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藤あや子

藤あや子が一目惚れ、そして私色に~北島三郎プロデュース「女がひとり」で”あや子艶歌”の真骨頂へ~

藤あや子のデビュー35周年記念シングル「女がひとり」は愛する決意の強さとは裏腹に、辛く悲しい運命の主人公が歌われている。38年前の作品だが、“あや子艶歌”の真骨頂として令和の時代に蘇った。

文=藤井利香

藤あや子

デビュー35周年を迎えている藤あや子。記念シングル第1弾が南こうせつプロデュースの「鳥」、そして、その第2弾が北島三郎プロデュースの「女がひとり」だ。

この曲はもともと北島御大が1985年に自ら作詞・作曲(原譲二・名義)し、「十九のまつり」のB面に収録されていたもので、藤との出会いは、昨年12月に行われた「芸道60周年 北島三郎 明治座ファイナルコンサート」だった。

客席で鑑賞していた藤が「聴きながら、ぞくぞくっとした」というほどインパクトを受け、終了後、挨拶に行った楽屋でその思いを吐露。まさかの思いだったというが、北島から快諾を受け、あっという間に藤あや子バージョンとして新たにカバーすることが決まった。

40年近くの時を経ても色褪せない、女心を真っ直ぐに表現した深みのある楽曲。これまで、藤が“悠里姉”と慕う北島ファミリーの原田悠里が「明日を信じて」のカップリングでこの歌をカバーしているが、原田からも「ぜひ、歌ってほしい。光栄よ」と背中を押されたという。

節目の年を飾るにふさわしい楽曲との出会いは、藤の魅力をこれまで以上に引き立たせてくれそうだ。

藤あや子

直感! 「この曲、歌いたい」

――「女がひとり」は、まさに一目惚れした作品ということですね!

 北島先生の多くは男歌。そんななかで、この曲をコンサートで悠里姉が歌っていたとき、あれ、藤あや子にぴったりな曲じゃないって直感的に思ったんです。恥ずかしながら私はこれまでこの曲を知らず、でも隣にいた坂本冬美ちゃんが「この歌、あなたに合ってるよ」って言ってくれたんです。

「歌わせてもらえないかな」なんて言いながら、終了後のご挨拶で楽屋にお邪魔したとき、思わず「この曲、歌いたいです~」って口にしちゃったんですね。そうしたら先生が、「お、そうか。いいよ」と。そのとき私は大喜び。ただ、この曲が先生の38年前の楽曲で、過去に悠里姉も歌っていたことなど知らなくて、あとからとんでもないことを言ってしまったと猛反省でした。にもかかわらず、思いを受け入れてくれた先生と悠里姉には、本当に感謝しかありません。

――北島御大が改めてプロデュースし、新たに藤あや子バージョンが誕生しました。

 「悠里のカラオケを使えばいい」なんて、先生が冗談まじりにおっしゃいましたが、先生にプロデュースをお願いして、音源も新たにレコーディングをさせていただきました。先生の歌も悠里姉の歌もそれぞれカラーがありますので、原曲の存在はあまり意識せず、あくまで新しい曲をいただいたつもりで歌っています。真っ白なキャンバスに色をつける感覚で、自分が歌いたい曲が目の前にあるという感情を何より大切にしました。

これぞ、北島マジック!

――北島御大の歌はとても難しいと言われていますが・・・。

 音域は広いし、簡単そうに思えてめちゃくちゃ難易度が高いです。この曲は最たるもので、しかもレコーディング当日に「テンポを2つ下げよう」と先生から指示が出たんです。これにはびっくり。事前練習しながら、私自身はむしろ2つ上げたらどうかなと思っていたくらいで、それを下げると言うでしょう。2つも落としたら行間がもたないかもしれない・・・。

でも、実際はそうではありませんでした。行間をたっぷりと歌うことによって、主人公の女性の哀しみ、あきらめきれない深い思い、でも最後には前向きに生きようという心の変化が見事に生まれ、感情豊かに歌うことができました。テンポを2つ落としたことで落ち着いて、藤あや子の歌になったんです。これぞ、北島マジックだなと感服しました。

言葉の重みに新鮮さを感じる

――「辛かった 辛かった」のサビの部分など、綴られた詩の一つひとつに言葉の重みを感じます。

 そうですね。北島先生の歌詞は38年前だけに、“仮の塒(ねぐら)” “気高さ” “いばら道”といった日本語ならではのとてもいい言葉が入っています。今はあまり使われないかもしれませんが、私は逆に新鮮さを感じ、悠里姉の歌では変更され使われなかった“気高さ”を、ぜひ歌いたいので入れてくださいとお願いしています。(編注:原田悠里の「女がひとり」では、“優しさ”と表現されている。)

