【連載】中澤卓也の「卓也の5本指」
年を経るごとに魅力的な歌声と飾らないキャラクターで多くの人々を魅了し、今年迎えたデビュー5周年。その節目を記念して、今回の連載では「5」という数字がキーワード。“卓也の5本指”に入る、中澤卓也を語る上で欠かせない様々なエピソードを語っていただきます!!
Vol.2 卓也の人生に影響を与えた人々
オトカゼをご覧の皆さん、こんにちは! 中澤卓也です。皆さんは日々生きている中で、どれだけ多くの人と巡り逢ってきたのでしょうか? 僕も25年の人生を生きてきて本当にたくさんの出逢いを経験し、勉強させてもらい、成長してきたんだと思います。
オトカゼ連載「卓也の5本指」第2回目のテーマは、僕がこれまでの人生で影響を受けたと思う5組の方々についてお話しします。それでは、いってみましょう!
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子どもの頃の記憶を辿ってみると真っ先に頭に浮かぶのは、僕が小学校2年生の時に担任だった女性の先生のことです。
実は当時、同級生から物を隠されたりというようなちょっとした意地悪をされたことがありました。普通に学校には行っていたんですが、でもやっぱりいい気分ではなくて……。そんな時、僕たちのことをちゃんと見てくれていたのがその先生でした。その同級生たちと僕を仲直りできるように和解させてくれて、むしろその後はより良い関係になることができたんです。その時、「学校の先生もいいかな。学校の先生になろうかな」と思ったこともありました。こういう先生になりたいな、みたいな。
だけど僕が3年生に上がる時に、その先生は他の学校に移動されてしまいました。だから実質1年間くらいしか一緒に過ごせていないんですが、先生は僕が物心ついて一番最初にすごいなと思った人で、今でもめちゃめちゃ記憶に残っています。あれからもう20年くらい経ちますけど、もしまたお会いできることがあったらうれしいですね。
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その後、僕はカートレースにハマっていきます。そして、レーシングドライバーの脇阪寿一さんのことを知ってとても感銘を受けました。
脇阪さんはレーシングドライバーとしての技術や成績ももちろん素晴らしい方なんですが、それ以上に、僕にとってはレーサーとして憧れの人であり、人間としてとても魅力的な方でした。
当時はテレビ番組にもよく出演されていて、レーシングドライバーなんですけど、ものすごくトークも上手いし、人を笑わせる力もあるし、とにかく男から見てもかっこいい!もちろん、レーシングドライバーとしてもちゃんと成績も残していて、乗れば速い。そして、モータースポーツの魅力をモータースポーツを知らない人たちにもちゃんと伝える活動もされていて、モータースポーツ界にもものすごく貢献されている。
脇阪さんの発言や色々なことに対する考え方などが、レースをやっていた頃の自分の動き方や、そして今の自分の歌手の活動にもすごい生きていると感じます。
今は引退されて、監督業や色々なアンバサダーなどでモータースポーツ界の発展に貢献されています。レースを観に行っていた時は何回か直接お会いしてサインとかもいただきましたが、レースを離れてからはお会いしたことがありません。ずっと僕の憧れの人のひとりです。
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小学校3年生の時から中学3年生まで通っていた長岡のサーキットのオーナーでありコーチは、常に「自分で考えろ」という方でした。だから、サーキットに行っても僕の走りなんて一切見ないんです。マシンのメンテナンスをしていたり、事務所にいたり……。でも、ちゃんと僕の走っているエンジン音を聞いてくれている。「お前の走りなんか見なくてもエンジン音聞いていればわかる」って(笑)。
ある日、僕が走り終わってピットにいたら原付でやってきて「今のよかった」ってひと言。それだけ言ってまたいた場所へそそくさと戻っていかれたんですが(笑)、その時たしかに僕はその日一番いいタイムが出ていたんです。すごい人だなぁって思いました。
このサーキットは、コーチがレイアウトやデザインを考えられたコースなんですが、ある程度他のどこのサーキットに行っても通用するようなレイアウトで作られているんですね。難しい複合コーナーがあったり、上り坂からコーナーに入って出口が下りになっていたり……。すごく考えられているコースなんです。
コーチに教えていただいてここで練習をさせていただいたから、応用力や “自分で考える力”が身についてどこのサーキットに行っても、8年のブランクがあっても今走れるんだと思うんです。
コーチは、僕のドライビングの全ての基礎を作ってくれた人。本当に感謝しています!
