“歌う看護師”入山アキ子がバースデーライブ。“ザンザ岬カラオケ大会”と昭和歌謡オトコウタコンサートの豪華2本立てに、これが私の歌の道!
“歌う看護師”入山アキ子が9月22日、東京・中央区のパセラリゾーツ銀座でバースデーライブを開催した。同イベントは、「入山アキ子昭和歌謡オトコウタコンサート」と「入山アキ子列島縦断カラオケ大会 銀座予選会」の豪華二本立てで行われ、入山はセルフカバーのニューシングル「ザンザ岬(ニューバージョン)」を120%の力で披露した。
入山アキ子昭和歌謡オトコウタコンサート
「毎年毎年、皆さんにお祝いの機会をいただいています。お祝いしていただく年を過ぎているような気もしますが(苦笑)、皆さんと集まるきっかけになるという意味では、イベントを楽しませていただいています。続けていきたいですね」
第一部として行われた昭和歌謡オトコウタコンサート。演歌・歌謡曲はもとよりポップスからアニソン、シャンソン、ジャズまで幅広く歌うこなす入山だが、彼女が歌う昭和歌謡のオトコウタが評判となり、昨年9月には初のカバーアルバム『昭和歌謡オトコウタ』をリリースしている。
パセラリゾーツ銀座内のイベントスペース「グレースバリ」は、7mの吹き抜け天井が開放的なステージだ。そこに入山は深紅の着物姿で登場した。
「皆様と楽しい時間を過ごしたいと思ってやってきました。今日の着物は15年前のものです。2008年にテイチクレコードより再デビューさせていただきましたが、『まだ着物が買えないんです』とお話させていただいたところ、『これを足しにしてください』とお気持ちをいただきまして、それをコツコツ貯めてつくらせていただいた着物です」
入山はアルバム収録曲から「北の旅人(石原裕次郎)」「釜山港へ帰れ(チョー・ヨンピル)」「旅の宿(吉田拓郎)」を選曲して披露した。なかでも「釜山港へ帰れ」ではピアノ演奏で始まり、後半にバイオリンが加わるというアレンジで、入山が情念の世界を表現。大きな拍手をもらった。また、「旅の宿」では客席を回りながらファン一人一人とグータッチで親睦を深めた。
「入山アキ子の声は眠くなる声だと言われています。イコール、夜寝る前に聴いていただきたいアルバムです」と、しっかりカバーアルバム『昭和歌謡オトコウタ』をアピールする一幕をみせながら、「踊れる人は踊ってください。皆さんが少しでも元気に、そして笑えたらいいなと思っています」と、“歌う看護師”として「わたしのふる里」を歌いながら、関節の可動域を広げる振付をファンと楽しんだ。
入山は8月に原点回帰の作品として、セルフカバーシングル「ザンザ岬(ニューバージョン)」をリリースした。
2008年の再デビュー曲が「ザンザ岬」だった。作詞は星野哲郎氏、作曲は恩師でもある鈴木淳氏だ。
「CDをリリースしていましたが、自費出版でした。鈴木(淳)先生には、『僕はこういう人は受け持ったことがない』と言われながらも、弟子としてかわいがっていただきました。『なんとか頑張って、自分たちがいる場所に近づきなさい』と言われまして、手売りで1万枚を売りました。普段、あまり頭を下げることのない先生でしたが、テイチクレコードへ一緒に行ってくださり、再デビューの機会をつくってくださいました。その時にいただいたのが『ザンザ岬』です」
入山はこの曲があったから、いままで歌ってくることができたと話す。
「とても素晴らしい楽曲だと思って歌ってきました。でも、当時は知名度も低くて、頑張りも足りませんでした。ステージではとても緊張し、しゃべるのも得意ではありませんでした。それでもこの世界に残していただくことができているのは、作品が持っている力です」
デビューして16年の時を経て、歌手としての経験値も高くなった。「もう一度、この曲でチャレンジしていきたい」。その願いが叶ってのリリースだった。
セルフカバーにあたり南郷達也氏が新しいアレンジをつけた。ただし、当時のニュアンスはそのまま残された。
「南郷先生は鈴木先生に(当時)アレンジを褒められたので、ニュアンスは変えたくないとおっしゃられました」
そのため、「あまり変わっていないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、テンポ感やキレの良さなど細かな部分を少しずつ変えていただきました」。
テンポが上がったことで、より力強さも増した「ザンザ岬(ニューバージョン)」。入山はコンサートのラストに同曲を披露すると、「ヒットするまで歌いつづけます」と力を込めた。
