music、Spotify、YouTube Music

 

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