美空ひばりの常設展示が埼玉にオープン。美空の元・家庭教師が設置。サイン練習ノートや着物などを展示
平成元年6月24日に亡くなった国民的歌手・美空ひばり(享年52)の思い出の品を常時展示する「中村隆俊記念館『美空ひばり常設展示』」が埼玉県戸田市にオープンすることになり6月30日、同所でお披露目式が行われた。
中村隆俊記念館は、健診のために建てられた施設「戸田中央総合健康管理センター」の中にあり、同医療グループの創始者である中村隆俊さん(93)=戸田中央医科グループ会長=の功績などが展示されている。また、若き陶芸家を育成してきた中村夫人・悦子さんの監修で、現代陶芸作品なども展示されており、健診に訪れた人たちの目を楽しませている。
そこに今回、新たに美空の着物などを飾った「美空ひばり常設展示」コーナーが設けられることになった。
中村さんは、北海道大学医学科を卒業後、東京医科大学インターン生の時、美空の家庭教師を3年間(小学校6年から中学3年まで)にわたって担当し、主に国語、数学、英語を教えていたそうで、美空の地方ロケや巡業が増えていくにしたがって、勉強を教える場所はいつも巡業先が多くなったという。
そんな2人の生い立ちをはじめ、フォトスクリーン、映画作品の数々の写真、当時、美空がサインを書く練習をしていたノート、美空から中村さんに送られたサインなどが展示される。
お披露目式には美空の長男で、ひばりプロダクションの加藤和也社長も出席し、オープンのお祝いに美空の着物を寄贈し、感謝の言葉を述べた。
「逃げ場のない医療従事者の皆さまへ、母からの感謝とエールの気持ちを、大好きだった中村先生の記念館で形にしていただき母も喜んでいることと思います」
中村さんはリモートで参加し、「いまもなおコロナ禍で緊張と不安が続く中、当グループ医療機関に多くの地域の方や関係の皆さまより励ましのお言葉や物資のご寄贈をいただき、職員にとっても大きな励みになり、患者さまのために頑張る気概を呼び起こしてもらいました」と話した。
「そんな中、私にも頑張る気概を呼び起こしていただけるような出来事がありました。それは、加藤和也さんが私のところに陣中見舞いにお越しいただき、本日、皆さまにもご覧いただける、ひばりちゃんの遺品、お着物をご寄贈くださったことです。この着物を肌に当ててみました。すると、医療に従事し始めて最大の苦難を迎えている私に、子どものひばりちゃんが『頑張って、先生。まだまだこれからたくさんの人を助けてちょうだい』と元気づけてくれるのを感じました」
「中村隆俊記念館」(戸田中央総合健康管理センター)
埼玉県戸田市上戸田2-32-20