「歌は100%で歌っちゃダメだと言われますが、『ザンザ岬』だけは100%、120%で歌ってしまいます。鈴木先生からは、『この曲がダメなら看護師に戻りなさい』という言葉と一緒にいただいた曲をあらためてリリースできたことは感慨深いです。いまはお二人とも天国にいらっしゃいますけれど、先生方にもいい報告をしたいなと思っています」
「ザンザ岬」を歌唱した入山は、「昨年他界した父が教えてくれたオトコウタです」と、アンコールに村田英雄の「無法松の一生~度胸千両入り~」を聴かせた。
歌手仲間からのお祝い唄
入山アキ子バースデーライブ2024には、2人の歌手がお祝いに駆けつけた。北海道札幌市出身のシンガーソングライター MUSASHIはオリジナル曲から「想い」を歌い、入山のカバーアルバム『昭和歌謡オトコウタ』にも収録されている松山千春の「恋」をお祝い唄として贈った。
MUSASHI は2022年5月より埼玉県日高市に移住し、ファミリーカラオケ&ミュージック「MOON STONE」をオープン。オーナーとして、またカラオケ講師としての顔も持つ。
庄野成美はデビュー曲「恋人と呼ばせて」や、日本クラウン移籍第一弾シングル「晩夏のえれじー」を披露し、お祝い唄として入山の「ザンザ岬」を2008年バージョンで歌った。
19歳の時に、プライベート盤として「白い停車場」を発売した庄野。デビューは2019年だが、歌手活動歴は今年48年になるという。また、2007年にはヴォーカルスクール「バースプレイスエンタテインメント」を開校。新人アーティストの発掘・育成にも力を入れている。
入山アキ子応援大使が誕生!
入山アキ子は現在、北海道稚内市ふるさと大使、山口県美祢市ふるさと交流大使、山口県ふるさと大使、和歌山県和歌山市観光発信人、和歌山県加太夕陽鯛使を拝命しているが、バースデーライブでは、「入山アキ子応援大使」が任命された。
今回、入山アキ子後援会に所属するメンバーから16名の応援大使が誕生し、牧野章光さんが代表で委嘱状を受け取った。牧野さんは親子二代で入山を応援。愛称は「鋼のブラックちゃん」。TikTokで入山の情報発信を続けている。また、カラオケサークル「元気に笑顔」の副事務局長も務めている。
入山アキ子列島縦断カラオケ大会。目指せ決勝大会!
「自分の曲を歌ってくださる幸せを噛みしめながら聴かせていただきたいと思います」
第二部は「入山アキ子列島縦断カラオケ大会」の銀座予選会が行われた。8月7日にリリースされた『ザンザ岬(ニューバージョン)』の購入者を対象に行われるカラオケ大会。いつもは東京と出身地である山口の2カ所で開催してきたが、今回は全国4カ所(東京・北海道・和歌山・山口)で予選会を行い、来年3月23日に埼玉県の所沢市民文化センター(ミューズ)で決勝大会を行う。
ニューシングルには「ザンザ岬(ニューバージョン)」のほか、2014年の「紀淡海峡」とそのカップリング曲「秋芳洞愛歌」がニューボーカルで収録されている。入山にとって思い入れのある楽曲のセルフカバーであり、この3曲が審査対象となる。
銀座予選会には19名がエントリー。日本司会者芸能協会 副会長でもある牧野尚之が司会を務め、笹森文彦氏(日刊スポーツ/元・日本レコード大賞審査審査委員長)、高田浩希氏(音楽プロデューサー)、近藤芳樹氏(テイチクプロデューサー)の3人が審査員を務めるという本格的な大会となった。
「歌唱力、表現力、ユーモア、そしてもう一度聴いてみたいと思わせるかどうかが審査の対象になります」
牧野の進行によって19名が無事に歌唱を終えると、審査結果を待つ間、入山アキ子によるミニライブが行われた。
入山は2022年にリリースした15周年記念曲「一泊二日」をギターバージョンで披露したほか、まずは審査対象曲である「紀淡海峡」「秋芳洞愛歌」を歌った。
「紀淡海峡」は和歌山県の紀淡海峡を舞台に夕日のように燃える恋が歌われている。また、「秋芳洞愛歌」は星野哲郎・作詞、鈴木淳・作曲作品として、1985年に浜野美砂と玉置宏によるデュエット曲として発売されたが、故郷・山口県美祢市の”美祢市ふるさと交流大使”に任命された入山が2014年にソロ歌唱曲として蘇らせた。
しかも、令和に再リリースしたことがきっかけとなり、念願だった洞窟コンサートが実現した。入山は10月28日に秋芳洞の洞窟内でコンサートを行い、「秋芳洞愛歌」を歌唱する。
「今日は全国で一生懸命応援してくださる方々が集結してくださいましたので、安心して、楽しんで歌えました」
昭和歌謡オトコウタコンサートの終演後、そんなふうに語っていた入山は、第2部ミニステージの最後にも勝負曲「ザンザ岬(ニューバージョン)」を披露した。
