竹島宏の新たな出発…美しく響く歌声が胸を打つ〜新曲「プラハの橋」〜
竹島宏が、今年デビュー20周年を迎えた。ジャンルという枠を超え音楽を追求し歌い続けてきた竹島へ、さらなる飛躍への思いも込めて作曲家・幸耕平氏がプレゼントした新曲は、20周年を美しく、そして切なく彩る記念曲「プラハの橋」。新曲の発売とともにまたひとつ年を重ね、大人の男の魅力を増した竹島宏はさらに輝く。
20周年記念コンサートがスタート!新たな挑戦も
竹島さん、改めてデビュー20周年おめでとうございます! 先日(7月18日)には、故郷の福井県の思い出のホールで、「デビュー20周年記念コンサート 風にのって in 福井」を開催されました。いかがでしたか。
竹島 このような状況の中ですから、大変な思いをしてきてくださった方もたくさんいらっしゃいますし、本当にとても温かい気持ちでコンサートをさせていただきました。久しぶりに断片的な記憶しか残っていないくらい緊張しましたね。最後に照明さんに客電をあげてもらって、お越しいただいた皆さんの顔を見せていただいたのですが、あまり見すぎると泣いてしまうから「もういいです」って……(笑)。僕、結構ファンの方の顔を見るだけで泣いちゃうんですよ。歌手としては失格かもしれませんが、僕の場合は特にファンの皆さんとの絆を感じることで自分が歌手としての想いを繋いできたところがあったので、そういう意味で皆さんのお顔を見れるとうれしいし、でもあまり見すぎると泣けちゃうし。なんだろうな……。本当に特別な存在です。
ギターの弾き語りにも初挑戦されたとか!
竹島 そうなんです。もともとアリスさんの「遠くで汽笛を聴きながら」を歌いたいなと思っていて、ある日歌の練習をしている時にふと、これを弾き語りできたら皆さんに喜んでいただけるかな?と思ったんですよね。今までギターは見たことがあるくらいだったのですが(笑)、とりあえずやってみようとあまり深く考えずに教えていただいたギターを購入して練習を始めました。
はじめは苦戦されました……?(笑)
竹島 最初は教えていただいていた先生から結構ダメだしされていましたね……。そこで、事務所の後輩の蒼彦太くんがギターを弾けるので、「すみません先輩、教えてください!」ってお願いして。一生懸命教えてくださいました(笑)。本番はまぁなんとか……。バンマスからコンサートが終わった後、「ギター素晴らしかった!」と言っていただけてほっとしました。優しい方です(笑)。
これからも披露されますよね。
竹島 9月にも次は京都でほぼ同じ演目でやりますので、この時は初めてとはもう言えませんし(笑)、さらにグレードアップした演奏を皆さんにしっかり聴いていただけるんじゃないかなと思います。
「竹島宏の一番の武器は”声”」恩師の期待に応えたい
今回の新曲「プラハの橋」は竹島さんのデビュー20周年記念曲でもあります。発売は急遽決まったとお聞きしました。
竹島 そうです。本当に急遽でしたね。6月に「向かい風 純情」を発売したばかりでしたし、次の新曲を出すということは実はまったく考えていませんでした。そんな時に20周年ということもあって、幸耕平先生がお祝いでこのとても素敵な曲を作ってくださって。この二曲はそれぞれ違う魅力があるし、周年ということもあるし、そして僕の誕生日が8月なので今回バースデーシングルということでリリースさせていただこうということになりました。
作品ができていく流れはどのような感じだったのですか。
竹島 今回はメロディー先行で制作がスタートしました。昨年幸先生が僕のコンサートを観に来てくださった時に、ご覧になってすぐにイメージが湧いたようで「20周年だし曲を書くよ」と言ってくださって。「そろそろ竹島も大人の歌手になったらいいんじゃない?ファンの皆さんが可愛がってくださるのもいいんだけど、今度は僕がファンの皆さんを守ってあげる、みたいなそういうイメージの曲があるといいよね」ということで、イメージは“紳士”です。そんなニュアンスでこのメロディーを作ってくださいました。なので今回は僕もいつもとは違う雰囲気の歌い方にもなっているかと思います。
作詞は山田ひろし先生。今回が初めてになりますね。
竹島 はい。どんな先生に書いていただこうかと幸先生に相談した時に、「ポップスの方がいいんじゃない?」ということで、今回はポップスを主に手がけていらっしゃる山田先生、編曲は坂本昌之先生にお願いしました。
プラハについては竹島さんはご存知でしたか? 世界一美しい都市とも言われているそうですね。
竹島 そうですね。昔たまたま『プラハの恋人』という韓流ドラマを観たことがあって、プラハの存在は知っていました。
詞を初めてご覧になった時はいかがでしたか?
