東京力車が三波春夫の生誕100年記念日に墓前で決意表明! “保護者”として、川中美幸が見届け!? ファンを前に奉納ライブも
東京力車が7月19日、この日、生誕100年の記念日を迎えた三波春夫が眠る東京・杉並区の堀之内妙法寺を訪れ、墓前に新曲「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」の発売を報告。作品のテーマである“平和”を日本はもとより世界に向けて発信していく決意を伝えたほか、ヒットを願って額堂前で奉納ライブを行った。
また同曲にコーラスとして参加している同じテイチクレコードの先輩・川中美幸や、三波春夫のご息女である三波美夕紀さんも同席し、東京力車を祝福した。
新曲「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」は、前々作「ニビイロトーキョー ~チャンチキおけさ~」(2021年8月発売)、前作「Sole!~おまんた囃子~」(2022年7月発売)に続く“三波春夫×東京力車×ヒャダイン”三部作の完結編。2025年に大阪で日本国際博覧会(万博)が開催されることから、川中が1970年に行われた大阪万博のテーマソングであり、今や国民的ソングとなっている三波春夫のヒット曲「世界の国からこんにちは」をフィーチャーしたらどうかと提案したことが、新曲制作のきっかけともなった。
お墓参りを終えた東京力車の3人はそれぞれの心境を次のように語った。
石橋拓也 お墓参りは今日で3度目となります。三波先生にはお会いしたことはないんですが、先生が大切にされていた「日本を明るくする」「日本を笑顔にする」という思いを世界に向けて発信させていただくこと。そして、今回新曲をリリースさせていただくことの感謝をお伝えさせていただきました。
白上一成 墓前に手を合わせたら、三波先生から「君たち頑張りなさいよ」と言っていただいているようでした。三部作完結編ということで、この作品を歌わせていただきますので感謝の気持ちと、日本のいいところを世界に広めていく決意を伝えました。
田井裕一 僕自身には戦争の経験がありませんが、三波先生は戦争を経験されています。終戦後は苦しい思いもされ、ずっと平和を願っておられました。そんな先生の「希望をもって生きていく」という底力は、僕たちが受け継いでいく中で、日本・世界に届けますとご報告をさせていただきました。生誕100年の節目の年に、たくさんの方が三波先生を祝福されています。ライブでのパフォーマンスを通して、大切な楽曲を未来に歌い継いでいくという気持ちでお参りさせていただきました。
3人の思いを聞いた川中は、「今日は保護者のつもりで来ました」と笑いながらも、「先生はいつも笑顔でした」と、三波春夫との思い出を語った。
川中美幸 デビュー当時、三波先生には何度かお会いする機会をいただきました。父が大好きだったものですから、子どもの頃から先生のことは存じ上げていましたが、そのままの方でした。裏も表もなく、人と接する時はいつも笑顔でした。そんな先生と接し、私も笑顔になれるように心がけています。先生がいつもおっしゃっていたのは、「美幸ちゃん、歌というのは大衆の中から生まれるんだよ。それを忘れちゃいけないよ」ということでした。
東京力車は息子のような感じなので、今日は保護者としてまいりました(笑)。何年か前に、何気に、大阪万博の開催が決まったから歌い継ぐなら「世界の国からこんにちは」がいいんじゃない? って話したことが今回の新曲につながったそうです。先生の生誕100年の今年、先生が残されたものを大事にしながら、新しい時代の人たちが歌い継いでくれることになりました。少しは恩返しができたかな。先生も喜んでくださっていると思います。
新曲「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」にはコーラスとして参加させていただき楽しかった。大阪万博は中学生の時でしたが、地元が吹田市なので何度も行きました。その時代にタイムスリップし、父に会えたような温かい空気の中でノリノリで歌いました!
「ご縁を感じます」と話したのはご息女の三波美夕紀さん。19歳の時に三波春夫歌舞伎座特別公演にて女優デビューし、31歳からはマネージャーとして11年間、三波春夫を支えた。現在は三波春夫に関する業務全般を手がけながら、三波の歌唱法や所作を伝承するべく「三波流」を創設。流主としても活動する。
「三波春夫と一緒に歩んでくださった川中美幸さんが応援してくださって、東京力車さんが新曲を出されました。三波は出征し、終戦後はシベリアに4年間も抑留もされました。ですから復員して以降は、平和を願って歌ってきました。その三波の思いとともに、東京力車さんが『世界の国からこんにちは』を歌ってくださるのは本当にありがたいことだと思っております。生誕100年の記念日に、こうして皆さんと集まれたことはご縁です」
この日は、三波春夫の秘蔵映像が収録された4枚組DVD『決定版 三波春夫映像集』も発売された。
三波美夕紀さんは、「三波春夫の笑顔と生涯がギュッと詰まっています。ぜひ、皆さんに観ていただきたいと思います」と話していた。
三波春夫の墓前報告を終えた東京力車は、境内近くの額堂前に集まったファンを前に、奉納ライブを行った。“三波春夫×東京力車×ヒャダイン”三部作を披露した東京力車のリーダー、石橋は「曲のテーマは平和。明るい笑顔をつないでいくという気持ちを忘れないよう歌っていきます」と、熱量いっぱいに語った。
なお、東京力車は来年2月~3月にかけて大阪、新潟、東京で開催が予定されている「三波春夫生誕100年記念公演」に出演する。ほかには五木ひろしや三山ひろしらの出演も決まっている。
Q 新曲「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」にちなんで、今、握手をしたい人は?
石橋拓也は両親と回答した。また支えてくれている周囲の人とも握手をしたいという。「人生なんとかなるという気持ちで生きてきましたが、今になって、周りの人たちの力でこの場にいられるんだと感じています。周りの人に感謝しています」
白上一成は亡き三波春夫と握手をしたかったという。「もう実現はできないんですが、三波先生と握手をしたかったなと思います。歌い回しや所作なども学ばせていただきたかった」
田井裕一は、両親と握手がしたいと話した。「学生時代はなかなか感謝の言葉を伝える機会がありませんでした。今、29歳になりましたが、この年齢になって親孝行をすることが活動のエネルギーになっています。感謝の気持ちを伝えて握手し、自分は自分の道を進むという決意を改めて伝えたいと思っています」
2023年7月19日発売
三波春夫×東京力車×ヒャダイン三部作完結
東京力車「握手をしよう〜世界の国からこんにちは〜」
通常盤A
通常盤B
特別限定盤(CD+エムカード1枚)
2023年7月19日発売
三波春夫 生誕100年記念BOX
『決定版 三波春夫映像集』
初商品化となる、貴重なNHK所蔵映像も収録したDVD4枚組。現存する「NHK 紅白歌合戦」の出演映像と、”特典音声”として、初出場の『雪の渡り鳥』を始めとする貴重な音声の数々。そして「ビッグショー」「思い出のメロディー」「歌謡コンサート」などのNHK番組での歌唱映像の数々を厳選して収録。さらに、現存するコンサート映像として『歌謡生活20周年リサイタル』『芸能生活55周年リサイタル』も収録。長編歌謡浪曲やセリフ入り歌謡曲、大ヒット曲の名舞台が鮮やかに蘇る。