チェウニ

チェウニが響かせる大人のラブソング~「天使の羽根がふってくる」で涙ぽろぽろ~

「日本と韓国両方合わせると、私は歌手デビューしてもう50年歌っているんです」と、にこやかな笑みを浮かべるチェウニ。半世紀歌い続けるということは並大抵のことではない。歌手としての実力とともに、人としても魅力がなければ成し得ないことだろう。そんなチェウニが前作「驛」から約2年半ぶりに新曲をリリースした新曲「天使の羽根がふってくる」は、心に響くピュアボイスで描く大人のラブソングだ。

「涙がぽろぽろこぼれました」

――タイトルからして、とてもインパクトがあります。

チェウニ このご時世、なかなかいいニュースがないけれど、一つの希望が見えたという感じ。曲中のサビにあたる歌詞に“シアワセじゃないけど フコウじゃないからね”というのがあるんですが、この部分もすごくないですか? 強いメッセージ性を感じ、作詞の髙畠じゅん子先生、すばらしいって思いました。

――不幸という言葉を歌詞に取り込むというのはとても斬新ですね。

チェウニ ストレートなこのフレーズに、みんなぐっとくるんじゃないですか。自分自身、幸せと気づかないで生きている人は多いと思う。でも、よくよく考えると、決して不幸ではない。もっと大変な人はたくさんいるわけで、そうだよねって多くの人が共感してくれると思います。作曲の網倉一也先生からデモテープをいただき初めて聴いたとき、自分でもわからないうちに涙がぽろぽろって出てきたんですよ。

――それって初めてのことですか?

チェウニ そうね。結婚して10年になる主人が、ウニが泣くのを初めて見たって言いました(笑)。久しぶりの曲でうれしいというのもあったけど、“フコウじゃない”という歌詞が本当に胸に染みて感動したんです。私はよく淡々として冷静な人って思われるんですが、ちゃんと喜怒哀楽ありますよ。それをいちいち表現しないだけなんですけど、それでも網倉先生のデモテープには感激しましたね。

――ハッピーエンドではない切ない大人のラブソングですが、この曲の物語をどんなふうに理解していますか?

チェウニ 人にはそれぞれ苦い思い出がありますが、時間が経てばそれもみんな人生の宝物になる。大好きだった人との別れも、そのときはつらいけれど後々振り返るとみんないい思い出です。そして、そういう過去をステップにまた頑張っていけばいいと、そんな前向きに生きることを詞に託した曲ではないでしょうか。これで終わりじゃないよね、って。

チェウニ

ウニワールドは健在。自信が生まれた

――すべての過去を、天使の羽根が優しく包み込んでくれる。柔らかで、そして希望が感じられますね。

チェウニ やっぱり人って気持ちでしょ。気持ちがないと前へは進めない。私、実はコロナで2年近く歌を休んで自信を失くしてしまっていたんです。歌はどうやって歌えばいいのか、音程は合っているのか、いろんなことが心配になってきたの。歌い手ってみんな体内時計があるんですが、それもみんな壊れてしまいわけがわからなくなった。それでこれも初めてのことなんだけど、網倉先生にレッスンを希望しました。そこで「ウニワールドがちゃんと出ているよ」と言われ、すごく安心しました。気持ちがリセットされて、ようやく前へ進める気持ちになれたんです。

――自信をなくしていたなんて!? そうだったんですか。

チェウニ 日本語で詞をもらいますが、その理解度はどうしても日本の人にはかなわない。そのすき間を埋めるための努力はしてきたけど、それも含めて不安でたまらなかったですね。でもそうやってすべてストップしていたことが、この歌に出合ってまた動き出しました。そして、自分の中に自信が生まれました。新しい一歩を踏み出せるなと、とてもうれしい気持ちです。

「昭和の歌に挑戦していきたい」

――カップリングの「雨に咲くダンデライオン」についてもコメントをお願いします。

チェウニ よく耳にする聴き慣れたメロディーがあちこちに散りばめられ、聴いていて安心できる曲だと思います。優しい音楽ですね。こちらも高畠先生の詞で、前作の「驛」もそうですが本当にいい詞を書いてくださいます。

――曲中「自分が嫌いな 自分を 時間をかけて 好きになるから」という詞がありますね。チェウニさん、自分の嫌いなところってどこですか?

