発売から約28年。坂本冬美が昨年の紅白歌合戦で熱唱し話題となった「夜桜お七」をアナログ盤で緊急リリース!
坂本冬美がデビュー35周年メモリアルイヤーの締めくくりとして、2月23日にアナログ盤「夜桜お七」を急きょリリースすることがわかった。
「夜桜お七」は1994年9月7日に8cm CDとして発売された坂本の代表曲。当時の演歌としては珍しい16ビートのメロディーが含まれ、アップテンポな曲調であることから“プログレッシヴ演歌”とも呼ばれた。
昨年の『第72回 NHK紅白歌合戦』では、坂本は通算8回となる「夜桜お七」を歌唱したが、最新映像技術とのコラボレーションが話題となった。
紅白の坂本のステージでは、「バーチャルプロダクション」という最新映像技術が使われた。あたかも目的のロケーションで撮影したかのような映像を作り出せる技術で、3DCGで制作した映像を大型LEDに投影、スタジオ内の物理的なカメラと同期させて撮影することで生み出す映像だった。「スター・ウォーズ」の実写テレビシリーズ「マンダロリアン」に採用されて一気に話題になっている最新技術だという。
日本では、2022年の今年がバーチャルプロダクション元年になると言われているそうだが、それに先駆けて、坂本の紅白ステージで披露されたわけだ。そして、映像のインパクトに、放送直後からTwitterなどのSNS上で驚愕の声が多数上がった。
急きょ、アナログ盤「夜桜お七」のリリースが決まった坂本は、「私にとって代名詞といえる『夜桜お七』が、28年の時を越えてアナログ盤となって発売されます。永い間、皆様に愛された証ではないかと、とっても感激しております」と喜びのコメントを発表し、「デジタルとは一味違ったサウンドで、ぜひお楽しみください」と呼びかけている。
2022年2月23日発売
アナログ盤シングル
坂本冬美「夜桜お七」
なぜ、今、レコードなのか?
高度経済成長期からバブル期にかけて、主要な音楽メディアとして一時代を築いたレコードは、1980年代の後半に差し掛かると後発メディアであるCDの普及により利用者が減少した。レコードが再び注目されるようになった背景には、Apple MusicやSpotify、Amazon Musicに代表されるサブスクリプションサービスの台頭が影響していると推測できる。
配信で好きな音楽を、好きな時に、好きなだけ聴けるようになったことによって、「この曲、いいな」と楽曲をモノとして所有しておきたいというリスナーのニーズが高まり、レコード再評価につながった。アーティスト側もそうしたトレンドを敏感に察知しており、新譜をあえてアナログ盤で発表するケースも増えている。
CDに比べるとサイズが大きいことに加え、複製がしづらく、曲を再生するのに手間がかかるレコード盤。かつては弱点であったこれらの特徴が、ストリーミングサービスが普及した現在、ポジティブに評価されている。