男石宜隆、力強くしなやかに

”竹の花”を見たことがあるだろうか。120年ごとに咲くと言われ、咲いたら一斉に枯れてしまうことから不吉な前兆を表すと言われている。しかし大地の奥底でつながっているその根は、再び生命を育み、また長い年月を経て新たな花を咲かせるのだ。
その「竹の花」をタイトルに掲げた新曲で、男石宜隆は竹のようにまっすぐに、そして永遠に、愛する人への思いを貫き通す女性の激しい情念を、力強くしなやかに歌い描く。

二胡の音色に導かれ歌う
天を貫くように一途な愛

 

――前作「閨(ねや)の月影」は、“月”がテーマの琵琶の音など和の雰囲気が漂うダイナミックな作品でした。昨年一年間歌われてきていかがでしたか?

男石 大ファンである岡 千秋先生に作曲をしていただいた念願の作品でしたが、最初は難しい曲だなと思いましたね。自分が納得できるまで練習や勉強をして、徐々に手ごたえをつかんでいった感じでした。カラオケやイベントでも予想以上に本当にたくさんの方に歌っていただいて、キャンペーンでは「こんなにいい曲、衝撃やったわ!」なんてうれしいお声もいっぱいいただいて、とても励みになりました。

――新曲「竹の花」も前作同様、岡先生と、男石さんの師匠である作詞家の円香乃先生、編曲家の伊戸のりお先生ご夫妻による作品です。

男石 前作は琵琶や角笛など和楽器がメインでしたが、今作は円先生の発案で二胡を取り入れたオリエンタルな雰囲気の作品になりました。美しい音色の二胡は、女優としても活躍されている二胡奏者の土屋玲子さんが演奏してくださり、とても光栄でした。オケ録りの時は本当に感動しましたね。伊戸先生、どれだけ力を入れてくださるのかと……。その壮大なアレンジで彩られたメロディーに乗せて、竹のように120年間花が咲く日を思いながら一途に愛し続けるという女性の強い情念を歌っています。

――じつは……竹に花が咲くことを知りませんでした。男石さんはいかがでしたか?

男石 今回は円先生から「“竹”をテーマにした曲にしたい」とうかがっていたので、どんな曲になるのかな?って思っていたら、タイトルが「竹の花」。初めは僕も、「何?竹の花?知らないぞ!」と(笑)。4月に大阪の池田市で120年ぶりに咲いたというニュースをたまたま観て、初めて竹の花を見ましたね。花が咲くと竹林がすべて枯れてしまうことから、不吉の前兆とも言われているんだそうですが、見方を変えればその土地にまた新たな生命が息づくことになる。前作の「閨の月影」も一見難しい言葉でインパクトがありましたし、他にないようなタイトルというか、今回も皆さんに「え?竹の花?」って思ってもらえて、印象に残るような曲をいただけたことはありがたいなと思っています。

――この曲の歌唱について、とくに意識したというポイントはありますか?

男石 岡先生からもアドバイスをいただいて、今回はこれまでとは全然違う歌い方をしました。今までの女唄では、ちょっと抜きながらしっとりと歌うことが多かったんですね。ですが、この曲では切ない部分を出しながらも、竹が一本まっすぐ空に向かって伸びているように愛を貫こうとする女性の気持ちを力強くしっかり歌っています。とくに、出だしの“竹”と最後の“竹”に力を込めて、テーマである“竹”という言葉を大切に、芯のある歌い方を意識しました。

――カラオケで歌う際にも、そこがポイントですね。

男石 そうですね。しっかりと言葉を前に出して力強く歌ってください。でも、切ない言葉のところはちょっと抑えて。あとは、ロングトーンが2回続いたりして多いんですね。なので途中からのブレスに気をつけて、ロングトーンがしっかり伸びていくように。難しい曲ですけど、歌い切ったらすごい気持ちのいい、満足感のある曲なので、ぜひたくさんの方に覚えて歌っていただきたいですね。

――c/w「ヤバイ・・・」についても聞かせてください。

男石 僕のオリジナルの中にない新しいタイプの曲です。僕の曲って別れの歌とか切ない女性の気持ちを歌った歌が多いので、全体的にちょっと暗めなんです(笑)。なので、ショーのいちばん最後やアンコールで歌えるような、明るくてノリのいい曲を作ってほしいです、と希望を出して岡先生に作っていただきました。

――サビの「ヤバイ ヤバイバイバイ…」がキャッチ―で楽しいですね。

男石 今の時代に合っている感じでいいのかな(笑)。振り付けをつけて、サビをリフレインしてお客様に楽しんでもらえたらと思っています。

――2曲とも、男石さんにとってまた新たな挑戦になりましたね。

男石 そうですね。どちらの曲も一生懸命歌って、しっかりと聴いてくださる皆さんの心に届けたいです。


2020年8月19日発売
力強く一途な愛を貫く
男石宜隆「竹の花」

「竹の花」  
作詞/円 香乃 作曲/岡 千秋 編曲/伊戸のりお  
c/w「ヤバイ・・・」  
作詞/円 香乃 作曲/岡 千秋 編曲/伊戸のりお  
テイチクエンタテインメント TECA-20043 ¥1,227+税

前作「閨の月影」がセールス、カラオケチャート上位にランクインし、注目を集めた男石宜隆。2020年の勝負曲は、120年ごとに咲く竹の花に相手を一途に思い続ける女性の情念を重ねた、二胡の音色がオリエンタルかつミステリアスな雰囲気を醸し出す一曲。一方c/wの「ヤバイ…」は、かつてポップスを歌っていた男石ならではのリズム感で、恋人に振られる男性の悲哀を明るく歌う。


Profile
男石宜隆(おいし・のぶたか)
6月23日、兵庫県生まれ。2012年に自身が作詞・作曲を手がけた「貴船川恋歌」で歌手デビュー。2016年、「大阪泣かせ雨」で豪華作家陣を迎え、テイチクエンタテインメントより待望のメジャーデビューを果たす。2017年「大阪ひとり酒」、2018年「大阪みれん花」の”大阪シリーズ三部作”を経て、昨年大ファンである岡 千秋氏作曲の「閨の月影」を発売。特技は料理。調理師免許を持ち、プロ顔負けの腕前をブログにて披露している。また、最近のストレス発散法は筋トレ。”脱いだらスゴイ”身体を目指し日々取り組み中。

【WEB情報】

 

 

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