
エネルギッシュ! 彩青!! 全国に元気、勇気、笑顔を届ける
彩青のセカンドシングル「津軽三味線ひとり旅」。2021年2月には「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番(おはこ)”盤として最新盤がリリースされたが、三味線の立弾きが映える楽曲で、イントロからわくわくする。最近、ようやく歌手になったという実感がわいてきたという彩青は、師匠・細川たかしから与えられたこの曲で、エネルギッシュに邁進している。
初出:ミュージックスター 2020年7月号
「津軽三味線ひとり旅」で元気、勇気、笑顔を届けたい
民謡の申し子と呼ばれた12歳の彩青少年は、ラジオ番組に出演した際、宝物は何かと尋ねられ、「見えるものでは三味線です。見えないものでは歌です」と答えた。5歳の時に民謡を始めて以降、とくに歌は彩青のすべてだった。
「そんなことを言っていたんですね。でも、今も変わりません。歩いていても、お風呂に入っていても、うれしい時も、悲しい時も歌っています。喜怒哀楽が歌。体が歌でできていて、歌をとったら彩青じゃない。歌がないと生きていけません」
北海道にいる時は、お風呂に入りながら爆音で歌っていたと笑う。2019年6月、演歌歌手として16歳でデビューした彩青は、期待の新人として、デビュー曲「銀次郎 旅がらす」の歌の世界と同じように全国を旅して回った。
「怒涛の一年でした。こんなにも早く、また6月を迎えるのかって。去年の暮れには『日本レコード大賞』の新人賞をいただきましたが、その時も、まだ1カ月ぐらいしか経っていないんじゃないか。それなのに、もう、こんな大きな舞台に立っているのかと錯覚するほどでした」
全国をキャンペーンで回りながらも、師匠である細川たかしの舞台にも上った。多忙だったが、充実感もあった。地方ならではの食事も楽しめたし、名古屋では初めて「ひつまぶし」を食べて感動した。何より勉強になった。
「初めて師匠の舞台に立たせていただいたのは、デビュー直前だったのですが、何をしゃべったのかもわからないぐらい、緊張でいっぱいでした。もちろん、今も満足することは少ないのですが、『ここはこうした方がいいよ』とか、『今度はこんなところに気をつけて』とか、師匠からはいろいろアドバイスをいただきまして、おかげで少しは度胸もつきました」
得意の三味線を弾いていても、拍手が来るタイミングでお客さんの三味線に対する理解度を察知して、わかりやすく盛り上がる弾き方をしてみたり、トークでお客さんの反応を見て工夫してみたりなど、ただ歌うだけではなく、観客をひきつける術も少しずつ身についてきたようだ。
師匠・細川たかしが課した勝負曲「津軽三味線ひとり旅」
そんな彩青に、師匠の細川から課題が出された。デビュー2年目の勝負曲「津軽三味線ひとり旅」だ。
「ちょっと難しい歌だけど、いい歌だからチャレンジしてみようか、と渡されたのがこの曲でした」
雪がしんしんと降り、涙が氷柱(つらら)になるほどに、寒さが厳しい土地、そんな津軽地方を門付け(かどづけ)(大道芸の一種。家の門口に立って芸能を見せ、米や金銭を得る芸能者)として、津軽三味線を弾きながら旅をする若者の歌だ。15歳で故郷を離れた流れ旅。旅をつづけながらも、「無事で暮らしているだろか」と、故郷の両親を思っている。
「故郷の思い出が蘇ってくるような曲調で、僕の故郷である北海道・岩見沢の風景が思い出されます。歌詞のほうも冒頭から情景が浮かんできます。雪の多い津軽と同じように、岩見沢も豪雪地帯で、冬と言えば雪の思い出しかないぐらいです。小さい時から故郷を思う歌が好きだったこともあり、この曲を歌わせていただけることがうれしかったですね」
だが、「津軽三味線ひとり旅」は、たとえばギター片手に旅をして、町々での出会いを楽しむ、というような現代の話ではない。三味を弾かないと生きていけない青年の、高橋竹山を思わせる物語だ。
「昔の津軽では、麻疹(はしか)をこじらせて目が見えなくなってしまう人が少なくなくて、男性の場合、盲目の旅芸人として全国を門付けしたと聞きます。高橋竹山先生のことは、小さい時からいろんな映像を見てよく知っています。津軽も北海道も、瞼が凍って開けなくなるぐらいに寒い。そんな中でつらい旅をして、涙が出てくるくらいの時でも、三味線を弾いて歌わないと生きていけなかった時代の話です。僕自身にそんな厳しい経験はありませんが、昔の大変だった時の記憶をなんとか伝えていきたいと思っています」
高橋竹山とは、津軽三味線を全国に広めた第一人者。青森県の生まれで、幼少期に麻疹の合併症で目がほとんど見えなくなり、15歳で門付けに。16歳からはひとり、北海道や東北地方を門付けとして回った。北島三郎の大ヒット曲「風雪ながれ旅」のモデルとなった人物だ。
「まだまだ研究中です」と言いながら、彩青は情景豊かに新曲を歌っている。
