藤あや子の雅な世界~新曲「夢のまにまに」で魅せる妖しさ~
南こうせつが藤あや子の歌世界をプロデュース!!
藤あや子の新曲「夢のまにまに」は、2017年に発表した30周年記念曲「たそがれ綺麗/からたちの小径」に続く、南こうせつによるプロデュース作品だ。演歌・歌謡曲のジャンルを飛び出して、“シンガー・藤あや子”の新たな一面を引き出した楽曲となっている。「たそがれ綺麗」のジャケットも魅力的だったが、今回はさらにインパクトのあるものに仕上がった。まずは、艶やかで妖しい藤が写るジャケット撮影の話から聞いた。
文=藤井利香
Q 世界的に活躍する花結い師のTAKAYAさんによる創作ヘアアート。写真の藤さん、美しすぎますね!
藤あや子 南こうせつさんが提案してくださった曲のテーマは、「藤あや子が華やかな夢の世界に人々をいざなう」というもの。それにマッチしたジャケットをということで、スタッフがTAKAYAさんの活躍を知って、引き合わせてくれました。TAKAYAさんは海外でのお仕事も多い方なのですが、コロナの影響でたまたま国内にいらっしゃったのも幸運でした。撮影当日は京都から仕入れたばかりのお花をたくさんお持ちくださり、まるで小さなお花屋さんがスタジオにできたようでした。着物に合ったイメージをとお願いし、1本ずつお花が増えているなと思っていたら、いつの間にか「こんなに大きくなってる~」とびっくり(笑)。どんどん華やかになって、今まで味わったことのないステキな体験をさせていただきました。
Q コロナ禍という世情が、今回はプラスに働いたんですね。
藤あや子 本当にご縁だと思います。他にも作詞の売野雅勇さんや、こうせつさんのブレーンでもあるアレンジの斎藤ネコさん、そしてミュージシャンもこれまでなかなかご一緒できなかった方の参加が実現するなど、超一流の力が結集して「夢のまにまに」が生まれました。
Q 南こうせつさんが作られた曲について、お聞かせください。
藤あや子 1年以上前になりますが、たたき台ができたよって、電話口でワンフレーズ歌ってくださり、そのメロディーの美しさに「すてき~」と感激しました。そして仕上がった曲を聴いた時時に感じたのは、何とも言えず不思議な曲だなということ。懐かしい歌謡曲のイメージであり、一方でフォークのにおいもする。さらに途中、日本調の“和”のテイストを活かしつつ、曲の最後に「抱いて~」と色っぽく終わる。私の今までの作品の中でもなかなかないもので、さすがこうせつさん。ジャンルにこだわらない、いろいろな引出しを持っておられるからこそ作れる作品ですね。
Q レコーディングはさぞや楽しかったのでは!?
藤あや子 お手本でこうせつさんが一度歌ってくださったんですが、「抱いて~」の歌い方がめちゃめちゃ色っぽかったんです。私なんか中身が“おっさん”だから(笑)、私もそこまで色っぽく歌えるのかしらって、その場で固まったくらい。なるほどと刺激を受けて、私なりに歌唱しました。途中に入る日本調のところは「歌い方として最高だね」と、こうせつさんが褒めてくださりました。あとは、歌い過ぎないことを心掛けましたね。いい歌ほど気持ちが入って歌い過ぎてしまいがちですが、そうではなく引き算の歌い方。第三者的に、ちょっと俯瞰でものを見る感じです。こうせつさんが歌った時も力を抜いているわけではなく、一歩引いてさらりと歌っておられ、それが清涼飲料水のようにすっと人の気持ちに入ってくるんです。師匠の猪俣公章先生からも「歌は唄うんじゃないぞ、語るんだぞ」と言われていましたが、今回改めてその意味がわかった気がします。
Q 「真夏の蛍火を 身体(からだ)に宿すように」で始まる、売野雅勇さんの歌詞についてはいかがですか?
