
葵かを里、原点に帰り感謝の気持ちで歌っていく〜新曲「ひとり貴船川」〜
“美・歌・舞”。日本舞踊を舞いながら華麗に歌う葵かを里の新曲「ひとり貴船川」が、5月5日に発売となった。大好きな京都を舞台にした、愛する人を信じ待ちわびる主人公の揺れ動く女心を繊細かつ情熱的に歌い上げている。一昨年に節目となる歌手生活15周年を経た今、改めて感じる歌えることの幸せ。「歌うことで皆様へ恩返しを」と話す葵に、新曲に込める思いを聞いた。
思いもしないコロナ禍の中で、改めてファンの皆様のありがたさを実感
Q 2019年に歌手生活15周年を迎えられました。振り返られていかがですか。
葵 ありがたいことに、記念ディナーショーや15周年の記念イベントをすべて無事行うことができて私としてはやりきった感、充実感はありましたね。ですが、新たなスタートを切ろうとしていた昨年は、もちろん私だけではありませんがコロナ禍で全くと言っていいほど何もできない一年になってしまいました。
Q 昨年4月1日に前作「しぐれ高山」を発売された直後の緊急事態宣言でした。
葵 そうでしたね。今もまだまだ収束が見えない状況ですが、あの時は今よりも大変でしたよね。「しぐれ高山」に関しては、皆さんの前で私が生で歌ってお届けすることができませんでした。それだけがちょっと心残りです。ただありがたいなと思うことは、私が活動できていなくてもたくさんのファンの皆様やお客様がこの曲を聴いて、歌ってくださったりCDを買ってくださったりしたおかげでオリコンチャート1位でスタートすることができました。本当に皆さん、お客様の力です。本当に感謝しています。
Q ファンの皆さんの存在はとても大きいですね。そんな歌うこともままならない日々の中で、歌へのモチベーションはどう保たれていたんですか?
葵 何もできない毎日の中でも、15周年が終わったところでこれまでの集大成ともいえるCD3枚組とDV2枚組を発売する企画を立てていただきました。それらの制作に携わっていられたことは本当にありがたいことでした。これまで発売した37曲のレッスン動画をYouTubeで作ったり、歌詞を書いたり撮影したりと皆さんによりよいものを届けたいという意気込みで、その作業に没頭していられたおかげでなんとか保っていられた感じでしたね。
Q お忙しい時はなかなかこういう機会ももつことができなかったと思いますが、これまでのオリジナルを37曲、改めて聴かれてみていかがでしたか?
葵 改めてこれまでの37曲を一つひとつ振り返りながら、これまでこんなにたくさんの素敵な宝物を先生方からいただいてきたんだなという思いと、この宝物たちを改めて皆さんにお伝えしていきたいという気持ちが湧いてきました。やる気が出てきましたね!

「デビュー15周年記念ベストコレクション 2005-2020」
2020年12月2日発売
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-74910 ¥4,000(税込)
5年ぶりとなる大好きな京都が舞台の新曲「ひとり貴船川」
Q 新曲「ひとり貴船川」の準備というのはいつ頃からスタートしたのですか?
葵 昨年から来年の今頃に出そうというお話をいただいていたので準備はしていました。本格的に制作が始まったのは今年に入ってからですね。
Q 前作「しぐれ高山」は“飛騨の小京都”と言われる高山が舞台でしたが、今回は本当の京都を舞台にした作品ですね。
葵 京都を舞台にした曲は5年ぶりになるんですけれど、実はこの曲で6作目なんです。よく考えたら川をテーマにしたのが5本目になるんですね。桂川、白川、鴨川、保津川、そして今回の貴船川と。たまたまなんですけれど。私は京都が大好きなんですけれど、貴船にも以前ふらっと行ったことがあって、川がすごく綺麗でとても素敵なところなんです。そこにある貴船神社。水の神様を祀っているので「きふね」と濁らないんですね。その水占いがポイントで、おみくじを水に浮かべるとふわっと浮かび上がってくるんですけど、このおみくじを浮かべるこの水こそがご神水なんです。
Q とても幻想的ですよね。
葵 そうなんです。「ひとり貴船川」は、このおみくじにこの主人公の女性は想いを寄せる人が帰ってくるかこないか、願いを込めるという歌なんです。貴船のすごく素敵な部分を切り取りつつ、主人公の女性の心情が切なくも美しく描かれていて素敵な歌だなと思います。
Q 男性は戻ってくるのでしょうか……。
葵 そう!そこが問題なんです(笑)。さよならだったら自分が諦めるという気持ちにもなるんですけれど、「待っていて」と言われているので、さよならではないんです。この女性はまだ希望がちょっとですが残っている、蛇の生殺しみたいな感じで……男性はずるい(笑)!でも女性は希望を託して水占いに願いを込めて、帰ってきて欲しいと。でもそんなことを信じる自分が愚かなのかって揺れているんですよね。
Q 前作「しぐれ高山」の前までは「踊りありき」の曲作りをされていたとお聞きしましたが、今回はいかがですか?
