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半田浩二

半田浩二が還暦をファンと祝う。恒例のバースデークルージングで新曲「しあわせでいような」を披露。今は亡き師匠・中山太三郎への誓い

半田浩二が7月23日、バースデークルージング「半田浩二とグーな時間(とき)」を開催した。2009年から続く恒例のクルージングだったが、コロナ禍による休止が続いていたため3年ぶりの航海となった。

この日、半田は還暦の誕生日を迎えた。「還暦になんてなんちゃことないです。これからも頑張って歌います」と意気込む半田は、神奈川県・横浜の赤レンガ倉庫 ピア赤レンガ桟橋より、ファンと共にクルーズ船「マリンルージュ」に乗り込み、新曲「しあわせでいような」などを披露して楽しんだ。

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半田は1984年、島倉千代子の「人生いろいろ」や天童よしみの「珍島(ちんど)物語」などのヒット曲で知られる作詞・作曲家 中山大三郎氏の内弟子となし、1988年、師匠の作詞作曲作品「済州エア・ポート」でデビューした。

そんな半田が今年、デビュー35周年を迎え、7月19日に新曲「しあわせでいような」をリリースした。作詞・小野田洋子氏、作曲・南乃星太氏による作品で、新しい演歌の形を模索した夫婦唄の第2弾として制作された。気づいたら長い間一緒に生きて来た相棒に面と向かっては言えない思い、さりげない思いやりが歌われている。

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両手に花の半田浩二。左は小松永枝ディレクター、右は作詞の小野田洋子氏。「今、本当に正直思います。レコード会社と女房を変えなくて良かったなあって」と半田。

2015年の「雨やどり」から半田を担当しているテイチクレコードの小松永枝ディレクターは「前々作までは、やんちゃな男だったり、女を泣かせたりするの男の歌をつくってきたんですけれども、前作『しあわせ一歩』と『しあわせでいような』は、今の半田さんの等身大の作品です。連れ合いに感謝して、みんなで一緒にしあわせになろうという歌です」と説明する。

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歌詞には、“仏頂面で不愛想で”という言葉が出てくる。半田は「俺じゃなくて女房のほうだという気がします」と笑っていたが、「今は亡きということになれば、口げんかですらできない寂しさが訪れるかと思うと、怖い気がします」と、伴侶への思いを吐露していた。

作詞の小野田氏は、「何気ない毎日に、さりげなく交わす言葉。そんな大事なしあわせをいつまでもいつまでも贈っていかれますように念じています」と半田にエールを送った。ちなみに同曲の歌詞は小野田氏の姉夫婦がヒントになっている。

「夫婦というのはどちらかが強い時は大丈夫なんですが、二人して弱くなってしまうと余裕がなくなります。ですから、『ごめんね』とか『ありがとう』とかさりげない言葉で気持ちが伝えられるといいですし、そんなさりげない日々がしあわせですよね」

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サザンオールスターズのヒット曲「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」でも知られるマリンルージュ号が桟橋を離れると、半田はキラキラと光るまばゆい深紅のジャケットに身を包み、デビュー曲「済州エア・ポート」を歌って船内ステージに登場し、会場を盛り上げた。

そして、横浜を舞台にしたオリジナル曲「横浜・ハイカラ酒場」「ハーバー・ヨコハマ」「ヨコハマ・コンチェルト」のメドレーや、「雨やどり」「うれし涙」「男の翼」など、小松永枝ディレクター担当作品のすべてを歌唱した。

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「Happy Birthday KOJI 還暦おめでとう!!」というメッセージプレートが添えられたバースデーケーキを前に、半田浩二は誕生日を祝った。

ショーの途中には、還暦を祝うバースデーケーキが登場し、「還暦なんてなんちゃことないです」と、まだまだ元気に歌っていく決意を語り、新曲「しわせでいような」やカップリング曲「男の恋懺悔」を披露した。

またバースデークルージングに参加できなかった紺野あずさ氏(「男の恋懺悔」を作詞)、作曲の南乃星太氏からは手紙が届いた。

紺野氏は「半田さんの曲を一緒につくることができてうれしゅうございました。デビュー35周年、これからも渋くて若くてかっこいい男の魅力を見せてください」と、そして南乃氏は「いつもいつも素晴らしい歌唱力で作品をよくしてくださって感謝しています。一歩ずつ一歩ずつ年を重ねて、立派なジジイ目指して一緒に頑張りましょう。これからもしあわせでいような」とのメッセージを寄せた。

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「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」では会場と一体になった。

半田は、「いろいろ考えましたが、最後は盛り上がれる曲がいいなと思いまして、この曲を選びました」とラスト曲に「銀座のトンビ」を歌うと、アンコールの1曲目に、このクルーズに欠かせない「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」を熱唱した。

デビュー35周年。還暦を迎えた誕生日当日。ここで半田は、今は亡き師匠・中村大三郎氏への思いを語り始めた。

「千葉県の野田市というところに生まれ育って、20歳までろくな生活をしていなかったのに、作詞・作曲家の中山太三郎先生に拾われて、人生が変わりました。それからは歌一本の人生となりました」

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照れながらも、師匠・中山太三郎氏への手紙を読む半田浩二。「会いたいです。また酒を飲みながらいろんな話を聞きたいです」

半田は、師匠への手紙を書いてきたという。「恥ずかしいな」と照れながらも、「前略 中山太三郎様。覚えていますか?」と読み始めた。そこには師匠からの数々の教えが書かれていた。また半田が一生、師匠について行こうと決めた出来事も書かれていた。

「ギターを持ってこいと言われたことがありました。弟子入りをして初めてのレッスンでした。『違う違う、そんな歌い方じゃダメだ』と言いながら、何度も頭からビールをかけられました。そのあと、先生がギターを弾き間違えた時です。なんと、ご自分の頭にビールをかけられましたよね。先生に一生ついていこうと決めた瞬間でした」

中山太三郎から授けられた全38曲をこれからも大切に歌っていくと誓った半田は、もう一度、デビュー曲「済州エア・ポート」をファンに、そして天国の師匠へ届けた。

 


2023年7月19日発売
半田浩二「しあわせでいような」
半田浩二

「しあわせでいような」
作詞/小野田洋子 作曲/南乃星太 編曲/杉山ユカリ
c/w「男の恋懺悔」
作詞/紺野あずさ 作曲/南乃星太 編曲/杉山ユカリ
テイチクエンタテインメント TECA-23044  ¥1,400(税込)

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