藤あや子 売野先生は「言葉の魔術師」とよく評されますが、まさにそのとおり。タイトルからしてステキです。「まにまに」って漢字だと「随」と書くそうなんですが、余韻を感じさせる雅な表現ですよね。今、皆さんコロナで自粛生活が続き疲れていると思いますが、だからこそ心にゆとりを持って夢の世界を一緒に見てみましょうよと、そんなメッセージがこの曲から伝わればいいですね。明るい気持ちになっていただけたらうれしいです。
Q カラオケで歌う際のアドバイスを、ぜひお願いします。
藤あや子 歌い過ぎず・・・でしょうか。コブシを入れるようで入れないとか、メリハリをつけて語り掛けるように歌ってください。あとは、誰にでも歌いやすい曲ですのでどうぞご自由に(笑)。私自身、今回の曲も含めてかねてからジャンルレスに挑戦したいと思っていました。演歌はもちろん大好きですが、「藤あや子の歌う曲がジャンル」となったらうれしいですね。。私が小・中学生の頃に合唱で独唱者に選ばれた時、ソプラノでカ~ンと歌っていたほど、もともとは透明感ある真っ直ぐな声だったんですよ。民謡を歌うことでのどを潰し、しゃがれ声を手に入れましたが、ここにきて本来の場所に戻りつつあるのかもしれません。鮭で例えれば、大海からようやく生まれた川に戻ってくるような(笑)。「夢のまにまに」も、そんな自由さで皆さんに歌っていただけたらと思います。
Q ファンの方にはミュージックビデオにも注目してもらいたいですね。
藤あや子 全編アニメーションなんですよ! レコーディングの時、こうせつさんが「アニメで作るという手もあるよな」とおっしゃって。ちょうど私もそう思っていたところだったので、これはやるしかないと。演歌界ではとてもめずらしいことなのではないでしょうか。ぜひ多くの方に見ていただきたいですね。
「夢のまにまに」MV
Q カップリング曲についてもうかがいます。「閉ざされた恋」は切なくも穏やかなバラードです。今から20年前にリリースされたアルバム『愛しい人へ』の中の1曲ですが、今回セレクトに至った理由は?
藤あや子 SNS時代だなとつくづく思うんですが、ある時私のインスタグラム(写真・動画共有サービス)のダイレクトメッセージに、この曲のアレンジを担当してくださった榊原大さんから「元気ですか~」と数年ぶりに連絡が入ったんです。偶然にもカップリング曲の候補に挙げた5曲ほどの中に「閉ざされた恋」が入っていたものだから、縁を感じて「これしかない!」とすぐに決めました。榊原さんもとても喜んでくださって、そのあとご自分のCDを送ってくれたりして(笑)。
Q 作詞・作曲は藤さんご自身です(ペンネーム:小野彩)。当時どんな思いでこの曲を作られましたか?
藤あや子 当時はいろいろなオリジナルアルバムを制作している最中で、言葉がどんどん降りてきて曲も詞も次々書いていました。この曲は恋愛をテーマに書いた中の一つですが、「閉ざされた恋」なんて、ぐっとくるタイトルだと思いませんか? 改めて聴くと、当時の自分の心情が蘇ってきます。そして、アルバムの中だけだった曲が今回20年の時を経てシングルカットされ、日の目を見る。生みの親としてとてもうれしいですね。真面目に生きていたらいいことあるんだなって、この曲が人だったら思うんじゃないでしょうか。
Q 楽曲の創作活動についての思いをお聞かせください。現在も続けておられますか?