「頑張れよって、歌で背中を押せるように歌いたいと思います。竹山先生の言葉で言えば『まあ、いべか』『ここでぐだぐだしていてもしかたがねえ、次にいくべ』と。この歌には、そんな思いが込められているのかなと思います」
数々の民謡大会で優勝してきた彩青は、「やっと歌手になったんだと、最近になって実感がわいてきました」という。
「じつは両親が福祉の仕事に従事していまして、僕も小さい頃は、将来は福祉の仕事をしようと思っていたことがあります。でも、父が『彩青には歌がある。歌の福祉という考え方もあるよ』って。本当に歌手になったと思えるからこそ、またこんな時(コロナ禍)だからこそ、少しでも歌の持つ力で日本を元気にしたいと思っています」
演歌歌手・彩青。三味線の立弾きで「津軽三味線ひとり旅」を歌い、元気、勇気、笑顔を全国に届ける。
写真=長谷川秀司
七味唐辛子
三味線、尺八、歌。三刀流の彩青だが、秘密(!?)の必需品がある。それは七味唐辛子。元々、鼻が詰まりやすいこともあるそうだが、そんな時は七味唐辛子を食べる。すると鼻がスーっと通るのだという。「一味唐辛子だと辛すぎるので、黒ゴマの入った七味唐辛子を小さなボトルに詰め替えて、いつも持ち歩いています。着物の袖に入れていることもあります」(彩青)。
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彩青、三刀流の真骨頂~「津軽三味線ひとり旅」の“青春十八番”盤をリリース
2021年2月3日発売
彩青の歌声が心に響く
彩青「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番(おはこ)”盤

「津軽三味線ひとり旅」
作詞/冬木夏樹 作曲/四方章人 編曲/伊戸のりお
津軽三味線/彩青
c/w「銀次郎 旅がらす」
作詞/高田ひろお 作曲/四方章人 編曲/伊戸のりお
c/w「ソーラン節」
北海道民謡
津軽三味線/彩青
INFORMATION
「銀次郎 旅がらす」&「津軽三味線ひとり旅」カラオケレッスン情報
彩青の十八番2曲のカラオケ講座が日本コロムビアのHPに掲載されている。カラオケ好きは参考にしよう!!
URL https://columbia.jp/artist-info/ryusei/info/73627.html
2021年6月26日開催! 参加者募集中!!
彩青の「歌い者です!」カラオケ大会2021
彩青のデビュー日である6月26日に「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番(おはこ)”盤の発売を記念したカラオケ大会が開催される。当日は彩青の生演奏をバックに歌唱できるほか、彩青ミニライブも行われる。
【カラオケ大会応募方法】
2月3日発売のシングル「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番”盤のCD内に封入されているカラオケ大会応募用紙に必要事項を明記して切り取り、「銀次郎旅がらす」、「津軽三味線ひとり旅」のいずれかの歌唱を「カセットテープ」もしくは「CD-R」に録音し指定の住所へ送る。
審査を通過した10名が、2021年6月26日(土曜日)に都内で行われる決勝大会に参加できる。
応募締切は2021年5月10日(月)消印有効。
当日の様子は配信されるほか、大会の観覧者も同時募集している。応募方法は「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番”盤 のCD内に入っている告知、および日本コロムビアHPをご覧ください。
URL https://columbia.jp/artist-info/ryusei/info/73548.html
profile
彩青(りゅうせい)
2002年8月29日、北海道生まれ。5歳から民謡を、7歳から津軽三味線を始める。尺八は小学校3年生の頃、父親の影響で吹くようになり、細川たかしに師事した11歳より本格的に学ぶ。民謡での受賞歴は多数。民謡三橋流の名取(三橋彩青)。2019年6月、「銀次郎 旅がらす」でデビュー。2020年5月にはセカンドシングル「津軽三味線ひとり旅」をリリースしたが、コロナ禍でキャンペーンなどができず、多くのファンに歌声を届けられなかった。そこで彩青の魅力を再確認してもらうべく、2021年2月、カップリングにデビュー曲と、得意の民謡「ソーラン節」の2曲を収録した「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番”盤 を発売。手先が器用で、趣味のひとつは裁縫。最近は尺八づくりにも挑戦している。
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