鳥羽一郎と竜徹日記が初の親子コンサート。夢は親子そろっての紅白出場
「昔はとてもじゃないけど、本当に照れ屋で、人の目をみて話せないんだから。照れちゃって。でも、40年もやってくると、照れというのもちょっと薄れてきたね。昔だったら、照れちゃってとんでもないよって言ってたんだろうけど、やっぱり年取ったのかなあ、一緒にやることになったよ」
来年デビュー40周年を迎える鳥羽一郎が初の親子コンサートを開催した。8月18日、神奈川県川崎にある大型ライブハウス「クラブチッタ」で、「鳥羽一郎・竜徹日記ライブコンサート2021」を行い、親子愛を見せた。
竜徹日記は鳥羽の息子、兄・竜蔵と弟・徹二が組むデュオ。今年結成5周年を迎え、9月22日にはJF共済創設70周年記念イメージソング「めぐりめぐる」をリリースする。鳥羽が「自慢です」と言うほど、竜蔵と徹二は仲がよく、兄がちょっとボケ、弟がフォローするという2人の空気感も心地いい。また竜蔵は、本名の「木村竜蔵」名義で、演歌・歌謡曲作品数多く手がけている。
竜徹日記の夢は、日本一仲がいい兄弟デュオと言われるほどに、素晴らしいステージとハーモニーを届けることだが、いつかは父親と一緒に『NHK紅白歌合戦』に出場することだという。
ライブコンサートは、元々、今年1月に開催される予定だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し延期されていた。コロナ禍で無観客配信ライブなども盛んに行われているが、鳥羽は「お客様を前にしての生歌・生バンド演奏」でのコンサートにこだわったという。
「今日は親子でやるということ以上に、久しぶりにお客さんの前で歌えることが楽しみです。自分は生のステージで育てられ、ずっとお世話になってきました。竜徹はネット配信もよくやっていますが、自分はアナログ人間。だから、やっぱりお客さんがいる前で歌うのが好きだし、それしかできない」
そんな鳥羽に対して、竜蔵は「親子共演に関しては、やりやすさは一つもないです。やりにくさしかない。普段の我々のライブはしっちゃかめっちゃかなんですが、今日は大人しくしておこうと思います」と笑わせると、徹二は「我々の力ではこんな大きな会場・編成でやらせていただくことはないので、父の力を借りてですが、多くの方に観ていただける機会になります。すごく楽しみにしています。父の力にはまだ及ばないですが、元気だけでも負けないように頑張りたい」と意気込みを語っていた。
親子三代の共演が実現
親子二代でのステージを実現したこの日、竜徹は「今度は親子三代」でのステージをやりたいと提案。しかし、「スケジュールは空いていますが、予定がない」(竜蔵)という2人は独身。鳥羽、竜徹とその子どもたちによる三代共演は当面難しそうだと、鳥羽の96歳の父親、木村伝蔵さんを加えた三代共演を実現させた。
竜蔵が祖父(鳥羽の父)の顔をプリントしたTシャツを披露すると、徹二が「あ、伝蔵さんだ!」。鳥羽は「まあ、しかし、ひどい親父ね。どうしようもない。お袋は10年ぐらい前に逝ってしまったけど、この親父のほうが絶対先に逝くと思った。とにかく、しっちゃかめっちゃかだから。打つ買うのオンパレードだもん。でも、96で驚くのは、虫歯が一本もないんだよ・・・全部、入歯だから」と、観客の笑いをとっていた。
まるで漫才!
親子3人コーナーが終わると、ここからは鳥羽のアコースティックコーナー。鳥羽は竜徹日記にステージ袖へ消えるように指示をするが、それがまた父親らしいひと言から始まる。
鳥羽 水飲んでこいや。(引き上げようとする竜徹日記に)着替えないのか?
竜蔵 着替えない。
鳥羽 そうか、俺は3回ぐらい着替えるぞ。
竜蔵 僕らはこれだけ。
鳥羽 衣裳はないのか?
