山内惠介

山内惠介「古傷」新装盤発売記念 特別インタビュー・・・前編 「ありがとう」の言葉

山内惠介が改めて感じた「ありがとう」の言葉

デビュー20周年記念曲の第2弾として今年2月24日にリリースされた「古傷」が好評の山内惠介。このほどジャケット&カップリング曲が異なる新装盤がリリースされた。先にリリースされた「絆盤」「郷愁盤」「暁盤」「唄盤(CD+DVD)」の4タイプに続いて登場するのは、「夢追盤」と「度胸盤」だ。カップリング曲を含めて全5曲がそろった。山内に全曲紹介してもらった。

文=藤井利香 写真=安岡 嘉

 

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
恋の古傷の切なさと、傷があるからこその優しさを力強く歌い上げた王道のマイナー演歌「古傷」。20周年記念曲・第2弾としてリリースされた。「あの日があるから 今がある」「おまえがいたから 俺がある」というフレーズが印象的な「古傷」は、自然と感謝の気持ちが沸いてくる作品となった。

山内惠介
 「古傷」というタイトル名を初めて聞いたときはちょっとびっくりしました。心の奥にしまい込んだ過去の出来事と、「おまえと俺」と呼ぶ男女の関係。そんな大人の世界観に自分がしっかりハマることができるのか。そんな思いの一方で、自分がようやくこうした歌を歌える年齢になったんだなと素直にうれしく思いました。

そして、歌い始めて気がついたのは、自然と「ありがとう」という言葉が生まれるということ。古傷が癒えずにつらいのではなく、いろいろあった過去の積み重ねで今の自分がある。歌の内容プラス、感謝の気持ちを添えて歌うことができるんです。ずっと応援してくださるファンの方に、この歌でぜひ僕の思いを少しでもお伝えすることができればいいと思って歌っています。

昨年の「残照」も素晴らしい曲ですが、今回の「古傷」のほうが覚えやすいメロディーだったのか、すでに多くの方がカラオケで歌ってくださっています。鼻歌で「♪まぶたにおまえが~」と口ずさみやすく、また自分の過去を振り返りながら歌ってくださる方も多いようです。作曲の師匠・水森英夫先生は、「ぜひ同性の方に歌ってもらいたいね」とおっしゃっていました。たくさんの男性に歌っていただくことで、新たに「山内惠介、いいね」と思ってくださるファンの方が増えたら何よりの20周年になります。

山内惠介

山内惠介「古傷」唄盤ジャケット

2月に発売した「古傷」4タイプのジャケット写真は、都内にある古民家で撮影したものです。実はここ、20年ぶりに行ったんです。デビュー直後にアルバム『女唄・名曲選』(2001年)のジャケットを篠山紀信さんに撮影していただき、とても思い出深い場所でした。あの頃と母屋は少しも変わっていませんでしたが、当時気づかなかった室内の作りや中庭の様子などが改めてわかり感激しましたね。しかもこの場所は今年閉鎖されて撮影できなくなったそうで、ギリギリセーフ! ステキな写真が撮れました。

納得のいくMV(ミュージックビデオ)を作れたこともうれしい出来事でした。今回の「古傷」では長野県の上諏訪でロケを行い、当日は驚くほどの好天。見晴らしのいい高台からは富士山がくっきりと見え、太陽はもちろん空には月まで。さらに撮影を続けると、気づけば辺りは美しい「残照」ですよ。最後におまけで諏訪湖の花火がド~ンと後方に上がり、こうあったらいいなということが全部続いて忘れられない一日になりました。たくさんの方に、その情景も味わいながら見ていただけたらうれしいです。

 

山内惠介

山内惠介「古傷」カップリング曲 全5曲を解説

絆盤c/w
「なにげない日々」
作詞/もりちよこ 作曲/水森英夫 編曲/上杉洋史
ギターの音色が心地よく、暖かく穏やかなスローバラードの「なにげない日々」。当たり前に過ごす日常のありがたさを素朴な言葉で描き、それが先行き不透明な今だからこそより心に響く。「珈琲の香りと あくびがふたつ」「ほんのり頬染め ワイン語れば」と、山内の素顔が垣間見られる歌詞も楽しめる。

