パク・ジュニョンが独白~新曲「渇いた街」で男の未練タラタラをロック調に表現~
40歳になり、男っぽさを前面に押し出した路線で、新たな魅力を再発信しているパク・ジュニョン。“K-演歌”にこだわった独自の道を歩みながら、2023年早々にリリースする新曲は「渇いた街」。「いい日ですよね」と笑う、1並びの縁起のよさを感じさせる1月11日発売だ。
「渇いた街」は、前作の「銀閣寺」同様、男の未練を歌った楽曲。Aタイプのカップリング「終わりに出来ない」、またBタイプの「あやまりたいのさ」も同じの未練がテーマの作品で、「男の未練三部作ですね」。どの歌詞も失った女性のことを悔やむ思いがストレートに表現され、いわゆる未練タラタラが臆することなく歌われているのがおもしろい。
2022年にデビュー丸10年を迎え、さらなる飛躍をめざすニューイヤー。新曲を1月に発売するのは初めてで、「一年間、めいっぱいこの曲でがんばります!」と意欲を見せている。
「失恋経験が案外多いんですよ(笑)」
女性の歌を歌ってきたなかで、「渇いた街」は前作に続いて男唄の作品です。初めにタイトルを見たとき、“渇いた”ってどういう雰囲気の街なんだろうと思ったんです。でも、歌詞を見たときになるほどと。街でなく、心が渇いているという意味なんですね。男唄にピッタリのタイトルです!
そして、その歌詞のなんて情けないこと(笑)。失恋して、未練タラタラがそのまま歌になっている。でもこれが、僕にはすごくよくわかるんです。昔、僕にもこんな経験があったなって。自分のことに置き換えられ、自然に気持ちを入れ込むことができました。
サラリと言ってしまいましたが、失恋は案外多い(笑)。男なら、こういう経験はみんな必ず持っているんじゃないでしょうか。付き合っているときは女性の気持ちがよくわからなくて、別れたあとにそうだったんだと気づく。ああすればよかった、こうすればよかった、なんで別れちゃったんだろうって後悔ばかり。彼女に悪かったなと思っても、時すでに遅しで本当に情けない。
経験者ですから、レコーディングのときは歌いながら過去がそのまま甦ってきました。だけど男はこんなふうにメソメソしても、女性は強いですよ、切り替えが早い。恋愛は男のほうが後々まで引きずるような気がします。
カップリングを含めた3曲ともに未練がテーマですが、未練の意味がちょっとずつ違っています。「終わりに出来ない」は、「渇いた街」以上の男の情けなさ。「あやまりたいのさ」は、あとから気づいて嘆く後悔の未練となっています。
「渇いた街」は聴いてよし、歌ってよしの一曲
そんな歌詞に負けじと、曲調はロックでリズム感があります。「渇いた街」では、作曲の徳久広司先生に、語尾を短く切りながら次の歌詞につなげていく、より間を生かす歌い方を教わりました。ここはカラオケで歌ってくださるときのポイントで、とくに前半、小気味よくリズミカルに歌ってほしいですね。そして、中盤は少し泣きを入れる感じで。サビは思い切りシャウトすることを意識していただけたらと思います。
「終わりにできない」もノリのよさを感じる男っぽい曲ですが、「あやまりたいのさ」は少し違います。力を全部抜き、楽な感じで気持ちを捧げるように歌っています。やさしくて、どこか懐かしさも感じさせるメロディーで、女性にも歌いやすいんじゃないでしょうか。聴いてよし、歌ってよしの一曲です。
普段は3曲を2日間かけてレコーディングするのが常でしたが、今回は1日で終わりました。これも初めてのことで、とてもスムーズに進行。それくらい、自分の気持ちが曲に入り込みイメージをつくりやすかったということですね。
ミュージックビデオ(MV)の撮影では、スタジオ近くの道路を多くの流通のトラックが慌ただしく走っていて「渇いた街」のイメージにピッタリでした。演技は毎度緊張しますが(笑)、こちらもぜひ楽しんで見てください。
日本の演歌・歌謡曲を故郷・韓国でも広めたい!