竜蔵 うん。(伝蔵Tシャツを指して)この替えはあるけど。
鳥羽 あ、そう。そいじゃあ。
竜蔵 はい、また後で出てきます。
鳥羽 時間がないんだよ。おまえらしゃべりすぎ。
ライブコンサートは6部構成で行われ、鳥羽と竜徹日記が交互にコーナーを持ちながらも、親子ならではの共演ということで、ほぼ漫才のようなトークコーナーや、親子3人による歌唱を披露するなど盛りだくさんの内容。3人歌唱では「カサブランカ・グッバイ」を届けた。
同曲は1996年に鳥羽がリリースしたシングルで、「俺らしくない歌なんですけど、脚本家の内館牧子さんに書いてもらった曲」(鳥羽)。3人によるハーモニーで観客に聴かせた。
また鳥羽が「演歌船」を歌っている際に、徹二が乱入(!?)し、父の代わりに1コーラス歌うなどサプライズもあり、休憩なしの135分にも及ぶライブコンサートだったが、時間を忘れてあっという間。鳥羽が「生のステージで育てられた」と話していたように、鳥羽一郎の魅力はステージでこそ生きると再確認させられるコンサートだった。また兄弟デュオ、竜徹日記の可能性が披露されたステージでもあった。
2021年4月7日発売
鳥羽一郎「男護り船」
「男護り船」は鳥羽一郎の真骨頂、“海の男の歌”を、原譲二こと北島三郎が書き下ろした。同門の先輩・北島から鳥羽一郎40周年の前祝いとして贈られた。王道の漁師歌の中にも、どこかモダンさを感じさせる作風になっている。カップリング曲「おやじ想へば」は、父親への思いを自分が大人になって改めて切々と語る作品。
2021年9月22日発売
竜徹日記「めぐりめぐる」
「めぐりめぐる」
作詞/竜徹日記 作曲/竜徹日記 編曲/橘哲夫
c/w「夏を知る」
作詞/竜徹日記 作曲/竜徹日記 編曲/橘哲夫
日本クラウン CRCN-2903 ¥1,350(税込)
「めぐりめぐる」はJF共済創設70周年記念イメージソング。竜徹日記は2020年4月より、JF共済のイメージキャラクターを務めている(初代イメージキャラクターは鳥羽一郎)。
「鳥羽一郎といえば海のイメージが強いんですが、僕たちは漁師でもないですし、海への強い憧れもなかったんですが、父を観て育ってきて、いろんな海の町で歌う父を観てきました。ですから、子どもの頃から海との絆は感じてきました。今回、JF共済様から記念ソングのお話をいただき、海とのつながりを表現した『めぐりめぐる』をつくらせていただきました。プレッシャーもありましたが、とてもいい曲ができあがりました(笑)」(竜蔵)。楽曲制作は兄・竜蔵が骨格をつくり、弟・徹二がそこにアイデアを足し、を繰り返しながら仕上げていくという。
竜徹日記
竜蔵/兄 1988年11月29日、神奈川県生まれ。本名は木村竜蔵。高校時代から音楽活動をはじめ、18歳の時にバンドを結成。2021年、ソロとしてメジャーデビュー。
徹二/弟 1991年7月11日、神奈川県生まれ。本名は木村徹二。大学卒業後、兄に誘われ竜徹日記を結成。
竜徹日記は、兄・竜蔵と弟・徹二が組むデュオ。父親は鳥羽一郎。竜蔵は元々シンガーソングライターとして活動し、どこか日本の情景を思い起こすようなメロディーと繊細な歌詞を紡ぎ出す。「木村竜蔵」として、父・鳥羽一郎の「十国峠」や美川憲一の「愛染橋を渡ります」など演歌・歌謡曲の作曲なども手がける。一方、徹二は歌唱コンテストでグランプリを獲得した経験のあるほど、力強く針のある声が特徴。幼少のころから父親のステージを舞台袖で観て育ち、演歌・歌謡曲に憧れ、高校時代からステージに立っている。
兄弟で結成した竜徹日記は今年、結成5周年。昨年からJF共済(漁協の共済)のイメージキャラクターに抜擢され、今年9月22日には、JF共済創設70周年記念イメージソング「めぐりめぐる」をリリースする。
鳥羽が「自慢です」というほど、仲がいい2人は似ているようでどこかキャラクターが異なり、兄がちょっとボケ、弟がフォローする雰囲気の楽しい兄弟デュオだ。
竜徹日記 公式HP
竜徹日記Twitter
竜徹日記Instagram
YouTubeチャンネル「竜徹日記のうた日記」