そして全体の歌詞をとおして感じるのは、女流作家が書いたのではないかと思うほど、先生が見事に言葉を操っているということ。女子力が高い! 実際に似たような経験をされて書かれたんじゃないのかなと勝手に想像していますが、作曲家、作詞家としての先生のすごさを改めて感じています。

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一番のポイントは、もちろん“辛かった”

――最後にカラオケでのアドバイスをお願いします。

 私自身もともと重くない性格なので、暗く歌ったつもりでも明るめになります。北島先生の感情表現はとても真似できないけれど、私が歌うのであればもう少し軽く、ドロドロにならない程度がいいのではないかと思い歌っています。歌ってくださる方の気持ち次第でいかようにも歌える歌ですが、カラオケではとにかく言葉を大事にしてほしい。感情を乗せて、流すことなく丁寧にかみしめて。一番のポイントは、もちろん“辛かった”のところ。三連それぞれの心の動きを巧く表現してほしい。男性の歌唱もぜひ聴いてみたいですね。

 


藤あや子へのQ&A

Q 新曲「女がひとり」に絡めて、ひとりになりたいときに行きたいと思う場所はどこ?

Ayako 山梨にある別荘ですね。標高1100m、空気が全然違います。満天の星で、2000年に家を建てたときは妖精が棲んでいると思ったくらい清らかな場所。今は近くに新たな別荘ややスーパーができて様子が少し変わりましたが、曲を作ったり、絵を描いたりと創作活動する場としては最適です。

ひとりでないと、やはりインスピレーションが沸かない。例えば「月光の夜」という曲(藤あや子《小野彩》の作詩曲)は、真夜中に犬の遠吠えが聞こえてきてそこから生まれました。昼間見たら、じつはお隣の犬の声だったんですけどね(笑)。曲作りも精力的に続けています。

Q 前作「鳥」のMVは、洋装で車を運転するといった映画のワンシーンのような演出でしたが今回の「女がひとり」では?

Ayako 同じ監督さんの作品で、テーマは「あや子版 マイウエイ」。会館を借り切って、誰もいない客席からステージを見つめる自分や、一人ステージに立つ自分など、さまざまな角度から私をとらえてもらっています。これまでの35年の道のりをイメージしており、幻想的ななかにも先へ進んでいくという未来への思いが込められています。演歌歌手のMVとしてはなかなかない作品で、監督の小松莊一良さんには毎回刺激をいただきます。

着ている衣裳はCDジャケットと同じで、着物と帯は対ではありませんが、おもしろい柄だなと思って少し前に別々に買っておいたものです。これまで出番がなかったけど、今回の曲はいつもと雰囲気を変えたいなと思ったので初めて使いました。紫の訪問着といったしっとり系ではなく、個性的な衣裳がいいと。帯の青さや柄の入り方など、なかなかないと思います。

Q 昨年発売された 藤あや子写真集『FUJI AYAKO』では、“セクシーでありながらカッコいい”と大きな話題になりました。

Ayako 写真集は、本当は出す予定じゃなかったんですよ。小型のフォトブック程度のものを出そうという話から始まって、それが撮影を重ねるうちに写真集に変わっていって。でも、もう二度とないでしょうから、あまり人がやらないことができてよかったのかな(笑)。

Q 将来やりたいことは?
Ayako マルオレフェス!!

Q 保護猫である2匹の愛猫“マルオレちゃん”(マルとオレオ)のお母さんとして?

Ayako “マルオレ”が保護猫界のスターになって、演歌歌手である私を知らない若い世代の方にも親しみをもってもらっています。だったらそれを音楽につなげげないと意味がないと思い始め、フェスをやれたらいいなと野望を抱いています! 歌い手さんで猫つながりのメジャーな人たちも周りにいますので、近い将来、実行したいですね。

▶マルとオレオ Instagram

Q 最近お孫さんと海外旅行をされたとか。

Ayako 中学生の孫と、オーストラリア・ゴールドコースへ行ってきました。お天気に恵まれて、ゴルフやボーリング、広い農場に出かけたりとアクティブに過ごし、また現地のお友だちと食事をしたりして楽しかったですね。現地はいわゆるバブル期で、とても賑やか。幸せな気分で帰ってきました。しっかり充電しましたので、今回の新曲を皆様にしっかりと届けていきたいと思います。

 

