実川長生 妻に捧げる純愛恋歌「おまえのおかげ」
整体師と歌手の二刀流。
群馬県をベースに精力的に活動を続ける実川長生。
初めて目にした東京は少年の心を揺さぶり、実家を出て夜学の高校で学びながら芸能の世界へという‶夢〟を実川長生にもたらした。1970年に東京宝映への足掛かりをつかみ、その後、いくつかの劇団や養成所に通い、実川は芸能の道を進んだ。当時の友人のひとりに松平健がいる。
当初は歌も志していたが大野剣友会と出会ったことで、実川はアクション俳優へと進み、その世界で頭角を現していく。「キーハンター」や「プレイガール」「刑事くん」など人気TVドラマへ次々と出演。その後、戦隊モノ番組ではスーツアクターの草分けとして「仮面ライダー」や「秘密戦隊ゴレンジャー」で、さまざまな空中アクションを担当した。
仕事は順調だったが「いつまでもアクションでは続かないだろう」と思い、実川は長生学園へと進学し、整体師の国家試験に向けて勉学に励むこととなる。この当時、実川は出場した歌唱コンテストで優勝し、作曲家・市川昭介氏と出会い、しばらく市川門下生として師事する。しかしこの後、実川は芸能の世界から身を引き、群馬県沼田市で整体師として生活してきた。
2016年の初夏、長年連れ添った妻の急逝から一周忌を経て、実川は歌手としての第二の芸能生活をスタートさせた。「突然逝ってしまった妻が、僕の歌手デビューを後押ししてくれたと思っています。『おまえのおかげ』はそんな妻への感謝の気持ちを込めた作品です」。感謝の気持ちを胸に、実川は整体師と歌手の二刀流で歩を進めていく。
実川長生 最新CD
「おまえのおかげ」
37年間連れ添い急逝した奥様への感謝の気持ちを綴った「おまえのおかげ」は、実川がペンネーム“Y・アット”名で作詞、これに共感した小田純平が曲を付けた。「レコーディングの際には、妻の写真を譜面台に置いて語りかけるように歌いました。カラオケでは、ぜひ語るように心がけてください」と言う。c/wの「お大事に Part2」は、デビュー作のリメイク。世の中が明るくなるように、との願いが込められている。
実川のもうひとつの活動の場
「長生療院」
実川は、歌手として活動する傍ら日本長生医学会の会員として脊髄矯正師としても活躍している。「親族に現役の整体治療師が6名、整形外科医1名がいる治療一家」とのこと。実川自身は、本名の湯川泰男の名で群馬県沼田市において「整体 長生療院」で患者さんに対応する日々を過ごしている。写真のポメラニアンは、愛犬のテン。治療院では患者さんに癒しを与えるマスコット犬として実川を支えてくれている。
Profile
実川長生(みのりかわ・ちょうせい)
11月4日、新潟県十日町市出身。1970年に東京宝映や劇団フジに在籍し芸能活動をスタートさせる。その後、大野剣友会と出会い、アクション俳優としてのキャリアを積み重ね、「仮面ライダー」や「秘密戦隊ゴレンジャー」などでスーツアクターの第一人者として活躍する。その後、一時、芸能界から身を引き整体師を生業としてきたが、2016年に「お大事に」「別れの夜曲」で歌手デビュー。現在は積極的に老人ホーム慰問など活動している。