音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~

震災から10年。「音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~」。国境を越えたコラボで“希望のうた”を!

東日本大震災から10年。NHKは震災10特別企画として、日本、そして世界のトップアーティストがディスタンスを越えたコラボで“希望のうた”を届ける音楽番組「音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~」をNHK総合テレビで放送する。放送日時は3月27日(土) 午後11時~12時。

同番組は3月2日に東京・お台場の日本科学未来館で収録された。同館の地球ディスプレイ“ジオ・コスモス”前の特設ステージから、観客としてリモートで参加した被災地の若者や、海外在住のアーティストを結び、スティングやダニエル・パウター、レディー・ガガ(VTR出演)ら海外トップアーティストが、スガ シカオ、JUJU、平原綾香、大江千里など日本を代表するアーティストとスペシャルコラボするなど、“希望のうた”を披露した。

地球ディスプレイ“ジオ・コスモス”前の特設ステージでの収録に参加した渡部謙、JUJU、スガ シカオ、平原綾香、小曽根真、鎌倉千秋アナウンサー(向かって右から)

そして本日、番組のクライマックスで披露されるスペシャル企画「花は咲く Music for Tomorrow 2021 Version」の詳細が明らかになった。

演奏をリードするのは日本ジャズ界のレジェンド、渡辺貞夫だ。震災以降、ライブの最後に必ず「花は咲く」(NHK「明日へ」東日本大震災復興支援ソング)を演奏し、前向きなヴァイブ(フィーリング)を観客と共有してきた。

渡辺貞夫(中央)はスティーヴ・ガッド(右)とウィル・リー(左)らとリモートでつながり、「花は咲く」を演奏した。

渡辺を支えるのは、アメリカの人気ピアニスト、ボブ・ジェームス、ドラムのスティーヴ・ガッド、そしてベースのウィル・リーらトップミュージシャンたち。スティーヴ・ガッドとウィル・リーは、渡辺と古くから交流あり、1993年のアルバム「Earth Step」では3人で共演している。2人は震災の翌年開催された東京JAZZにボブ・ジェームス・クインテットのメンバーとしても出演、岩手県大船渡のビッグバンドのためにつくられた「Put Our Hearts Together~心をひとつに~」で松田聖子とも共演するなど、音楽を通じて被災地に心を寄せてきた。

番組ではこのスーパーバンドの演奏にのせて、出演アーティストだけでなく、司会の渡辺謙やリモート観客として登場した被災地の若者らも、歌で参加。新型コロナウイルスの感染拡大に悩む世界に、東北の今の表情を伝える。

音楽で心をひとつに~Music for Tomorrow~

渡辺貞夫らの演奏で、リモート観客として参加した被災地の方も歌でつながった。


番組出演者からのメッセージ

渡辺貞夫
震災直後からボブは被災地を訪れ、人々を励ましてくれました。スティーブとウィルはニューヨークから応援してくれていました。昨年から続くコロナ禍のおかげで、離れ離れの共演になりますが、自慢の仲間たちと、同じ強い思いで、この曲「花は咲く」を演奏できるのはうれしいことです。僕たち日本人は、様々な試練を共に乗り越えてきました。敗戦後の焼け野原からだって、助け合い、支え合いながら、立ち上がりました。今は見通しのつかない不安が大きいけれど、この先には必ず希望があることを信じて、一緒に進みましょう。

大江千里
2014年のニューオーリンズ、2016年の福島に続いて、「Music for Tomorrow」に参加しています。今回はJUJUさんとリモート共演で「奇跡を望むなら…」をお届けします。この番組で日本の皆さんと一緒に、音楽で明日へ希望をつなげることができるのがうれしいです。

JUJUとジャズピアニストの大江千里は、JUJUの「奇跡を望むなら…」で初共演。「これほどまでに奇跡を心から求めている時はない」と、大江はニューヨークから呼びかけた。

大江千里と初共演を果たしたJUJUは、「みんなが希望を忘れないっていうのが一番大切」と、楽曲「奇跡を望むなら…」のメッセージを語った。

JUJU
大先輩である大江千里さんとのコラボレーションで「奇跡を望むなら…」を歌わせていただくのですが、この曲はタイトルの通りまさに「奇跡を望む」気持ちで2000年台初頭に、その当時、私が住んでいたニューヨークで作り上げた楽曲です。2006年のリリース以降少しずついろんな方が共感してくださり、それによって私自身の音楽人生も大きく変わりました。そして2021年の今、ニューヨークで活躍されている大江千里さんのピアノでこの曲を歌えるなんて‼ 本当に光栄です。スペシャルコラボレーションでの「奇跡を望むなら…」がたくさんの方の心に届きますように。