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上京した頃、僕はこの世界のことを全く知らないところからスタートしました。それまでレースに明け暮れていた僕に、音楽のこと、芸能界のこと……とにかく色々なことを教えてくださった人が、僕の師匠である田尾先生です。
田尾先生から人間的にも教わる部分がたくさんありましたし、何より歌手としてのプロ意識、“自分で自分の引き出しを作っていく”ということを教えていただきました。
歌のレッスンって、普通マンツーマンでやるじゃないですか。田尾先生のもとに初めてうかがった時から今でもずっとそうなんですが、レッスンはピアノのある部屋で僕はひとり放飼い状態(笑)。田尾先生は「俺の手を止められるような歌を歌えるようになれ」と家事をしながら僕の歌声を聴いているだけ。「ここをこう歌いなさい」とか先生からの指示は全くありません。とにかく、ひたすら自分ひとりで自問自答を繰り返す時間なんです。
でも、そこで自分で一生懸命考えたり自分を見つめ直すことを繰り返したからこそ、様々な番組で「今度この歌を歌ってください」と言われた時に、“こういうふうに歌おうかな”と自分で考えて工夫することができたりする。自分で作った引き出しだから自分で探せるし、しまっている場所もわかるようになりました。
田尾先生にはこれからも色々なことを教えていただきたいですし、たくさんお世話になると思います(笑)。よろしくお願いします!
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最後は、やっぱり僕を育ててくれた両親です。こうやってこれまでの自分の人生を振り返ってみると、影響を受けたと思う方々には共通点がありますね。うちの両親も、ずっと僕を放飼いなんですよね……(笑)。
子どもや学生の頃は、皆さんもそうだと思いますがあまり両親へ”ありがとう”とか感謝の気持ちを感じなかったというか「当たり前じゃん」みたいに思っていました。だけど成長して、僕も色々な世界に出て、色々な人たちと触れ合ったり色々なことを知ると、「あぁ、うちの両親はすごい親だったんだなぁ」って気づきました。
考えてみても、両親から一度も自分がやりたいと思ったことを「やめなさい」とか「こうしなさい」とか言われた記憶がないんですよね。でもそれって、すごいことじゃないですか?
その時は自由にさせてもらって「ラッキー!」くらいにしか思わずにやりたいことをやっていましたけど、レースなんて特にですが、子どもに好きなことをさせるだけの財力もなくてはいけない。
結局僕がレーサーになることをあきらめた時、少しは二人とも色々思うところもあったと思いますが、最後は認めてくれた。そして、「今度は歌手になりたいんだけど」って言った時も、それを全部受け入れてくれました。
だからこれからは、少しでも親孝行ができるように、歌手として成長していく僕の姿を二人に見せていきたいですね。いつもありがとう。
写真=原田圭介
2021年1月6日発売
中澤卓也「約束」
(タイプA)
(タイプB)
「約束」Music Video~卒業Ver.~
デビュー5周年という初めての節目を迎える中澤卓也の幕開けを飾る新曲。今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、家族や友人など大切な人たちとなかなか会うことができない日々が続いているが、新曲の「約束」は、「会えなくても、僕たちは繋がっている」という中澤の想いを込めた、心と心を結ぶメッセージソングとなっている。
2020年1月6日発売
「中澤卓也 MV Album Vol.1~2020年の足跡と副音声を添えて~」
”ミラクルボイス”を惜しみなく披露したデビュー曲「青いダイヤモンド」から「北のたずね人」までのミュージックビデオと、このDVDのために新しく撮影した「東京タワー」「初めての君」を含む、計8曲のMV(ミュージックビデオ)を収録。ウィンクあいち(2020年8月10日開催 無観客LIVE)、北とぴあ(2020年9月12日開催 ハイブリッドコンサート)、ティアラこうとう(2020年10月3日開催 バースデーコンサート)から計12曲のライブ映像、合計20曲を収録した、中澤卓也の軌跡を楽しめる映像作品だ。
INFORMATION
2021年6月2日「約束」タイプC・タイプD 同時発売決定!
カップリング曲は、中澤卓也名義では初めて書き下ろした、異なる魅力の2曲を収録。新たな中澤卓也の魅力が開花する予感!!
2021年6月2日発売
中澤卓也「約束」
(タイプC)
(タイプD)
その他、中澤卓也の最新情報は下記でチェック!
中澤卓也(なかざわ・たくや)
1995年10月3日、新潟県長岡市生まれ。小学3年生から高校1年生までカートレーサーとして活躍。2015年 、「日本クラウン 新人オーディション」で準グランプリに輝き、その後作曲家・田尾将実氏に師事。2017年「青いダイヤモンド」でデビュー。趣味で集めているスニーカーは、もはや体の一部。4月4日から スタートしたBS朝日「人生、歌がある」(毎週土曜日 19:00~20:54)では、フレッシュさと卓越したトーク力から3代目司会者として大抜擢。また、BS日テレ「新・3人の歌仲間 with DAM CHANNEL演歌」の4代目MCに男性アーティストとして初就任。2020年10月、「日本作曲家協会音楽祭・奨励賞」を受賞。飾らず人なつっこいキャラクターとジャンルを問わず歌いこなす歌唱力で、人気実力ともに今最も熱い若手アーティストのひとり。