「今日のこの場所で歌えることをつくづく幸せだと思います。幸せは追いかけるものじゃない。感じるものだと思います」
入山がそんな感謝の言葉を述べてステージを降りると、笹森委員長から審査結果が発表された。
その結果、廣川康之(埼玉県)さん、板橋有里(栃木県)さん、春山江利子(東京都)さん、小峰康枝(埼玉県)さん、望月絹子(神奈川県)さんの5人が予選を通過、来年3月の決勝大会へ進むこととなった。
目が不自由な廣川康之さんは、入山の「ザンザ岬」を聴いて入山アキ子後援会に参加したという。「素敵な曲を書いてくださったこと、こうしたステージを用意してくださったことに感謝します」と語って「ザンザ岬」を歌い、審査員からは、「サビの“ザンザザ ザンザザ”のところの強弱が良く、後半に向けて聴き応えがあった」と評価された。
板橋有里さんは普段、演歌を歌わないそうだが、この大会に向け「自分なりに練習を積んできました」と、「ザンザ岬」を歌い高評価を得た。「演歌はメロディーじゃなく言葉。言葉にアプローチすることが大事なので、そこを意識して歌うようにすると、あなたの演歌になるので頑張って」とエールを贈られた。
「緊張していますが、入山さんのこの曲がカッコよくて気に入っています」と、「ザンザ岬」で勝負した春山江利子さんは「とても声がよく通るきれいな発音でした。リズムも良かったと思います。サビの“ザンザザ”の使い分けもよく研究されていました」と評価された。
小峰康枝さんは「ザンザ岬」が一番のお気に入り曲だそうで、入山の生歌を聴いて、この歌で大会に臨もうと決意したそうだ。「振り付きでの歌唱がとても素敵でした。声もすごくよく通りますし、心情的な部分がすごく訴えられるような歌唱でした。低音部分が少しハスキーな感じも素敵でした」と評価された。
「緊張していますが、練習通りに歌いたい」と臨んだ望月絹子さんは、「素直に聴くことができました。とてもお上手でした。サビで盛り上げる部分は、最初は弱いかなと思いましたが、終盤に向けて盛り上がっていったのは聴き応えがありました」と評価された。
「入山アキ子列島縦断カラオケ大会 銀座予選会」に出場されたその他の皆さん
出場順(「 」内は歌唱曲)
「ザンザ岬」「紀淡海峡」「秋芳洞愛歌」発売記念企画
入山アキ子列島縦断カラオケ全国大会
今後の予定
予選会
10月14日(月)
北海道予選会(深川市文化交流センター)
11月17日(日)
和歌山県予選会(和歌山城ホール 小ホール)
2025年1月19日(日)
山口県予選会(美祢市 秋吉台芸術村ホール)
※詳細はCD「ザンザ岬(ニューバージョン)」に封入されている歌詞カードをご覧ください。
決勝大会
入山アキ子列島縦断カラオケ全国決勝大会&昭和歌謡オトコウタコンサート
決勝大会は埼玉県の所沢市民文化センター ミューズのマーキーホールで開催されるが、「入山アキ子昭和歌謡オトコウタコンサート」との併催となる。
開催日:2025年3月23日(日)
時間: 開場13:00 開演13:30
会場:所沢市民文化センター ミューズ(マーキーホール)
チケット:4,500円(全国決勝大会&コンサート)
問い合わせ:イリヤマプランニング
TEL:04-2956-0448(森澤)
メール:iriyama.akiko@gmail.com
その他詳細は、入山アキ子公式HPへ
INFORMATION
秋芳洞愛歌を秋芳洞内で!
入山アキ子 秋芳洞 洞窟コンサート
開催日:10月28日(月)
会場:秋芳洞内 黄金柱付近
時間:10時~
入洞料:一般1,300円(子どもは700円)
※一泊二日開運バスツアーあり
日程:10月27~28日
問い合わせ/予約:入山アキ子後援会
TEL:04-2956-0448(森澤)
入山アキ子の故郷・山口県美祢市には日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」がある。今年、「秋芳洞愛歌」をニューボーカルバージョンでリリースしたタイミングで、秋芳洞内でのコンサートが決まった。
入山アキ子 コメント
ずっと熱望していましたが、なかなか許可が下りず実現できずにいました。でも、今年は『ザンザ岬』とともに、同曲と同じ星野哲郎先生と鈴木淳先生による作品『秋芳洞愛歌』をCDに収録させていただくことができ、あらためてご相談させていただいたところ、いろんな条件もクリアでき、正式に許可が下りました。洞窟での歌謡コンサートは初めてになります。自然のもたらす美しさが秋芳洞の魅力です。音響などは使わず、自然に、ピュアな感じで歌わせていただきたいと思います。内容は考えている真っ最中です。楽しみにしていてくださいね。