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2023年4月26日発売
デビュー35周年記念シングル
藤あや子「女がひとり」
藤あや子

「女がひとり」
作詞/原 譲二 作曲/原 譲二 編曲/南郷達也
c/w「人恋海峡」
作詞/原 譲二 作曲/原 譲二 編曲/南郷達也
MHCL-3026 ¥1,300(税込)

「女がひとり」は藤あや子のデビュー35周年記念シングルとして制作された。前作「鳥」(南こうせつプロデュース)に続く、北島三郎プロデュースの作品で、“あや子艶歌”の真骨頂として令和に時代に蘇った。カップリング曲「人恋海峡」は北島三郎(原譲二 名義)が藤をイメージして書いた作品。北島は藤のために作品を書き溜めていたというが、新たに書き下ろされた。

「新しいのがほしいな~と言ったら先生が書いてくださって(笑)。レコーディング直前まで何度も書き直しを続けてくださったそうです。私が民謡を歌っていた経緯から、コブシを入れながら高音でパーンと、ハリのある伸びる声で歌えるようにと練って練って、こだわってこだわって仕上げてくださった作品。冒頭の「女ですもの 小さな恋に」など何とも言えずいい歌詞で、この曲も先生の女子力を感じないではいられません。切ない女心を歌う内容ですが、メジャーな明るい展開になっています。カラオケでは華やかに歌っていただければと思います」(藤あや子)。

INFORMATION

2023年4月26日(水)発売。北島三郎作詞・作曲・プロデュース、藤あや子シングルCD「女がひとり」の店頭特典。

対象となるCDショップ / オンラインサイトにてシングルCD「女がひとり」(MHCL-3026)をお買い上げいただいた方に、先着で下記の特典がつく。特典のお渡しはご予約者優先となり、各店舗でなくなり次第終了。

■全国CDショップ応援店/オンラインサイト特典
藤あや子35周年オリジナル・手ぬぐい(非売品)
藤あや子
対象店舗はオフィシャルホームページ等で告知される。

➤ソニーミュージック オンラインサイトはこちらから
http://fujiayako.lnk.to/BnUZph

※全て数量限定・予約優先での先着順配布となります。
※特典は数に限りがありますので、なくなり次第終了となります。
※対象店舗は一部を除きます。詳しくは各店舗までお問い合わせください。
※対象店舗以外での配布はございません。予めご了承ください。


藤あや子 「女がひとり」関連リンク集

▶藤あや子「女がひとり」ご購入はこちら:
http://fujiayako.lnk.to/BnUZph

▶藤あや子「女がひとり」MVはこちらから
https://youtu.be/UwdfMM25w4c
アップチャンネル:ソニーミュージックチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCCy_q-N7F2FOIZ6ZggHIAKg

▶藤あや子「女がひとり」ダウンロード、サブスク等配信サイトはこちらから
https://LGP.lnk.to/wK4oxrMv

▶藤あや子「女がひとり」特設サイト:
https://www.110107.com/onnagahitori

▶藤あや子これまでの楽曲のダウンロード、サブスク等配信サイトはこちらから:
https://LGP.lnk.to/3veXPtxv

▶藤あや子オフィシャルサイト:
https://ayako.fanmo.jp/

▶藤あや子オフィシャルYouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCKyt_VM2y-yLHxYT_DcR7PQ


藤あや子

Profile
藤あや子(ふじ・あやこ)
1961年5月10日、秋田県生まれ。民謡歌手として活動したあと、1987年6月21日に“村勢真奈美”として演歌歌手デビュー。1989年9月に「藤あや子」に改名し、「おんな」をリリース。1992年9月、「こころ酒」がヒットし、同年の『NHK紅白歌合戦』に初出場。以来、2015年まで21回出場。近年は幅広いアーティスト、作者と曲作りをしており、ジャンルレスに多様な作品を提供している。「小野 彩」の名義で作詞・作曲も手がける。飼い猫である「マル」と「オレオ」の母親としても大人気で、2020年12月には“マルオレ”ファースト写真集『マルとオレオと藤あや子』(世界文化社・刊)を発売。2021年は、南こうせつとの音楽談義から生まれた作品「夢のまにまに」をリリース。デビュー35周年を迎えた2022年は4月に藤あや子写真集『FUJI AYAKO』(講談社・刊)、6月に前作に引き続いて南こうせつがプロデュースした35周年記念シングル第1弾「鳥」を発売。2023年4月、第2弾として北島三郎がプロデュースした「女がひとり」をリリース。

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藤あや子 公式Instagram
ソニーミュージック 藤あや子ページ


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