石原詢子

石原詢子が春の吟詠会で歓びの吟声を披露。詩吟揖水流の家元として念願の初吟会を東京・大阪で開催

石原詢子が主催する吟詠会「揖水流詢風会(いすいりゅうじゅんぷうかい)初吟会2022」が3月22日に大阪会場、同25日に東京会場で開催された。

演歌歌手として活躍する石原は、亡き父から受け継いだ詩吟流派、揖水流の家元として指導にもあたる吟詠家でもある。

幼いころから家元である父から詩吟の指導を受けてきた石原は1988年に演歌歌手デビュー。カラオケファンの絶大な支持を受けたヒット曲で過去2回のNHK紅白歌合戦への出場を果たしている。

そんな石原のもうひとつの顔が詩吟の家元だ。揖水流宗家の長女として生まれた石原は、亡き父親の遺志を継ぎ、演歌歌手としての活動を続けながら自らが師となり2018年に東京、大阪を拠点とした詩吟教室を開講した。

2020年には、新型コロナウィルス感染拡大によって対面での講義を行うことが難しくなり、その苦境に屈することなく講義を継続すべくオンライン授業のクラスを新設、新たに“初心者クラス”も開講した。これによりこれまで東京・大阪の教室に通えなかった地域の方も参加ができるようになり、受講者も全国的に増えたという。

教室は、健康維持を目的とした「趣味・健康クラス」と、吟詠能力の向上を目指す「上達クラス」、更に上級の師範を目指す「育成クラス」の3クラスがある。それぞれのクラスの生徒の練習の成果を発表する場が今回開催された「初吟会」だ。

石原詢子

生徒の席に交じって舞台を見守る石原詢子。

石原詢子

生徒の吟詠を真剣な眼差しで見つめる石原詢子。

東京、大阪の2会場では、石原の指導を受けた全国の詩吟愛好家約50名が晴れの舞台で自慢の喉を披露した。コロナ禍の約2年間は対面授業が難しく、慣れないリモート教室での指導が中心となっていたが、教室に参加した生徒は今回の「初吟会」に向けそれぞれが指導のもと自主練習を重ね、その成果を発揮。素晴らしく晴れ晴れしい、春にふさわしい華やかな会となった。

コロナ対策のため、参加者全員で一斉に詩吟を吟ずる、吟詠会恒例の迫力ある合吟はできなかったが、締めくくりに家元の石原が力強い詩吟で心を惹き付け、会の更なる発展を約束。参加者たちは心をひとつにした。

吟詠会の参加者は、家元としての石原詢子への印象を「優しくて懇切丁寧に教えてくれる」「厳しさの中に優しさがあるので毎回頑張ろうと思える」「リモートでも壁は全く感じさせず本当に丁寧な指導で、詢風会での詩吟はオススメです」と語り、今後の目標として「武道館で吟じること」「自身の住む地域に支部を作って詩吟の奥深さ、楽しさを広めたい」「師範になって教えられるようになりたい」など、それぞれに高い志を持って詩吟に臨んでいる様子がみせた。

石原詢子

石原詢子は、詢風会家元として挨拶。「詩吟の世界で活躍できるような若い世代がこれから先、育ってくれることが今の目標」と話した。

石原は、「多くのみなさまが詩吟に興味を持っていただき、今まで続けてきてくださっていることがとてもうれしいですね」と気持ちを述べていた。

「詩吟の奥深さ、楽しさが少しでもみなさんに伝わっているのかなと思うと、これからますます頑張らないと! と思います。詩吟教室に参加してくださるみなさんはとても熱心な方が多いので、みなさんがこれまでたくさん練習してきたことの結果と披露できる歓びを感じることができた今回の初吟会で、改めて私自身のモチベーションも高まりますし、もっと多くの方に詩吟を知っていただきたい、もっと詩吟の良さをうまく伝えたいという欲が出てきます。
今後は若い世代、特に今の子供たちにも日本古来の伝統である詩吟に興味を持ってもらうために、10代の方に無料で詩吟教室を体験してもらいたいと考えています。大会出場や師範として詩吟の世界で活躍できるような若い世代がこれから先、育ってくれることが今の目標です」

コロナ禍の下、歌手活動の制限を余儀なくされる中、シンガーソングライター・古内東子提供の楽曲「ただそばにいてくれて」を発表し新境地を開拓した石原詢子。最近ではSNSで発信する2匹の愛猫との生活が話題にもなっている。

いよいよ今年10月からデビュー35周年の年を迎える。自らの好奇心やスキルを生かして精力的に活動する石原の今後にも注目したい。

《石原詢子 詩吟略歴》
昭和50年
第19回中部九県詩吟大会中部幼少年の部優勝
昭和51年
第20回中部九県詩吟大会少年の部優勝
昭和52年
第21回中部九県詩吟大会少年の部優勝
昭和53年
日本コロンビア詩吟音楽会中部幼年の部優勝
日本コロンビア詩吟音楽会全国大会最優秀賞受賞
昭和55年
師範代任命
昭和56年
財団法人日本詩吟大会少年の部岐阜地区優勝
財団法人日本詩吟大会少年の部中部地区優勝
財団法人日本詩吟大会少年の部全国大会第7位入賞
全国吟道祭中部地区代表
昭和58年
財団法人日本吟詠大会青年の部岐阜県優勝
財団法人日本吟詠大会青年の部中部地区3位入賞
平成30年
家元継承

《石原詢子プロフィール》
岐阜県出身。詩吟揖水流家元の長女として生まれ12歳で師範代となる。1988年演歌歌手デビュー。有線音楽賞など数々の賞を受賞し、大ヒット曲「みれん酒」、「ふたり傘」で2度のNHK紅白歌合戦出場を果たす。日本作曲家協会ベストパフォーマンス賞を受賞した「ただそばにいてくれて」が好評発売中。歌手活動の傍ら、大阪・東京にて詩吟教室を開講。
岐阜県「ひだ・みの観光大使」、北海道「江差町観光大使」

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