竹島 プロデューサーが「東ヨーロッパを舞台にした小説のような詞を書いてください」と山田先生にお願いして、この素敵な歌詞が届いたのですが、まるで恋愛映画のワンシーンというか、プラハの街並みや舞台となっているカレル橋などの情景とそこに佇む二人の姿や想いが鮮明に浮かんできました。山田先生ご自身が学生時代にバックパッカーのような形でプラハを実際に旅されたことがあるんだそうですが、とても美しい詞だなと思いましたね。ただ、あまりにも美しすぎるなと思ってひとつわがままを言わせていただいて、最後の部分で主人公が愛する人への思いをもっと訴えるような気持ちで歌わせてほしいとお願いをして、少し歌詞を変えていただきました。
モルダウに架かる橋で
ひとり佇み泣き出した僕
どうか幸せに
なって下さい
祈る様に鐘が鳴る
(「プラハの橋」歌詞より)
竹島 「ひとり佇み泣き出した僕」という言葉が来た時は、「キタっ!」と思いました。やっとこの主人公は傷ついてくれた、傷ついた気持ちを吐き出してくれたって……。それまではかっこつけてるだけで、その人の血肉というか、血が通っているのが感じられなかったところが、これで歌謡曲になったなと思いました。
「許される愛ではないと知りながら」とありますが、この二人はいわゆる“道ならぬ恋”なんでしょうか。
竹島 短絡的に考えるとこれはいけない恋なのかなと思っちゃいますよね。そういうこともあるだろうし、あるいはちょっと時代錯誤ではありますけれど、ロミオとジュリエットみたいに家柄などのいろいろな状況で一緒になることが許されないという設定かもしれない……。
聴いてくださった方やファンの皆さんの解釈やストーリーを聞くのも楽しみですね。
竹島 そうなんです。僕もこの作品についてはあまりそういう説明をしないようにしようと思っていて、聴いていただいた皆さんのインスピレーションに任せて、どういうふうに解釈してくれるかを楽しみにしています。あと、プラハ自体も行かれたことのない方のほうが多いと思いますし、僕も行ったことがないので皆さんと一緒にこのドラマを作っていきたいなと思っています。
レコーディングの際など、幸先生から何かアドバイスはありましたか。
竹島 とにかく「歌うな、語りなさい」と言われました。僕の場合は語っていても歌ってしまうので、特に今回は語尾をいつも以上に注意深く気をつけて意識して歌って、と。幸先生が「竹島宏の一番の武器は声。本当にいい。ただ、他の人よりもちょっと響きすぎるから、響きすぎることによって歌の表現に合わないことがある。特にこの曲の前半は声を響かせすぎないように、自分の楽器としての声をしっかりコントロールするように」と教えていただきました。あとは、語尾の歌い締めっていうのかな。ひと言ひと言の語尾の置き方。「これで全く歌の表現が変わるから気をつけてね」と、口酸っぱくおっしゃってくださいました(笑)。
さらなる飛躍をしてほしい、という期待と思いとが込められているんですね。
竹島 ありがたいです。幸先生の中で親心のような、ここでもっと大きい歌手になってもらわなきゃ困る、という思いもすごく持っててくださるようで、だから僕も先生の期待に負けちゃいけないな、応えなくちゃいけないな、とさらに気が引き締まる思いでレコーディングに臨ませていただきました。作品づくりにおいてもレコーディングでも、すべてにおいて今まで見たことのない幸先生の表情を見ることができましたね。
ちなみに、「プラハの橋」ダンスは……?(笑)
竹島 これはないんですよ。すみません……(笑)。僕自身もだんだんダンスがないとちょっと不安になってくるというか、手持ち無沙汰になっていますね(笑)。
そして今年のコンサートは、“カーニバル”をテーマにされているとのことですが、どんな思いが込められているのでしょうか。
竹島 はい。20周年ということと、今コロナ禍ということもあって、お越しくださる皆さんには楽しい気分を味わっていただきたいなと思って“カーニバル”というタイトルをつけさせていただきました。「向かい風 純情」、そして「プラハの橋」をはじめオリジナル曲やカバーも含めて、色々な歌を皆様にどんどん届けていく一年にしたい。ライブも可能な限り行っていきたいと思っておりますし、あとは配信ライブもどんどんしていきたいですね。ファンの皆さんと一緒に、にぎやかな一年にできたらなと思っています。
最後に、ファンの皆さんやオトカゼの読者にメッセージをお願いします!
竹島 20周年の記念作品として今回「プラハの橋」をリリースさせていただきました。僕にとっては、またこの歌が歌手としての新たなるスタートだと思って頑張っていきますので、ぜひ応援していただきたいなと思います。あと、今までの僕の作品はどちらかというと聴きたくなるような楽曲が多かったと思うのですが、この「プラハの橋」はめずらしく“カラオケで歌いたくなる!” 作品だと思いますので、状況が許せば皆さんにぜひ、カラオケでどんどん歌っていただきたいですね。皆さんのレパートリーにしていただいて、「プラハの橋」をブームにしてください!
2021年8月25日発売
デビュー20周年記念曲
竹島宏「プラハの橋」
「プラハの橋」Aタイプ
「プラハの橋」Bタイプ
Profile
竹島宏(たけしま・ひろし)
1978年8月28日、福井県生まれ。大学3年生の時、カラオケ審査会の審査員をしていた作詞家の久仁京介氏にスカウトされ、2002年「いいもんだ いいもんだ」で歌手デビュー。2017年に発売したデビュー15周年記念曲「月枕」がヒット。ゴールドディスクに認定される。近年は”踊らされちゃう歌謡曲”三部作「恋町カウンター」(2018年)、「噂のふたり」(2019年)、「夢の振り子」(2019年・NHK BS時代劇『大富豪同心』主題歌)が話題に。また、今年6月に発売した「向かい風 純情」は前作に続き、NHK BS時代劇『大富豪同心2』の主題歌に起用された。