竹島宏がミュージカルに初挑戦。庄野真代、宍戸開を迎え『Musical プラハの橋』を上演へ。「表現者として新しい一面を!」
竹島宏が歌ったヨーロッパ三部作「プラハの橋」「一枚の切符」「サンタマリアの鐘」をモチーフにした『Musical プラハの橋』が来年上演されることになり、9月18日、竹島がチェコ親善アンバサダーを務めることから東京・渋谷区のチェコ共和国大使館で記者会見が行われ、竹島をはじめとする公演のキャスト・スタッフが登壇した。
ヨーロッパ三部作は、2023年度の日本レコード大賞で企画賞を受賞した作品群。チェコの首都プラハに流れるヴルタヴァ川(モルダウ川)にかかるカレル橋を舞台に、男女の悲しい別れが描かれた「プラハの橋」(2021年)から始まり、フランス(「一枚の切符」)、イタリア(サンタマリアの鐘)へと展開していく壮大な歌物語だ。
「2021年、ちょうど世界中がコロナ禍で大変だった時期に、竹島宏を大人の歌手にしたいと、ヨーロッパを舞台とした歌をつくっていただきました。それが『プラハの橋』でした。この曲をきっかけに3年にわたり、チェコ、フランス、イタリアとヨーロッパを舞台とした作品を歌わせていただきました。『プラハの橋』を歌ったことで、チェコ親善アンバサダーにも任命していただきましたし、この三部作で日本レコード大賞の企画賞を受賞させていただきました。『プラハの橋』は“歌手・竹島宏”のターニングポイントになった作品です」(竹島)
『Musical プラハの橋』では物語の時代を1989年からの5年間に置かれ、心の葛藤と苦悩と闘いが描かれる。
登場人物は3人。ヨーロッパを取材して回るジャーナリスト アンドレア・ドゥブレー(愛称:アンディ)役を竹島宏、アンドレアと同郷のロザンナ・アダン(愛称:ローズ)役を庄野真代、そしてロザンナの夫であり、アンドレアの雇い主でもある新聞社の編集長 マルク・アダン役を宍戸開が演じる。
竹島がミュージカルの舞台に立つのは今回が初めてとなるが、表現者として新しい一面を生み出すことができるかもと期待を膨らませている。
「ブロードウェイや日本で、ミュージカルは何度か見たことがありましたが、実際に自分がミュージカルのステージ立つということは、一度も、想像したことがなかった。ですので、お話をおうかがいしたときに『そんなことが実現するんだろうか』と思いました。でも、大先輩である庄野真代さんと宍戸開さんの胸をお借りしながら精いっぱいミュージカルにぶつかっていきたい。そうすることで表現者として新しい何かを生み出すことができるんじゃないかと期待で胸いっぱいです」
二人の男性を愛してしまったロザンナ。竹島(アンドレア)と宍戸(マルク)との間で葛藤する役を演じる庄野は、17年ぶりにミュージカルの舞台に立つ。
「最初にお話をいただいたときは17年ぶりとなりますし、絶対無理だと思いましたが、制作スタッフの中に宮川彬良さんのお名前をみつけて、やってみようと決意しました。どんな歌を歌えるのか、どんな世界で自分を表現できるのかというトキメキがすごく大きかった。すでに半分ほど劇中歌が出来上がっていますが、とっても素敵。今はそれを歌うのが楽しみです。あとは素敵な男性2人に寄りかかりながらお芝居ができたらいいなと思っています」
自分の妻が部下を好きになるという難しい役を演じる宍戸開は、これまでに多くのミュージカルに出演してきたが、「じつはミュージカルは嫌いなんです」と明かした。
「『プラハの橋』というタイトルを聞いて、映画『マディソン郡の橋』を思い出しました。コンプライアンスが厳しい時代に不倫の作品かとも思いましたが(笑)、(大人の愛を追求するのも)逆にいいかなと。ただ、セリフと歌の入りがむずかゆくて、実はミュージカルが嫌いなんです。でも、それだと俳優としての扉が開いていかないので挑戦してきて、今回で10作品目になります。その意味で少しずつミュージカルが好きになってきました。ただ、今回は歌いません。お二人が歌うメロディーを崩さないように、俳優として演じたいと思います」
また、宍戸は感性豊かな俳優らしい解釈を披露した。地図上で物語の舞台となるプラハ、パリ、フィレンツェを眺めていて、あることに気づいたという。3つの地点を線で結ぶと、ほぼ正三角形になると。
「不倫というのは良からぬ恋。いびつな三角形になるかと思ったら正三角形なんです。ですから2人の男を愛してしまうローズ(ロザンナの愛称)というのは神様から選ばれた天使のような存在なのかもしれません」