山内惠介 僕の好きな珈琲やワイン。日常の中でのルーティーンを題材に、なにげない日々に感謝をしながら2人で生きて行こうねというラブソングです。「なにげない日々のまんなかで」と言うフレーズがとくに好きで、この「まんなか」を歩くってことが意外と難しいって思うんですよね。コンサートでも最後に歌いたい楽曲のひとつで、お客様と一緒に「今」に感謝し、その幸せを分け合いながら歌いたい曲です。

ちなみに「なにげない」ことで最近感じているのは、睡眠の大切さ。当たり前のことだけど、人って人生の半分近くは眠っています。その睡眠のために1日がんばっているわけで、日々こうした積み重ねが自分を強くしているなと思うんです。寝だめはできないけど、毎日きちんと生活を整えておけば、時に眠れなかったり、疲れていたりしてもなんとか乗り切れる。そうすると自信につながります。自信って、なにげないことの積み重ね。それを今、実感しています。

郷愁盤c/w
「ふるさと心」
作詞/麻こよみ 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ひとり杯を傾けながら、懐かしい故郷に想いを馳せる男の心情を歌ったメジャー演歌「ふるさと心」。曲中の「十九才(じゅうく)の旅立ち」という歌詞が、山内がデビューに向けて故郷を離れた約20年前を連想させる。「親父の形見の 腕時計」という歌詞も注目で、山内の曲には珍しい「親父」という言葉が登場するのも新鮮だ。

山内惠介 この歌のポイントは、賑わう居酒屋の片隅でひとり飲んでいるというシーンです。心情としては、故郷に帰りたくても帰れないつらさや寂しさを抱えている。それでも周囲の人々の賑やかな声を聞きながら、グラス片手にそんな自分に堂々と浸っているんです。賑やかなところは好きですが、なかなかできることじゃない、すごいなと。主人公に男っぽさを感じますね。

「十九才の旅立ち」という歌詞からは、僕が高校を出て故郷をあとにした、あのときを思い出させます。また「親父」という表現は、自分が父親のことをそう呼べるキャラになったのかなって思いましたね。年齢を重ねることでいただけた作品です。

暁盤c/w
「夜明けはバラ色の指」

作詞/喜多條忠 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ロマンチックなサウンドの歌謡曲「夜明けはバラ色の指」。ギリシャ神話に登場する暁の女神・エオス(オーロラ)をモチーフにしたストーリー性のある歌詞が、聴き手をさらに惹きつける。

山内惠介 作詞の喜多条忠先生に、メランコリーのような作品を書いていただきたいなと思っていたところにいただいた曲です。ギリシャでは夜明けの暁の空のことを、「王妃様の指のようにきれいだね」と表現するそうです。そんな神話と結びつけた、男女の出会いを美しく表現した恋物語です。「桃色の貝」「フレアースカート」といった歌詞にはムード歌謡のような華やかさもあって、色っぽい歌になっています。

山内惠介

夢追盤c/w
「花が呼んでいる」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお

度胸盤c/w

「火事と喧嘩は江戸の花」
作詞/松岡弘一 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
6月16日にリリースされた「古傷」の新装盤。「夢追盤」のカップリング曲は、困難を乗り越えて夢に向かうひたむきさを、三連のリズムに乗せて歌った「花が呼んでいる」。
また「度胸盤」には、江戸の火消しの男気溢れる生き様を力強く、軽快に歌った時代物「火事と喧嘩は江戸の花」が収録されている。タイプの異なる2曲が山内の20周年、そして21年目に向けて後押しする。

山内惠介 「花が呼んでいる」は、詩をもらったときに泣けましたね。「残照」も手掛けてくださった松井五郎先生ならではの、明るさと切なさの入り混じった郷愁の歌。歌えば歌うほど心に染み入り、いい歌だなって思います。メロディーはどこかアメリカのカントリー・ウエスタンのようなイメージで、素朴で親しみやすさも感じます。

「火事と喧嘩は江戸の花」は、勇ましく、粋でいなせな曲です。日本情緒を感じるフレーズがたくさん入り、江戸の火消しになり切って歌っています。レコーディングも楽しかったですね。時代小説もお書きになる、まさに松岡(弘一)ワールドです。コンサートでは、着流しを着て歌ったらハマるかな。きっと盛り上がりますね!

