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元ちとせ

78回目の終戦記念日を前に。坂本龍一がプロデュースし、元ちとせが歌う「死んだ女の子」がサブスクで世界配信

元ちとせが歌唱する「死んだ女の子」のサブスクリプション世界配信がスタートした。

この楽曲はトルコの社会派詩人・ナジム=ヒクメットの詩をロシア文学者・中本信幸氏が日本語に訳し、その訳詞を読んだ日本を代表する作曲家・外山雄三氏が作曲した反戦歌だ。原爆の悲惨さと戦争に反する切なる気持ちを、原爆の火に焼かれてしまった女の子に成り代わって歌った作品となっている。

今年3月に惜しまれつつこの世を去った坂本龍一氏がアレンジ・プロデュースを務めた本楽曲は、2005年、ニューヨークでレコーディング。原爆投下から丸60年を迎えた8月6日の夜にはTBS系『NEWS23』で放送。広島・原爆ドーム前で坂本氏のピアノと、元ちとせの歌唱が生中継され、大きな感動と衝撃を与えた。

元ちとせ

これまでは毎年、原爆の日・終戦記念日のある8月に期間限定で単曲配信をしてきた本楽曲だが、現在のウクライナ情勢など世界が混迷し、平和への機運が高まる中、全世界に向けてサブスクリプション配信をスタートすることが決定したという。

元ちとせは「『死んだ女の子』を聴くことで、みなさんにもこの作品に込められた坂本龍一さんらの思いが受け継がれ、それぞれが平和について考えるきっかけとなってほしい」と語っている。

本楽曲は戦後70周年となった2015年にリリースした、「忘れない~繰り返さない」をテーマに平和への思いを込めた元ちとせのカバーアルバム『平和元年』に収録されている。まもなく迎える78回目の終戦記念日を前に、本アルバムも併せて聴いていただきたい。

 


2023年7月26日配信
元ちとせ「死んだ女の子」

作詞:ナジム・ヒクメット/作曲:外山雄三
日本語訳:中本信幸/編曲・プロデュース:坂本龍一

▼元ちとせ「死んだ女の子」デジタル配信リスト一覧
https://LGP.lnk.to/mASZ6g

歌詞
あげてちょうだい たたくのはあたし
あっちの戸 こっちの戸 あたしはたたくの
こわがらないで 見えないあたしを
だれにも見えない死んだ女の子を

あたしは死んだの あのヒロシマで
あのヒロシマで 夏の朝に
あのときも七つ いまでも七つ
死んだ子はけっして大きくならないの

炎がのんだの あたしの髪の毛を
あたしの両手を あたしのひとみを
あたしのからだはひとつかみの灰
冷たい風にさらわれていった灰

あなたにお願い だけどあたしは
パンもお米もなにもいらないの
あまいあめ玉もしゃぶれないの
紙きれみたいにもえたあたしは

戸をたたくのはあたしあたし
平和な世界に どうかしてちょうだい
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉がしゃぶれるように
炎が子どもを焼かないように
あまいあめ玉がしゃぶれるように

※この歌詞はオリジナルに基づいている。

 


2015年7月22日発売
元ちとせ『平和元年』
元ちとせ

アリオラジャパン AUCL-184 ¥3,300(税込)

元ちとせが放つ、平和への思いを込めたカバーアルバム。坂本龍一プロデュース「死んだ女の子」を収録。

収録曲
1. 腰まで泥まみれ~Waist Deep In The Big Muddy
2. スラバヤ通りの妹へ
3. 美しき五月のパリ
4. エの流れ
5.リリー・マルレーン
6. 后のダンスステップ
7. 戦争は知らない
8. 死んだ男の残したものは
9. ケ・サラ
10. 永遠の調べ
11. 死んだ女の子
12. さとうきび畑

元ちとせ『平和元年』の詳細はこちら▶


profile
元ちとせ(はじめ・ちとせ)
鹿児島県奄美大島出身。2002年に「ワダツミの木」で鮮烈なデビューを飾り、以来、ボーカリストとしてさまざまなステージでその唯一無二の歌声と存在感を示している。戦後70年を迎えた2015年7月、“忘れない、繰り返さない”というコンセプトのもと、「今こそもう1度、平和を真剣に考える年になって欲しい」という平和の思いを込めたカバーアルバム『平和元年』をリリースし、同作にて第57回日本レコード大賞企画賞を受賞。2018年に自身の原点である奄美シマ唄の新録アルバム『元唄~元ちとせ奄美シマ唄集~』を、2019年には同作を国内外の鬼才がREMIXしたアナログレコード『元唄幽玄~元ちとせ奄美シマ唄REMIX~』をリリースし、海外からも高い評価を得た。2022年2月、メジャーデビュー20周年を迎え、7月にオリジナルアルバムとしては実に14年ぶりとなる5thアルバム『虹の麓』をリリース。生まれ故郷であり現在も生活の拠点としている奄美大島が2021年、徳之島・沖縄島北部及び西表島とともに世界自然遺産への登録を果たし、奄美大島独自の文化「シマ唄」を次世代に受け継いでいく語り部の一人としても注目を集める。