葵 今回も踊りはもちろん入るんですけれど、とにかく皆さんが歌いやすい歌を、とメロディーを作る段階から影山先生と一緒に作らせていただきました。何度もディスカッションを重ねて、試行錯誤して作り上げました。
Q それでは、カラオケで歌う時のワンポイントアドバイスをぜひ教えてください!
葵 一番最後ですね。
逢いたくて 逢いたくて ひとり貴船川
(「ひとり貴船川」1番歌詞より)
この部分は、簡単に言うとサーフィンの波のようにアレンジをしていただいているので、それにシューっと乗っかる感じで歌っていただくといいかなと思います。最後のところは盛り上がって、大きな波に乗るような感じでしょうか。歌い方としては、同じ言葉が二回繰り返して出てくるので、こういうところは変化をつけて、特に今回の歌は最初は語り。二回目は気持ちをグッと前に出して。次の「ひとり」に大きくつなげていくように歌ってみてください。
Q 最後に、今後の意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。
葵 一昨年が15周年で、記念イベントなどを大きくやらせていただいて15周年の集大成が一応できました。
まさかその翌年にこんなことが起こるなんて頭になかったですし、今までの日常がガラッと変わっちゃったじゃないですか。こういう何もできない状態になって、これまで当たり前だと思ってきたことが当たり前ではなくて、すごいことをずっと私たちはやってきていたんだなと改めて思いました。ファンの皆さんには、心配してくださったり本当に支えていただいたので、原点に帰って感謝の気持ちを持って、私は歌を歌うことしかできないので、とにかくこれからも歌っていきたいと思います。そして、歌を聴いて「元気になったよ」という皆さんの言葉が、何よりありがたいし私の力の源。これからも変わらず、皆さんと一緒に歩んでいくぞ!という気持ちです。
2021年5月5日発売
葵かを里「ひとり貴船川」

「ひとり貴船川」
作詞/麻こよみ 作曲/影山時則 編曲/竹内弘一
c/w「ほたる火」
作詞/麻こよみ 作曲/影山時則 編曲/岩田光司
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91350 ¥1,350(税込)
2016年に発売した「五山の送り火」以来5年ぶりとなる京都を舞台にした作品「ひとり貴船川」。京都の中でも奥座敷として人気のある貴船、近隣の鞍馬を舞台に、愛する人が残した言葉を信じ希望を持って待ちながらも、不安な気持ちに揺れ動く女性の心情を繊細かつ情熱的に描いた恋物語。「今回、念願叶って初めて京都でMVのロケをさせていただき、水占いのシーンや貴船川でも撮影しました。歌詞だと”鳥居をくぐって水占い”と書いてあるので、鳥居をくぐればすぐできると思っていたらそこから120段階段を登らないといけないの(笑)。MVを見ていただいてまずは行った気持ちになっていただいて、そして次は行ったこのない方はぜひこちらに行っていただきたいと思います。とっても素敵なところです」(葵)。カップリング曲「ほたる火」は、叶わぬ運命の恋から自ら身を引く女性の思いをほたるの命にたとえた悲恋物語。「私のこれまでの37曲の中でも幻想的で幽玄な変わった世界の曲です。”葵かを里”の新たな世界、新たな一面を掘り起こしたいという思いで歌っています」(葵)
INFORMATION
「ひとり貴船川」発売記念カラオケ大会開催!
葵かを里さんが新曲「ひとり貴船川」の発売を記念したカラオケ大会を開催されます!ご応募いただいた音源を厳正なる審査のうえ、合格者を選出。大会ではご自慢ののどを披露してグランプリを競っていただき、優勝者や優秀者の方には記念の賞状や素敵な記念品をプレゼント。ふるってご応募ください!!
実施要項/課題曲「ひとり貴船川」「ほたる火」
開催日/2021年11月上旬予定
会場/未定
※詳細は今後随時葵かを里オフィシャルサイトで更新予定。
Profile
葵かを里(あおい・かをり)
愛知県生まれ。子どもの頃より自宅にあったカラオケルームでほぼ毎日のように演歌を聴いて育つ。2005年「夢みなと」でデビュー。古都を題材にした作品が多く、日本舞踊を舞いながら歌う“美・歌・舞”でファンを魅了する。特技は日舞(芙蓉流名取)、茶道(裏千家師範)、華道(池坊師範)。最近は健康に目覚め、野菜スペシャリストの資格を取得すべく勉強中。「昨年足をけがした時に健康がとても大切だということを実感しました。おうち時間がすごく長かったので、自分で料理をするようになって、健康オタクになっちゃいました(笑)」(葵)