
祝・芸道45周年。細川たかし、8カ月ぶりのステージでエネルギー全開!
細川たかしが9月4日、東京・北とぴあ さくらホールで、愛弟子の杜このみ、彩青とともに「チーム細川 スペシャル歌謡ステージ」と題した「芸道45周年記念コンサート」を開催した。
1975年に「心のこり」でデビューしてから45年。「北酒場」(1982年)「矢切の渡し」(1983年)で、『日本レコード大賞』2連覇を成し遂げ、「浪花節だよ人生は」(1984年)では『日本レコード大賞』最優秀歌唱賞を受賞し、史上初の三冠を達成するなど、数々のヒット曲を輩出し、日本中で愛される国民的歌手として第一線で活躍してきた。
今年は45周年という節目の年だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、1月18日に行われたコンサート以来、およそ8カ月ぶりのステージとなった。会場のキャパシティは1,300名だが、コロナ感染予防策(ソーシャルディスタンス)を意識して、前後左右の座席を空けて半分の650名を動員。また、今回は細川も初体験となるコンサートの有料生配信も行い、来場できないファンへもネットを通してパワフルな歌声をリアルタイムで届けた。

記者会見は終始笑いが起こる和やかな雰囲気の中進み、フォトセッションでは「45!」と指でポーズを決め、笑顔で応じた。
「非常に楽しみ。なんと言っても8カ月ぶりなので、歌詞が怪しい(笑)。間違えたらやり直すので、その辺りは記事に書かないように(笑)」
と、公演前の記者会見ではユーモアたっぷりに話していたが、本番では”圧巻”のパフォーマンスを見せた。
愛弟子二人と揃って登場し、3人で「浪花節だよ人生は」を歌いオープニングを飾ると、杜の呼び込みで天井より大きなくす玉が細川の目の前へ。細川がひもを引きくす玉が割れ、”祝 細川たかし 芸道45周年!”の垂れ幕が現れると、感激する細川を盛大な拍手が包み込んだ。
そして、ここからはたたみかけるように、誰もが知る細川のヒット曲のオンパレード。
「北酒場」「心のこり」「矢切の渡し」、そして「佐渡の恋唄」(1991年)「女の十字路」(1976年)と続き、序盤から客席は熱気で満たされた。

「こんな大変な時期ではありますが、ご来場いただけた皆様、配信をご覧いただいている皆様に感謝を申し上げます。これをきっかけに早く日本が元気になれるようにがんばりたいなと思っています」と、話し豪快な歌声でエールを送った。
続いて、杜が2013年のデビュー曲「三味線渡り鳥」「残んの月」(2017年)、昨年のシングル「王手!」、今年6月17日にリリースされた、佐渡島を舞台に故郷への思いや切ない青春時代の恋の思い出を描いた「郷愁おけさ」を熱唱した。

「このステージにはひとりではなく二人で立っています。まだ性別はわからないのですが将来がすごく楽しみです」。来年の2月に出産を控えているという杜。母となり、いちだんと輝く女性となってステージに戻ってくる日が楽しみだ。
姉弟子の杜のバトンを受けて登場した彩青は、デビュー曲「銀次郎 旅がらす」を尺八を吹きながら、さらに今年5月にリリースした2作目「津軽三味線ひとり旅」では、津軽三味線の演奏とすばらしい歌声を披露した。

5歳から民謡で鍛えた歌唱力と、尺八・津軽三味線の見事な演奏。先週末(8月29日)18歳になったばかりとは思えない彩青の姿に、細川も目を細めて見守っていた。
その後も、細川の師匠である三橋美智也が創設した民謡三橋流の名取でもある3人が、三橋の名曲や津軽民謡を歌い上げ、最後は細川の魅力が存分に凝縮されたひとり舞台へ。
1949年に発表された、今話題の古関裕而氏作曲の名曲をカバーした芸道45周年記念曲第1弾「2020(ニーゼロニーゼロ) イヨマンテの夜」から始まり、「北緯五十度」(1988年)、記念すべきコンサートのトリを飾ったのは、言わずもがな細川の代名詞ともいえる代表曲「望郷じょんから」。
弟子の彩青らが奏でる津軽三味線の音色にシンクロするように、「これでもか」と真っ向勝負を挑むように、歳を重ねてなお磨きのかかる伸びやかな歌声を轟かせて、締めくくった。
「45周年は、”細川たかし”にとっては単なる通過点。ひたすら歌ってきて、明るくヤッホーと言っているうちに45年が経ったと(笑)。振り返りはしません。今年は70歳。あと10年したら80歳、55周年。そこに向かってこの10年間、前進していきたい。それと、これからは若手の発掘や育成にも力を入れていきたいですね。若い子たちに演歌を歌ってほしい。人生100年時代ですから、体に気をつけて声が出るかぎり、歌っていきたいと思っています」
最後までエネルギー全開! 8カ月ぶり、そして今年古稀とは思えない心を揺さぶる貫禄の歌声。時間を忘れさせる迫真のステージだった。
2020年4月23日発売
芸道45周年記念曲第1弾
細川たかし「2020(ニーゼロニーゼロ)イヨマンテの夜」

「2020 イヨマンテの夜」
作詞/菊田一夫 作曲/古関裕而 編曲/西村真吾
c/w「津軽山唄」
青森県民謡 編曲/佐伯亮
日本コロムビア COCA-17758 ¥1,227+税
1949年に古関裕而氏の作曲で伊藤久男が歌った昭和初期の名曲が、2020年、令和の世に細川たかしの魂の叫びとともに蘇る! 現在行っているツアーのメイン楽曲として細川たかしがカバー歌唱したところ問い合わせが多く寄せられたため、今回のCD化が実現した。「イヨマンテ」とはアイヌの儀礼のひとつで、アイヌ語で「熊祭り」を表しているという。
2020年6月17日発売
杜このみ「郷愁おけさ」

「郷愁おけさ」
作詞/久仁京介 作曲/四方章人 編曲/南郷達也
c/w「云わぬが花よ」
作詞/久仁京介 / 作曲/四方章人 編曲/南郷達也
テイチクエンタテインメント TECA-20029 ¥1,227+税
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杜 このみ、郷愁を心で歌い上げる
2020年5月13日発売
彩青セカンドシングル「津軽三味線ひとり旅」

「津軽三味線ひとり旅」
作詞/冬木夏樹 作曲/四方章人 編曲/伊戸のりお
c/w「十勝馬唄」《北海道民謡》 尺八/高橋織山
日本コロムビア COCA-17748 ¥1,227+税