チェウニ 私、こう見えて結構自分が好きなタイプ。恥ずかし~(笑)。だけど韓国語と日本語って全然違って、韓国語はわりとズバッと言うじゃないですか。日本の人にはきついと感じるでしょうね。だからはっきりものは言うけれども、人が傷つくようなこと話は絶対にしないようにと自分なりに気をつけています。あ、でもこの間ちょっと困ったね。コールセンターに電話して問い合わせたとき、な~んか丁寧すぎて長すぎて、逆に何を言っているのかわからない。イエスかノーか、いいのか悪いのか、日本語はわかりにくいよ(笑)。

――でも、チェウニさんの日本語はすごく流暢です。

チェウニ 韓国にいたときは洋楽もよく聴いていたんです。だけど日本に来たら日本語を知るために必死でしょう、一切洋楽を聴かなくなってしまって。ライブで洋楽を歌うとなったとき、英語がなかなか頭に入らなくて困りました。そう考えると、頭がだいぶ日本人ぽくなったのかもしれませんね。

――日本の名曲もぜひカバーしてほしいと思いますが、気になる曲はありますか?

チェウニ 小田和正さんの曲はいいですね。あの年齢になっても高音を響かせ歌うことができる。いいなを超えて、美しい。さだまさしさんの「Birthday」も大好きで、去年やっと歌いました。昭和の歌にはとくにいい曲が多いので挑戦していきたいですね。

(文=藤井利香)

INFORMATION

長島温泉歌謡ショウ
日付:2022年3月21日(月)~3月30日(水)
会場長島温泉 湯あみの島(3F大広間)
時間:平日 1回目/13:00~ 2回目/15:30~
土・日・祝日 1回目/12:00~ 2回目/15:30~
問い合わせ:湯あみの島
TEL:0594-45-1111

髙畠じゅん子 Produce
チェウニCherry Blossom Live

日付:2022年4月9日(土)
時間:昼の部 受付/12:30 開演/13:30
夜の部 受付/16:30 開演/17:00
会場セルリアンタワー東急ホテル 2F
JZ Brat Sound Of Tokyo(ジェイジーブラット オブ トーキョー)
出演:チェウニ、舞蓮
料金:ミュージックチャージ 全席指定 5.000円(食事代は別途必要)
チケットはありません。料金は当日、現金での支払いとなります。

本公演は、チェウニ ファンクラブ会員の先行予約での申し込みが優先。
◆ファンクラブ先行予約:1月20日(木)~
◆一般予約:2022年2月1日(火)14:00~
※一般予約はJZ Bratへ申込む
(外部リンク)JZ Brat予約フォーム

問い合わせ:オフィス・パンジー
TEL:03-5791-5506

2022年 歌の親睦会 歌謡フェスティバル
日付:2022年4月24日(日)
会場ホテル広島ガーデンパレス
料金:15,000円
出演:チェウニ、中澤卓也 他1名
問い合わせ:日本歌謡文化促進協会
TEL090-1013-4434(白滝)

第二回 練馬歌の祭典
日付:2022年5月16日(月)
時間:開場/12:30 開演/13:00
会場練馬文化センター つつじホール(小ホール)
出演:香西かおり、チュウニ、真木ことみ、五十川ゆき、ANTONIO TRIO ほか
参加費
:一般歌唱7,000円 (2コーラス)、鑑賞券6,000円
問い合わせ:EAST JAPAN MUSIC音楽出版
TEL03-6914-7330

 

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2022年2月16日発売
チェウニ「天使の羽根がふってくる」
チェウニ

「天使の羽根がふってくる」
作詞/髙畠じゅん子 作曲/網倉一也 編曲/鈴木 豪
c/w「雨に咲くダンデライオン」
作詞/髙畠じゅん子 作曲・編曲/鈴木 豪
テイチクエンタテインメント TECA-22011 ¥1,350(税込)

前作「驛」から約2年半ぶりとなるチェウニ待望の新曲「天使の羽根がふってくる」。その無垢にしてしなやかな歌声が奏でる、切ないメロディー。都会派歌謡曲の先駆者が放つ、美しいラブソング。カラオケで歌うときは、「歌い上げないで」でとチェウニ。「あまり思いを入れ過ぎると“フコウ”になる(笑)。暗くならず、サラリと明るく歌ってください。すると自然に、希望を見い出せると思います」。


profile
チェウニ(Cheuni)
1964年8月25日、韓国ソウル市生まれ。母親は、「トロットの女王」や「エレジーの女王」と呼ばれる韓国の国民的歌手。ソウル芸術大学卒業。幼い頃から歌の才能を発揮して、韓国で8歳の時に歌手デビュー。10代の頃からは数々の音楽賞を受賞するなど活躍した。ソウル芸術大学で音楽を学び、その才能に磨きをかける。1998年、自身の可能性を広げたいと単身来日。翌1999年に「トーキョー・トワイライト」を発売して大反響を呼び、同曲で2000年の「第42回日本レコード大賞」新人賞ほかを受賞。以降も話題曲をリリースし、心に響くピュアボイスと豊かな表現力、誰からも愛される明るい性格で多くの音楽ファンを魅了する。また、音楽を通じてのチャリティー活動にも取り組んでいる。2010年には日本における永住権も取得。活躍の場をさらに広げながら音楽に取り組んでいる。

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