スガ シカオ
東日本大震災のときは、ボランティアで現地に行ったり復興支援のライブを配信したりしたけど、自分の生活もいっぱいいっぱいだったので、まとまった支援ができませんでした。その代わり自分はできるだけ長く支援を続けていこうと心に決めています。今回、友人のハワイアンミュージシャン、ダニエル・ホーと共演します。ダニエルは、音楽も素晴らしいけど、すっごく優しくていいヤツ。一緒に「見上げてごらん夜の星を」をやります!

スガ シカオは「長く時間をかけて支援を続けていくことが大事だ」と、震災からの復興について語った。

世界的ウクレレ奏者ダニエル・ホーとコラボし、「見上げてごらん夜の星を」を歌うスガ シカオ。2人は同曲を2013年にレコーディング、被災地支援のチャリティーソングとしてリリースしている。

平原綾香
災害や新型コロナなどの困難を乗り越えるためにつながり合い、音楽で心をひとつにするために、私も精いっぱい歌わせていただきました。カナダ出身のシンガーソングライター、ダニエル・パウターさんとの共演で「Jupiter」をデュエットいたします。パウターさんとは、今年2月に「Save Your Life」という新曲でコラボレーションしたばかりです。震災当時から日本へエールを送りつづけてくださっているパウターさん。2人で祈りを込めて歌います。また今回は、ボブ・ジェームスさんと大船渡サンドパイパースの皆さんの絆から生まれた新曲にも参加しています。どうか、この番組で皆さまの心に少しでも寄り添えますように。

ダニエル・パウターと共演し、「Jupiter」をデュエットする平原綾香。

渡辺謙
新型コロナウイルスでは、世界中の誰もが当事者。他者を思いやって心を寄せ合う社会をどうやって築いていくべきか、私たちはいま、大きな試練を与えられている気がします。今回、この番組に司会として参加させていただき、アーティストの皆さんのコラボやパフォーマンスからとても強いメッセージを感じとることができました。私も、朗読で参加し、「花は咲く」では歌も披露させていただきます。ぜひ、ご覧ください!

「コロナは、震災と違って誰もが当事者になる可能性がある」と渡辺謙。「どうやって他者を思いやる社会を築くか、僕たちは試練を与えられている」

渡辺謙は小曽根真のピアノ演奏で、谷川俊太郎の詩を朗読した。


その他の出演者

スティーヴ・ガッド 世界最高のドラマーのひとり。エリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ワンダーらジャンルを越えて数多くのトップアーティストのレコーディングやツアーに参加している。2018年、渡辺貞夫と26年ぶりに共演。「花は咲く」での絶妙なブラッシングが感動を呼んだ。

ウィル・リー 世界のアーティスト達がリスペクトする名ベーシストのひとり。矢野顕子のトリオに参加。渡辺貞夫ともライブやCDでたびたび共演。2014年ニューヨークで行われたチャリティー・コンサート「Music for Tomorrow in New York」でも中心的な役割を果たす。

番組にリモートで参加した世界的アーティストのスティング

ボブ・ジェームス アメリカのジャズピアニスト。ジェームスと 岩手県大船渡のビッグバンド、大船渡サンドパイパースは、10年の交流を経て今回一緒に作った新曲を、平原綾香をボーカルに迎えて初披露する。

「震災10年特別企画 音楽で心をひとつに ~Music for Tomorrow~」

放送予定:3月27日(土)午後11:00~12:00 (総合テレビ)
出演:平原綾香、ダニエル・パウター、スティング、スガ シカオ、ダニエル・ホー、ボブ・ジェームス、大船渡サンドパイパース、JUJU、大江千里、渡辺貞夫、スティーヴ・ガッド、ウィル・リー
VTR出演:レディー・ガガ
司会: 渡辺謙/鎌倉千秋アナウンサー
スペシャルコメンテーター:小曽根真(ジャズピアニスト)

番組HP  https://nhk.jp/musicfortomorrow