『Musical プラハの橋』の舞台を支えるのは、ミュージカル界の鬼才 宮川彬良だ。劇団四季、東京ディズニーランドなどのショー音楽で作曲家デビューした宮川は、その後、多くのミュージカルで舞台音楽を手がけてきた。今作でも作曲と編曲を行う。そして、ミュージカルの中でロマンティックな言葉を紡ぎ出すのは、作詞家・安田佑子だ。
また、脚本と演出はストリーテラーとして海外進出を志す田尾下 哲が抜擢された。田尾下は物語の舞台を1989年に設定し、ストーリーをつくった。
「(ヨーロッパ三部作は)3つの国を跨いで展開する物語ですが、時代は明確ではありませんでした。そこで1989年のパリから物語をはじめ、そこから5年の月日を描きました。1989年頃というのは、昔すぎず、かといって現代のような情報社会ではない時代です。固定電話はあっても、LINEのように簡単にやりとりができない時代。ミュージカルでは花と花言葉が大きな役割を果たします。花言葉で想いを伝え、まだ見ぬ夢の花を自然の中に探し続けます」
「そして、大人の物語を書きたいと思いました。常々、人生経験を積んだからこその喜びや悲しみを描きたいと思ってきました。竹島さん、庄野さん、宍戸さんの3人それぞれが違う舞台で経験を積んでこられ、ミュージカルという場で出会うことになります。3人のこともリサーチさせていただきましたので、当て書き(役を演じる俳優を先に決めてから脚本を書くこと)に相応しい台本ができたと思います」
『Musical プラハの橋』は来年1月7日~13日まで紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて、また来年2月10日~11日まで京都劇場で公演される。
竹島は会見の最後に、「日々、悩みを抱えている人は多いと思いますが、たとえどんな生き方であろうと懸命に自分自身の人生を生きることは大切なことなんだと、この作品を観て感じていただければうれしい」と呼びかけた。また、庄野も「自分の人生のストーリーを振り返るきっかけにしてもらいたい」とコメントした。
公演名:Musical プラハの橋
東京公演
上演日:2025年1月7日(火) ~13日(月・祝)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
京都公演
上演日:2025年2月10日(月)~11日(火・祝)
会場:京都劇場
スタッフ
作曲・編曲:宮川彬良
脚本・演出:田尾下哲
作詞:安田佑子
キャスト
アンドレア・ドゥブレー役:竹島 宏
ロザンナ・アダン役:庄野真代
マルク・アダン役:宍戸開
演奏
ピアノ:宮川 知子
ヴァイオリン:森由利子
バンドネオン:鈴木崇朗
Story
時は1989年秋。パリではフランス革命200年祭が日夜盛大に行われている。新聞社のパーティに出席しているアンディは、ヨーロッパ諸国のニュースを追う根無し草のジャーナリスト。雇い主の編集長マルクの計らいで革命祭の取材を兼ねて久々に帰国していた。
パーティの席で編集長の妻として紹介されたローズは、マルクがイタリア出張時に一目惚れしたイタリア人。実は母がイタリア人だと告げるアンディとローズは同じく花の都、フィレンツェの出身だった。
母国イタリアを離れて暮らすローズは花言葉の話題でアンディと盛り上がり、いつしかローズの求める奇跡の花の話に。
久々に見た明るいローズの笑顔に喜びながらも、一人話題についていけないマルクによって話題は中断される。
出会った当時は大好きな花をいつもプレゼントしてくれていたマルクも今は仕事にかまけてそれもなくなり・・・。ローズは寂しさを新たにする。
そのことを察したアンディは、ローズの好きな花を街角で見つけ、その夜そっと玄関に届ける。
こうして三人の関係が変わり始め・・・。
<チケット情報>
チケット価格:10,000円(全席指定/税込)
各プレイガイドにて発売
一般発売:9/28(土)10:00~
東京公演
チケットぴあ(Pコード:527-808)
セブン-イレブン
e+ FamilyMart店舗
カンフェティ TEL:0120-240-540(平日10:00~18:00)
キノチケットカウンター(店舗販売10:00~18:30)
京都公演
チケットぴあ(Pコード:527-811)
セブン-イレブン
e+ FamilyMart店舗
カンフェティ TEL:0120-240-540(平日10:00~18:00)
京都劇場: https://www.kyoto-gekijo.com/