杜このみがライブハウスで「杜このみライブvol.1」を開催。ピアノの弾き語りも披露し、ファンと特別な時間を共有。重大発表にはファンも歓喜!
杜このみが3月19日、東京・新宿区のライブハウス「THE GLEE」でライブを開催し、いつものコンサートとは異なる雰囲気の中、ロングヒット中の最新曲「葦風(あしかぜ)峠」など自身の演歌作品をはじめ歌謡曲もカバー。ピアノの弾き語りでは「知床旅情」「大空と大地の中で」などを聴かせた。また、「この夏に新曲をリリースすることが決まりました」と初報告しファンを喜ばせた。
一曲一曲、心を込めて
「杜このみライブvol.1」を題されたステージ。ライブハウスでのライブは “演歌歌手・杜このみ”としては初めての経験だった。アコースティックサウンドにこだわった音響空間にグランドピアノが1台のみ置かれたシンプルな構成のステージに着物姿の杜が登場すると、「鴎の海峡」から歌い始めた。
この日は昼夜2公演行われ、夜の部では「楽しかったなと思っていただけるように、心を込めて一曲一曲歌わせていただきます」とあいさつ。昼の部に負けないように盛り上げたいと意気込んだ。
杜を初めて見るというファンにも自己紹介すると、続いてデビュー曲「三味線わたり鳥」でファンとの掛け合いを楽しみ、さらには愛する人を待ち続ける女性の心情を歌ったオリジナル曲から「残んの月」「くちなし雨情」、そして「葦風(あしかぜ)峠」の3曲をひとつの世界観で歌唱した。「葦風峠」はデビュー10周年記念シングルとして昨年リリースされ、ロングランヒットを続けている作品だ。
「演歌には非日常的な心情の作品が多いですが、何度も歌ったり聴いたりすると、主人公がかわいくて身近に感じます」
演歌ならではの世界を紹介すると、この日の杜はプライベートについても多く話していた。
「デビューして10年を迎えましたが、この間、素敵な作品を書いていただきました。途中、結婚・妊娠を経験し、3歳の娘と1歳半の息子を持つ二児の母となりました。新人のころはまさかお母さんになるなんて考えたこともなく、真っ直ぐに演歌の道を進んできました。まだまだ手がかかるので、正直、仕事をしながらの子育ては大変だなと感じることもありますが、仕事を終えて自宅に帰ったときに子供たちの顔をみるとすごく安心します。自慢のお母さんになれるようもっとがんばろうと思います」
「ご縁がすべてだなあと最近感じるんですけれど(2020年に大相撲の高安関と結婚)。大相撲と演歌とは違った世界ですが、夢が叶えられるようそれぞれががんばろうねと励まし合っています。今日、大相撲の大阪場所がありましたが、勝ててよかったです(笑)」
この日のライブは前半後半の構成となっていたが、杜は春を待つ花に人生を重ねた応援歌「花は苦労の風に咲く」を届けると、「元気の出る曲で締め括りたいと」と、前半最後は「王手!」を力強く歌った。
同曲は作曲家・市川昭介の遺作で、楽曲に感銘を受けた作詞家の多手石松観氏が市川氏が生前好きだった将棋をテーマにした詩を書きあげた作品。2019年に、当時デビュー7年目の杜が悲願のNHK紅白歌合戦への初出場に“王手”をかけたいと発表した作品でもあったが、昨年末、細川たかし一門の弟弟子 彩青が自身の新曲としてもリリースしている。
母になって何もかも変わった
杜このみが発案し、恒例にしていきたいなと準備した「お悩み&質問コーナー」を挟んで、ライブの後半が始まった。洋装に着替えた杜はピアノの弾き語りで、まずは「天城越え」を聴かせる。
担当ディレクターに相談したところ、国民ソングともなっている石川さゆりの「天城越え」を提案されたという。「歌うだけでも大変な曲なのに・・・」。不安に感じた杜はディレクターに確認したが、「大丈夫だ」と背中を押されたそうで、「この日のために練習してきました」と情念の世界を届けた。
ピアノの弾き語りでは、引き続き「知床旅情」「大空と大地の中で」「恋におちて ~Fall in love~」の3曲を披露した。北海道出身の杜は「知床旅情」を歌うと、「お風呂に入っているような温かい気持ちになります。故郷を懐かしむ気持ちになりますから、音楽ってすごいなと思います」と感想を述べ、北海道のご当地ソングともなっている「大空と大地の中で」では、「父が松山千春さんが大好きで、車に乗るといつもかかっていました」と懐古していた。
そして、「恋におちて ~Fall in love~」では当初、カラオケで歌う予定だったが、前日に思い直してスタジオで練習してきたと明かして披露すると、アン・ルイスの「グッド・バイ・マイ・ラブ」へと歌い継ぎ、義母(高安関の母はフィリピン出身)に英語の特訓を受けてきたと、英語の歌詞部分も流暢に歌っていた。
後半はカバー曲を披露してきた杜だが、ライブも終盤を迎えると平和への願いを語った。
「母になって何が変わりましたか? とインタビューで聞かれることが多いんですが、全部が変わりました。生活環境も何もかも。でも、マイナスなことは何もなくて、すべての経験をありがたく感じます。子育ては大変なことも多いんですが、子供たちの寝顔を見ていると、こんなにも幸せなのかと、毎日思います。でも、世界では悲しい涙を流している人がいます。不安に涙している人がいます。私に何ができるかと考えると、平和を願うことかなと思います」
杜はライブの最後に、松田聖子が1986年に発表したアルバム『SUPREME』に収録されていた「瑠璃色の地球」を歌った。作詞家の松本隆氏がタイトルだけを決めて、川原伸司氏に(レコードプロデューサー/作家名:平井夏美)にメロディー発注した楽曲だ。完成した楽曲に松本氏は「ひとつしかない私たちの星を守りたい」というメッセージを込めて作詩した。
“夜明けの来ない夜は無いさ”。杜は平和を願って「瑠璃色の地球」を届けると、「もっともっと愛される演歌歌手になれるようがんばります」と、大好きな八代亜紀の「おんな港町」をアンコールに歌った。
「心にほわっと寄り添えるような歌い手になっていけたらいいなと思っています。vol.2、vol.3と続くようなら、また来てくださいね」
この夏、新曲発売へ。そしてコットンクラブの舞台に!
「杜このみライブ vol.1」では2つの大きな発表が行われた。ひとつは新曲のリリースだ。
「『葦風峠』をカラオケで歌ってくださる方が多くて、今も毎日、CDショップから注文が入っているそうで、もう少しこの曲を歌っていこうかなと思っていたのですが、気持ちを新たにこの夏に新曲を出させていただくことが決まりました!」
詳細については情報解禁を待ちたいが、杜の新曲リリースに会場は大きく沸いていた。
そんな客席に向け、杜は「じつは重大発表があります」と続ける。すわ! 第3児妊娠か!? という会場の雰囲気には、「そんなことないですよ。こんなにスマートなのに(笑)」とセクシーなポーズをとって笑わせていたが、「9月18日に、コットンクラブでのディナーコンサートが決定しました~!」と笑顔で発表した。
東京・丸の内にあるエンターテイメントクラブ「コットンクラブ」のステージに演歌歌手が立つことは少ないため、ファンにとっては貴重な機会となりそうだ。チケット争奪戦になることは必至。ファンクラブ会員優先とのことで、詳細は後日発表される。杜このみのSNSなどを日頃からチェックしておきたい。