藤あや子 もちろん、続けています。何か感じた時に書き留めるノートがあって、ただの言葉の羅列ですが、これを曲として完成させたいなと見るたびに思います。まだポロンポロンですがギターを始めたので、ギターで作曲もしていきたいですね。30年以上音楽に関わり続けていますが、重ねたキャリアを守るのではなく、いくつになっても挑戦し続けていたい。そのパイオニアになれたらという気持ちです。
INFORMATION
放送開始45周年「徹子の部屋」コンサート
藤あや子と南こうせつが共演
2021年11月24日(東京公演)と同年11月28日(大阪公演)に行われる放送開始45周年「徹子の部屋」コンサートに、藤あや子と南こうせつが出演する。ほかにゴダイゴ、純烈、中村雅俊、野口五郎(五十音順)も出演。チケットの一般発売は2021年9月25日(予定)から。
詳細はテレビ朝日ホームページへ
あや子ママ まさにマル様、オレ様です。フォロワーの方々と、いつか猫つながりの音楽フェスをやりたいと思っているんです。髭男の大輔くん(4人組バンドOfficial髭男dismの小笹大輔)とか、猫仲間のアーティストのお友だちもたくさんいますので参加を募って。フォロワーの中には歌手・藤あや子を知らない方もかなりいて「今度歌、聴いてみます」なんて言われたりするんですが、それもまた新鮮です。保護猫のためのチャリティー活動もしていて、企画商品の梱包や発送も私がやっているんですよ(笑)。「猫フェス」の実現を目標に、まだまだいろいろやりたいと思っています。もちろん本業は歌手ですので、「マル」と「オレオ」の大スターに負けないようがんばります~。
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NO MARUORE NO LIFE
マルオレInstagram
@maru0reland
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マルオレチャリティーグッズ発売中
https://maruore-store.com/
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2021年5月26日発売
南こうせつプロデュース
藤あや子「夢のまにまに」
自身のシングルとしては2019年11月の「ふたり道」以来、約1年半ぶりとなる藤あや子の新曲「夢のまにまに」。藤と南こうせつとの音楽談義から生まれた作品で、「今の藤に歌ってほしい作品を」と、南がプロデュースと作曲を担当。作詞は売野雅勇が手がけた。編曲は南の長年の音楽仲間である斎藤ネコが、和の要素も活かしつジャンルレスな楽曲に仕上げた。全編アニメーションで作られたミュージックビデオも演歌界ではめずらしい。カップリングは2000年発売のオリジナルアルバム『愛しい人へ』に収録された、切なくも穏やかなバラード「閉ざされた恋」をリアレンジしたシングルバージョンで収録。作詞・作曲は藤自身(ペンネーム:小野 彩)が行っている。
「夢のまにまに」MV
2020年11月4日発売
『藤あや子全曲集2021』
収録曲(全16曲)
ふたり道/夕霧岬/女のまごころ/むらさき雨情/曼珠沙華/北へ・・・ひとり旅/港子守歌/雪 深深/おんな/こころ酒/うたかたの恋/からたちの小径/あや子のお国自慢だよ~がんばろな東北!!~/秋田音頭-AKITA・ONDO-Bonjour Club Mix/いつもそばにいるよ/オンナノハナミチ
Profile
藤あや子(ふじ・あやこ)
1961年5月10日、秋田県生まれ。民謡歌手として活動したあと、1987年6月に演歌歌手としてデビュー。1989年9月に「藤あや子」に改名し、「おんな」をリリース。1992年9月、「こころ酒」がヒットし、同年大みそかに『NHK紅白歌合戦』に初出場。以来、2015年まで21回出場。近年は幅広いアーティスト、作者と曲作りをしており、ジャンルレスに多様な作品を提供している。「小野 彩」の名義で作詞・作曲も手がける。飼い猫である「マル」と「オレオ」の母親としても大人気で、2020年12月には“マルオレ”ファースト写真集『マルとオレオと藤あや子』(世界文化社・刊)を発売。SNSにも力を入れており、様々な情報発信を続けている。
外部リンク
藤あや子特設ページ
藤あや子 公式HP
藤あや子公式ブログ
藤あや子Twitter
藤あや子オフィシャルYouTubeチャンネル
▼Instagram
藤あや子インスタ
「マル」と「オレオ」のマルオレインスタ
藤あや子 パン&スイーツ専門インスタ