この2タイプのジャケットは、新たにスタジオで撮影しました。和傘を使った和のテイストです。ぜひ、手に取って聴いていただきたいと思います。

 

関連記事
山内惠介「古傷」新装盤発売記念 特別インタビュー・・・後編「記憶と、これから」

山内惠介「古傷」カラオケ全国大会、出場者大募集! 決勝はYouTubeで生配信!!

 記事の感想を募集中


2021年6月16日発売
デビュー20周年記念曲・第2弾
山内惠介「古傷」
夢追盤
山内惠介

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
c/w「花が呼んでいる」
作詞/松井五郎 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37596 ¥1,350(税込)

度胸盤
山内惠介

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
c/w「火事と喧嘩は江戸の花」
作詞/松岡弘一 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37597 ¥1,350(税込)

2021年2月24日発売
デビュー20周年記念曲第2弾
山内惠介「古傷」
絆盤

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
c/w「なにげない日々」
作詞/もりちよこ 作曲/水森英夫 編曲/上杉洋史
ビクターエンタテインメント VICL-37586 ¥1,350(税込)

郷愁盤

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
c/w「ふるさと心」
作詞/麻こよみ 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37587 ¥1,350(税込)

暁盤

「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
c/w「夜明けはバラ色の指」
作詞/喜多條忠 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
ビクターエンタテインメント VICL-37588 ¥1,350(税込)

唄盤(CD+DVD)

(CD)「古傷」
作詞/鈴木紀代 作曲/水森英夫 編曲/伊戸のりお
(DVD)「古傷」ミュージックビデオ
ビクターエンタテインメント VIZL-1865 ¥1,800(税込)

「古傷」の全タイプに各曲のオリジナルカラオケが入るが、唄盤にはCDに「古傷」の男性用および女性用カラオケが、DVDには男性用および女性用カラオケミュージックビデオが収録される。

 


profile
山内惠介(やまうち・けいすけ)
1983年5月31年、福岡県生まれ。母親の影響で、美空ひばりの歌を聴いて育つ。1999年、作曲家・水森英夫氏にスカウトされ、翌年上京。2001年4月18日、17歳の時に“僕はエンカな高校生”をキャッチフレーズに「霧情」でデビュー。2015年、15周年記念シングル「スポットライト」で『NHK紅白歌合戦』に初出場。以降、2020年まで連続出場中。2019年には、翌年に予定しているデビュー20周年へ向けて、大きなチャレンジを敢行。47都道府県を回るコンサートツアーを成功させた。2020年3月、20周年記念シングル「残照」(4タイプ)を発表。9月に新装盤「残照」2タイプ(駅盤と花盤)をリリース。コロナ禍により記念ツアーや劇場公演は中止となったが、10月から「山内惠介デビュー20周年記念リサイタル」を全国5大都市で行い、11月には東京公演を日本武道館で行う。また同年11月には、2001年デビューからこれまでにリリースされたすべての楽曲とミュージックビデオを網羅したコンプリートボックス『20th Anniversary Complete Box』を発売。2021年2月、20周年記念シングル・第2弾として「古傷」(4タイプ)を発表。6月には新装盤2タイプを発売した。

関連記事
“演歌界の貴公子”山内惠介が放つ20周年の集大成 。「20th Anniversary Complete Box」のすべて

INFORMATION
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスでも「古傷」ほか、山内惠介の作品を聴くことができる。
※対応ストリーミングサービス:Amazon Music Unlimited/HD、Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、mora qualitus、RecMusic、Rakuten Music、Spotify、YouTube Music

山内惠介公式HP
山内惠介 公式ブログ
山内惠介 YouTubeチャンネル
ビクターエンタテインメント 山内惠介ページ