竹島宏がチェコ親善アンバサダーに就任。チェコの伝統的な民族衣装で「プラハの橋」を熱唱し、「チェコを学び、知り、そして愛したい」
竹島宏が「プラハの橋」Cタイプ(新装盤)の発売日である3月16日、「チェコ親善アンバサダー2022」に就任した。東京・渋谷区のチェコ共和国大使館で行われた任命式に出席した竹島は、「正直びっくりしていますが、素直にうれしく思います」と笑顔を見せた。
「昨年、『第63回日本レコード大賞 日本作曲家選奨』を受賞させていただき、会場で歌わせていただいたあと、思いかけずSNSなどを通じてたくさんのうれしい反響をいただきました。そうした後押しがあり、今日、『プラハの橋』のCタイプを発売させていただくことになったのですが、歌の舞台であるチェコの親善アンバサダーに就任させていただくことになり、夢のようです」
「プラハの橋」は昨年8月に、デビュー20周年記念曲としてリリースされた。山田ひろし氏が作詞し、幸耕平氏が作曲を手がけた。
「幸耕平先生がドラマチックな、どことなくヨーロッパのにおいを感じられる作品をと、メロディーをつくってくださり、山田先生が詞を書いてくださいました。メロディーから降りてきたイメージが、山田先生が学生時代に訪れたチェコの首都プラハだったそうです。悲しい恋の歌ですが、アンバサダーに就任し、チェコへの理解が深まることで表現力も高まっていくんじゃないかなと期待しています」
任命セレモニーはチェコ共和国大使館の地下にあるミニシアターで行われ、チェコ政府観光局のシュテパーン・パヴリーク日本支局長と、マスコットのレフ丸くん(レフはチェコ語でライオンの意味)が出席した。ヨーロッパの中心に位置するため、チェコは“ヨーロッパのハート”と呼ばれており、誰もが知るロボットや角砂糖、コンタクトレンズはチェコが発祥。歴史遺産も多く、たくさんの地域がユネスコの世界文化・自然遺産(有形文化遺産15、無形文化遺産7)に登録されている。
美しいプラハの風景がスクリーンに映し出されるなか登場した竹島は「プラハの橋」を披露すると、チェコの民族衣装に着替え、レオ丸から認定書を受け取った。
「世界中が大変な状況のなか、僕にとって初めての海外アンバサダーに任命していただきました。一日でも早く、皆さんが自由に各国を行き来できるような世の中になってほしいと思っています。アンバサダーとしてチェコと近い存在になりたい。僕と同じようにまだまだチェコのことを知らない日本の方と一緒に、チェコのことを学び、知り、そして愛することができる活動をしたいと思います」
民族衣装に身を包んだ竹島にパヴリーク局長は、「チェコの人はもっと大きなお腹を持っています。もっとチェコのビールを飲んでお腹を大きくしてください」と言いつつ、誇りに思うと話した。
「アンバサダーはいろんな角度で、チェコのことを好きになってくださっていますが、竹島さんは歌を通してチェコを伝えてくださいます。竹島さんのアンバサダー就任を誇りに思います。今夜は夢を見るでしょう。その夢は『プラハの橋』の物語になると思います。サンドアートで表現された『プラハの橋』のミュージックビデオを観させていただきましたが、そのイメージの光景が夢のなかに広がるでしょう」
▲「プラハの橋」を歌う竹島宏が “帰りの切符を君に 一枚手渡したよ”のフレーズのところで、レフ丸くんに切符を渡す素振りを見せると、レフ丸くんは切符を受け取り、”なぜ?と見上げ涙零す・・・”と失意の女性を即興で演じた。「レフ丸くんの写真を見たときはかわいらしいキャラクターだと思ったんですが、今日、実際に初めて会ったら、ワイルドさとユニークなにおいを感じ、動きも楽しそうだったので、ノリでやったらノってくれました(笑)。悲しい歌なので、寸劇みたいになってしまって、あとで先生方に怒られるかもしれません(苦笑)。でも、楽しかった。また一緒にコラボできたらいいですね」(竹島)。
いつかはチェコを訪問したいと願う竹島は、「まずは(”モルダウ川に架かる橋”として、歌詞のなかでイメージされる歴史ある石造りの)カレル橋に行きたいですね。その橋の近くにあるプラハ城にも行って、窓から街並みを眺めたい。当時の人がどんな風景を見ていたのかを想像しながら」と話していたが、願いが叶ったら何をする?と尋ねられると、「世界一ビールの消費量が多いと聞きますので、まずはチェコに行ったらビールを一本飲んでから散歩したいですね」と答えた。
「いい風に吹かれながら散歩して、カレル橋の上で、さりげなく『プラハの橋』をくちずさみたい。そのとき、日本から来た人に、『あれ!? どこかで見たことがある。あっ、あの人だ!』って言われたいですね。そうなるように頑張ります(笑)」
チェコの民族衣装に「カラフルな衣装で身も心も軽くなった気分です」とも感想を漏らしていた竹島は、セレモニーの最後にもう一度、レフ丸くんと一緒にステージに立ち、「プラハの橋」を熱唱した。途中、“帰りの切符を君に 一枚手渡したよ”という歌詞のフレーズでは、即興でレフ丸くんと物語を演じ、「機会があれば、またレフ丸くんとコラボしたい」と、「プラハの橋」を通じて日本とチェコの懸け橋になる意欲を示していた。
竹島宏にとって「プラハの橋」とは?
この20年間、いろんなことを勉強・経験させていただきましたが、「竹島宏」という歌手は、花にたとえると蕾でした。その蕾だった「竹島宏」という花を開花させてくれた最初の歌が「プラハの橋」じゃないかという気がしています。作家の先生方には「焦らずじっくり歌っていってほしい」と言われました。この先も歌手としていろんな新曲をリリースさせていただくでしょうが、この「プラハの橋」はいつかもっと大きな花を咲かせてくれる曲だと思っています。流行歌はヒットさせないといけないという大きな宿命を持っています。僕自身、「プラハの橋」とともに成長し、本物の歌唱力を身につけられる歌手になれるよう頑張りたい。20周年の節目に「竹島宏」の花を咲かせてくれた一曲として、長く歌っていきたいと思います。