優しくて温かい……そっと寄り添う浜博也の歌声に涙する〜新曲「正夢~まさゆめ~」〜
浜博也が、8月18日に「正夢〜まさゆめ〜」を発売した。どこにでもいるような一組の仲睦まじい夫婦を主人公に、二人の愛、そして別れを丁寧に描いた物語三部作の最終章。前々作「夕凪橋〜ゆうなぎばし〜」、前作「一輪挿し」に続く今作では、ひとり残された妻が愛する夫との日々を思い返しながらも生きていく姿を優しいメロディーに乗せて歌う。
「前作を超える作品を」。その思いから生まれたさらなる名曲
Q 昨年は前作となる「一輪挿し」を発売されましたが、反響がすごかったそうですね!
浜 昨年はあまり新曲のキャンペーンもできなくて、お客様の前で歌うことが数回しかなかったの。本当に残念だったんだけど、ファンの方をはじめたくさんの皆さんがこの作品を愛してくれて、とても好評をいただきました。MV(ミュージックビデオ)のコメント数もこれまでの曲より全然多かったんです。ありがたかったですね。
Q 前々作の「夕凪橋〜ゆうなぎばし〜」(2019年)、前作の「一輪挿し」と続いた三部作の最終章が、今回の新曲「正夢〜まさゆめ〜」。昨年は、まだこの曲はできていなかったんですよね?
浜 そう。「夕凪橋〜ゆうなぎばし〜」は、仲睦まじい夫婦の歌なの。あと何年こうしていられるだろうね、みたいな話。それが、「一輪挿し」では連れ合いが亡くなっちゃったわけです。そして今度の「正夢〜まさゆめ〜」という作品は、回想なんだよ。連れ合いを亡くしてその後を描いている。やっとひとり暮らしには慣れてきたんだけど、やっぱり寂しいなというね。
Q この三部作の主人公は三作とも同じご夫婦と考えていいんですか?
浜 そうですね。同じ夫婦の二人のストーリーになっています。ここまでしっかり物語ができていて連作ぽくなっているのも、最近ではめずらしいと思うんだよね。
Q 「一輪挿し」はとても悲しい歌でした。浜さんも歌われるのがつらいとおっしゃっていましたよね。
浜 これはもっと悲しいよ。これ、悪いけど本当に歌えない……って、最初はやっぱり戸惑いましたね。
Q この作品ができるまでの制作過程での先生方とのエピソードなどはありますか。
浜 僕がね、ちょっと作詞の鮫島先生にプレッシャーをかけすぎちゃったんですよ。「一輪挿し」という曲の完成度はすごい高いと、僕はとても惚れ込んでいた。だから、「あの曲を超えなかったらやる意味ないよ」と先生に正直に伝えたの。先生も困ったなって……。でも、しばらくしてこの曲の詞が出来上がってきて、見た時に唸ったね。すごい詞だった。より切なく、現実的な作品になっていたので、果たしてどうなのかな? 皆さんに受け容れてもらえるかな?と、正直心配でもあり楽しみでもあるね。こういう曲を歌っている人っていないでしょ。
Q 逆に新鮮に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。若い方とか……。
浜 そうそう。こないだも新しく僕のファンになったという若い女性が、「私、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのファンでしたが、今は浜さんのファンです!」って。びっくりして「はぁっ?! 三代目 J SOUL BROTHERSのほうがいいだろ?! 同じ三代目でも俺はロマンチカの三代目だぞ」って言ったの! ……俺、うまいな〜。いや、本当の話だから!!(笑)
Q (爆笑)。浜さん、カラオケでこの曲を歌う際のワンポイントアドバイスはありますか。
浜 こういう歌詞なので、やっぱりあまり思い詰めて歌っちゃうと本当に暗くなっちゃう。昨年の「一輪挿し」の時と同じなんだけど、どこか他人事のように歌った方がいい。淡々とね、ドラマだと思って。
Q カップリング「呼子鳥〜アコースティックバージョン〜」は、昨年の作品を新たにアレンジされたんですね。
浜 「呼子鳥」もすごく好評でね。だから今回もう一回歌って、もっとたくさんの人に届けたいなと思って、アコースティックバージョンを斉藤功先生にお願いしました。すっごくいいアレンジができてきました!名曲よ〜。普遍的な母親の愛を歌っていますので、聴いてくださる皆さんそれぞれの視点や思いで、この曲の素晴らしさを感じ取っていただければと思う。
Q 最後に、ひと言オトカゼの読者にメッセージをいただけますか。
浜 そうですね。月並みですけれど、まずはMV(ミュージックビデオ)でもいいので観ていただいて、そしてぜひ2曲とも聴いていただきたいですね。僕も、一日も早く皆さんの前で披露できることを楽しみにしています。
2021年8月18日発売
温かい歌声に涙する”夫婦の物語”三部作最終章
浜博也「正夢〜まさゆめ〜」
Profile
浜博也(はま・ひろや)
1962年1月8日、山形県生まれ。大学生の時に出場したTBS『11時に歌いましょう』でグランドチャンピオンに輝き、歌手の道へ。1982年、“鶴岡雅義と東京ロマンチカ”の3代目リードボーカルとして歌謡界にデビュー。美しい高音と都会的なムードで多くのファンを魅了。1994年にソロ活動を開始。2000年「おまえがすべてさ」、2001年「おまえに逢いたい」と連続ヒットを飛ばし、知名度は全国区へ。2022年のデビュー40周年を目前に、その味わい深い歌声にますます磨きをかける。ラジオ番組『博也とまどかの歌謡ロード』でのユーモアあふれるトークでも人気を集める。