デビュー10周年を機に、事務所を独立。そのあとは不安も多少ありましたがむしろ期待感のほうが大きく、周りの方々のサポートもあってこれまで以上に意欲的な日々を過ごせています。歌うことが好きでこの仕事につき、日本に来てから歌える場所をたくさんいただき、今年はさらに多くの場所で多くの人に出会い、歌を届けられそうです。
40歳という年は実感がありませんが、「四十にして惑わず」(孔子)という言葉がありますよね。これまでの学び、経験があって自立でき、迷うことなく進むという意味だと理解しています。その言葉どおり、過去はすべて栄養。描いてきた歌手活動が少しずつ実現できて、おかげさまでとても幸せです。この先も焦らず、じっくり歌と向き合ってきたいと思います。
韓国ではテレビ局ごとに、日本の紅白歌合戦に似た歌謡祭があります。紅白に出場することももちろん大きな目標ですが、僕には逆に韓国の催しに出場することで、日本の演歌・歌謡曲を紹介できたらという夢があります。来日してK-POPを広めるたくさんの歌手がいますが、僕が故郷に戻ることで日本の歌を広めたい。僕ならではの活動だと思うので、こうした夢を持ちながら新たな一年を過ごしていきたいと思います。
(文=藤井利香)
パク・ジュニョンのやめられないもの!
「渇いた街」のAタイプのカップリング曲のタイトルは「終わりに出来ない」です。そこで、パク・ジュニョンさんに日々の暮らしの中で”終わりに出来ない”もの。やめられないものを聞いてみました。答は海水魚の飼育と、レゴでした。■海水魚の飼育
最近はうまく飼育できるようになりましたが、一時期ちゃんとお世話をしているのに1匹ずつ魚が死んでいき、それがとてもショックだった。何度も心が折れたんですが、にもかかわらず、どうしてもやめられないのが海水魚の飼育。自動で温度調節、自動でエサやりととことんこだわりながら、今も大切に育てています。癒しになる存在です。■レゴ
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てくる車・デロリアンのレゴ(レゴ® バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン・DMC-12)が発売されたんです。それを知ってすぐに購入、ハマってしまいました。レゴというと子どものおもちゃというイメージですが、大人も十分遊べる精密さ。作ったら飾る場所も必要になるので、ハマり過ぎるとキケンですね(笑)。
2023年1月11日発売
パク・ジュニョン「渇いた街」
Aタイプ
Bタイプ
2022年にデビュー丸10年を迎え、さらなる新しい挑戦を続けるパク・ジュニョンの新曲が「渇いた街」だ。前作「銀閣寺」同様、男の未練をテーマにした涙歌となっている。ロックンロールのリズムの上にメロディが乗った、聴いて良し、歌って良しの作品。カラオケで歌う際は、しっかりリズムに乗りながらもパートごとに変化をつけてみるのがポイントになる。 前半のAメロは語尾を伸ばし過ぎず小気味良く、中盤のBメロは少し泣きを入れて、そして後半のサビは思いっ切りシャウトするように歌いたい。Aタイプのカップリング曲「終わりに出来ない」、Bタイプの「あやまりたいのさ」も表題曲同様、男の未練がテーマの楽曲。未練にも様々な形があることを感じさせる。
profile
パク・ジュニョン(Park Junyoung)
1982年3月12日、韓国・釜山市生まれ。愛称はジュニー。キャッチコピーは、「あなたの心を癒す ヒーリングボイス」。小さな時から歌が好きで、高校の時のあだ名は“カス(日本語で歌手”。2002年、K-POPグループ「エイジェックス」のボーカルとしてデビュー。ダンスミュージックから歌手活動をスタートさせた。その後、ボーカルグループ「ザ・ストーリー」「ザ・ストーリーⅡ」での活動を経て来日。山本譲二と知り合い、2011年、日本に移住。翌2012年3月、「愛は・ケセラセラ」でソロ歌手として日本デビュー。2021年3月、日本デビュー10周年を記念した『パク・ジュニョン 10周年 パーフェクト・ボックス』(100曲入り)を発売。同年4月、「歌手生活10周年記念パク・ジュニョン コンサート2021」を東京・なかのZERO大ホールで開催。2022年は「銀閣寺」で男の未練をロックテイストに歌って好評。さらなる挑戦を続けるジュニーの今後の活躍に注目。
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