出光仁美が“海外武者修行”で学んだ成長を披露したライブを開催。NHKの番組でエジプトに1カ月滞在した報告&新曲披露で、「これからも歌を大切に」
“日本コロムビア創業100周年記念アーティスト”としてデビューして今年で14年目を迎え、最新シングル「大川くだり」が好調の出光仁美が12月13日、東京・目黒区のライブハウス、中目黒トライで「出光仁美ライブ~エジプトから無事帰還&新曲『「大川くだり』お礼ライブ~」と銘打ったライブを開いた。
この日は、1カ月もの長期にわたるエジプト滞在から帰国し、新曲を発売したことを記念して行った今年最後のライブで、今年一番の話題は、8月18日放送のNHK総合テレビ「崖っぷちさん 世界のどこかで再デビュー」に出演し、大きな反響を呼んだことだ。
同番組は、「もう日本では芽が出ない」とか「仕事がない」と嘆く歌手が世界に出て再デビューを目指す実験的ドキュメントバラエティーで、出光はエジプトを訪れ、そこでイスラム教の文化である犠牲祭に参加したり、レコードショップを訪れたり、現地の人たちに演歌を聴かせるなどして多くの貴重な体験をしてきた。
会場には、約50人の熱烈なファンが詰めかける中、「今日は始まるまでドキドキしていましたが、皆さんお一人おひとりの顔を見てホッとしました。今日はエジプトでのご報告を含めて、たっぷりと歌わせていただきますので最後までお付き合いください」と笑顔であいさつ。
オリジナル曲「あいたか橋で」をはじめ、冬にちなんだ名曲から都はるみの「北の宿」、新沼謙治の「津軽恋女」、赤穂浪士討ち入りをテーマにしたオリジナル曲「男 安兵衛・喧嘩華」、エジプトで自身のスマホで撮影してきた写真の数々をスライドで紹介しながら一部、アラビア語を交えてのオリジナル曲「愛(かな)しゃ 愛(かな)しゃ」、エジプトでも人気のある日本のアニメソングから高橋洋子の「残酷な天使のテーゼ」、母親が好きだという森昌子の「おかあさん」などを披露。
また、同ライブの目玉でもある客席から選ばれたファン10人をステージに上げ、一人ひとりの似顔絵を1コーラスの時間内で描きながら「夢色ラプソディー」(コロムビア・ガールズ・コレクション)を歌い上げ、客席は大盛り上がり。モデルになった人たちは「よく似ているよ」と絶賛していた。
後半は、オリジナル曲から「東京しぐれ」「涙のお酒」「六甲の女」、そして最新曲「大川くだり」、アンコールで同新曲のカップリング曲「おいらの船は300とん」など全21曲を熱唱し、最後まで客席を楽しませた。
その中で、エジプトでのロケで「音楽は国境を越えることを肌で感じた」と実感し、「一番うれしかったのは、歌を歌ったとき、(現地の人たちと)心が通じたこと。一番残念だったのは、ゴールを目指すには時間がなかったこと。そして、今回のエジプト行きで『勇気を持って行動すること』を一番学びました。この1カ月間の貴重な体験は、私自身の歌にも大きなプラスになっています」と喜んでいた。
来年は、デビュー15周年を迎えるが、「これからも自分にしか歌えない歌を大事にして歌っていきたい」と張り切っていた。