高倉健さんの未発表曲を初蔵出し。アルバム『風に訊け-映画俳優・高倉 健 歌の世界-』
2014年に亡くなった日本映画界を代表する高倉 健さんの未発表曲を含む”心に残る歌”を集めたアルバム『風に訊け-映画俳優・高倉 健 歌の世界-』が、3月24日に発売される。
高倉さんが日本の芸能文化に残したものは205本を数える出演映画のほか、テレビドラマやコマーシャル、そして著作物など多岐にわたる。その間、“理想の男性像”を示し続けたが、忘れてはならないのが歌手としての顔だ。昭和33年(1958年)に「その灯を消すな」で歌手デビューした高倉さんは「網走番外地」や「唐獅子牡丹」などのヒット曲を持つ。
『風に訊け-映画俳優・高倉 健 歌の世界-』には代表曲が収録されるほか、なんと未発表のまま封印されていた2曲が初蔵出し収録される。ひとつは1997年に東京・神宮前のビクタースタジオで録音された「対馬酒唄(つしまさかうた)」だ。作詞を荒木とよひさ氏が、作曲を徳久広司氏が手がけた楽曲で、高倉さんのために書き下ろされたオリジナル曲になる。
荒木氏が高倉さんをイメージして描いた作品で、「酒ば飲ませなっせ 冷やでもよかよ」と、高倉さんが語るように歌い始め、最後の歌詞は「俺が死んだらよ 桜の下によ 骨ば埋めて 花見してよ」で終わる。
もうひとつは1998年に同じくビクタースタジオで録音された「流れの雲に」。1962年にフランク永井さんが発売した同曲のカバーだ。こちらは「どこで死のうと 生きようと 泣いてくれてが あるじゃなし(中略)頼れる奴は おれひとり」で歌詞が終わる。
高倉さんは生涯で45曲を録音しているが、内2曲が未発表となっていた。当時は高倉さんの意思で発売されなかったというが、高倉プロモーションや関係者の協力のもと、生誕90年の今年、最後の録音曲が発表されることになった。
初回限定盤と通常盤の2タイプが発売され、初回限定盤には全88ページの「高倉健スペシャルブック」が封入される。収録曲の歌詞のほか、映画のスチール写真やプライベート写真、寄稿文などで構成されている。
なお、アルバム『風に訊け-映画俳優・高倉 健 歌の世界-』の発売を記念して3月17日より「対馬酒唄」と「流れの雲に」の2曲が先行してデジタル配信された。主な音楽配信サービスで聴くことができる。
写真提供:高倉プロモーション
2021年3月24日発売
未発表曲を解禁・蔵出し
高倉 健『風に訊け-映画俳優・高倉 健 歌の世界-』
収録曲
01.「対馬酒唄」(オリジナル 未発表曲)*
○○作詞/荒木とよひさ 作曲/徳久広司 編曲/南郷達也
02.「流れの雲に」(カバー未発表曲)*
○○作詞/川内康範 作曲/渡久地政信 編曲/竜崎孝路
03.「時代おくれの酒場」(東宝映画「居酒屋兆治」主題歌 /1983 年発売)
04.「男の忘れもの」(1979年発売)※
05.「朝顔の詩(うた)」(1976年発売)※
06.「望郷子守唄」(東映映画「望郷子守唄」主題歌/1971年発売)※
07.「唐獅子牡丹」(東映映画「昭和残俠伝」主題歌/1965年発売)
08.「網走番外地」(10曲目の再発売音源)
09.「その灯を消すな」 (デビュー曲 /1958 年発売)
《ボーナストラック》
10.「網走番外地」(東映映画「網走番外地」主題歌)
○○(当時放送禁止指定を受けた同曲の初発売音源/1965年発売)
11.「想いを伝えるために」(ニッポン放送「高倉健 旅の途中で・・・」より/語り:高倉 健)*
12.「ぽっぽや」(東映映画「鉄道員(ぽっぽや)」サウンドトラックより/台詞:高倉 健)
13.「故郷の空」(東映映画「ホタル」より/ハーモニカ演奏:高倉 健)*
14.「対馬酒唄」(オリジナル・カラオケ)
15.「流れの雲に」(オリジナル・カラオケ)
*は初商品化音源 ※は初CD化音源/9曲目、11曲目、13曲目はモノラル録音
ボーナストラックには「歌」以外の貴重な音源として、ラジオ番組でのトークや映画サウンドトラック収録のセリフ、映画「ホタル」で披露したハーモニカ演奏の録音なども収められる。