真田ナオキの「男気」~極論すれば0点がいい~

祝「真田ナオキ 2020 年間 USEN HIT ランキング 演歌/歌謡曲部門1位獲得」

テイチク移籍第1弾シングルとして、今年初めに2年ぶりとなる新曲「恵比寿」をリリースした真田ナオキ。曲を手がけた師匠の吉 幾三からは「恵比寿がヒット曲になったらセルフカバーしたい」と応援されたというが、その期待に応え、オリコンの週間シングル演歌・歌謡ランキングで初登場1位(2月3日付)を獲得。12月4には、「恵比寿」が、“2020 年間 USEN HIT ランキング”の演歌/歌謡曲部門で1位を獲得した。

この快挙を記念して、オトカゼ・アーカイブスから2020年春にインタビューした真田の声をお届けしたい。てっぺんを目指して走り続ける30歳の“現在”に迫ったインタビューだ。

 

真田ナオキの「男気」

<極論すれば0点がいい>

ハスキーな声とは裏腹な甘いマスクが魅力の真田ナオキだが、心の中は熱い。昨年、レーベルを移籍するという大きな決断をした背景には、自分の可能性を大きく広げたいという思いがあった。だが、有言実行ならぬ“無言実行”が真田の流儀。100点か0点かと言えば、0点がいいと言う。その男気を聞いた。

 

「笑顔のために勇気、愛、元気を伝えたい」

 

――2年ぶりにリリースした新曲「恵比寿」オリコンの週間シングル演歌・歌謡ランキング部門で初登場1位(2月3日付)を獲得しましたね。

真田 初めてオリコンの1位という目標を掲げて発売を迎えましたが、最後まで結果がどうなるかわからない状況でした。そんな中で「ダメかもしれないね」と言っていっしょに泣いてくれた方、逆に「取れたね」とうれし泣きしてくれた方、そういうファンやスタッフの姿を見て、本当にたくさんの方に支えられているとあらためて感じました。

 

――昨年12月に30歳を迎えられましたが、心境の変化はありましたか?

真田 30歳は男としてまたひとつ大きくならなければならない節目の年だと思います。うちの師匠(吉 幾三)からも『いっぱい遊んで、いろんな経験をして、カッコいい男になれ。歌手である前に人なので、人として大きくなりなさい』と言われています。人間としても男としても本質を磨かなければならない年となり、自分に対するハードルが上がる分、目標を高く持たないといけないですし、そこに向けてこれまで以上に努力をしなければなりません。でも、挑戦するのが好きなので、これからがすごく楽しみです!

 
――新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、5月に予定されていた初のワンマンライブは延期になりました。延期のまま開催はできておらず残念ですが、メジャー移籍後の初ライブは、どんなライブにしたいと思いますか?

真田 100点か0点のどちらかといえば、極論ですが0点のライブにしたい。スタッフの方ともよく話すのですが、100点を取った時は、この仕事を引退する時だなと僕は思っています。完成したら、その先はやっても意味はない。だから言葉的には0点という言葉を使わせてもらいます。でも、お客様がその場をすごく楽しんでもらいながらも、これからの真田ナオキの成長の可能性を感じさせるようなライブにしたいと思っています。

 

――具体的にどんな曲や演奏を考えていましたか?

真田 新しい挑戦のひとつが、ピアノ1本で歌うことでした。ピアノといえば、同じレコード会社では松原健之(たけし)さんなど、クリスタルボイスの方が得意とされていますが、僕のようなしゃがれた声で歌うとどうなるのか。自分でも楽しみでした。また、これまで歌ったことのない曲にもチャレンジできるよう準備をしていたので、延期は残念でしたが、ライブの舞台に立つ時を、楽しみにしていただければと思っています。いつか必ず立ちますので。

 

――歌以外の分野で、これから挑戦してみたいことはありますか?

真田 何でもやってみたいですが、演技の勉強はずっとしたいと思っています。俳優さんや女優さんが歌われる時、気持ちがすごくこもっていて、胸に届いてきます。演技の勉強をしたら歌につながるんじゃないかと思っています。バラエティー番組にもすごく興味があります。師匠の“吉幾三イズム”を継承して、コント番組に出たいですね。30年後、「あの人は変なおじさんだね」と言われていたいんです。「カッコいい」とか「カワイイ」と言われるのは苦手です。仕事では皆さん「こうすればもっとカッコよくなるよ」という方向にもっていってくださいますが、僕自身は「コイツ、バカだな」とイジってほしいんです(笑)。

 

完成したら、海にでも行こう

僕が幼稚園ぐらいの時に父に1回だけ、ガソリンタンクの上に座らせてもらって、バイクに乗ったことがある。それが気持ち良くて、仮面ライダーになったみたいでカッコよかった。中学・高校になると、周りの先輩がバイクに乗っていて、男らしくカッコよかった。先輩の後ろに乗せてもらって、そこからバイクにハマった。友だちのバイクをいじくったり、オークションで部品を買って仲間と油まみれになってバイクを一台組み上げたり。当時は本当にボロボロのバイクしか買えなかった。今は本当に自分がほしいものをオークションで買って、趣味として自分で組み立てたい。完成したら、海にでも行こう。

 
 

NAOKI SANADA

「あえて言葉にしない。でも、大きな夢はある」

2019年に事務所とレコード会社を移籍し、新たな環境で活動している真田ナオキ。「これまではひとりで現場に行っていたのですが、今では4~5人もスタッフが来てくださることもあって、驚くこともある」と話すが、それほど周囲の期待は高まっている証でもある。真田本人は「今年は僕に関わるすべての人を笑顔にしたい」と語っていた。その真意はどこにあるか。

 

――「笑顔」とは、具体的にどんなことを指すのですか?

真田 「目標は“紅白出場”だと言ったほうがいい」と、よくアドバイスされるのですが、仮に紅白に出場したとしても、そこはゴールではないと思っています。もし、そこに行けたら、たくさんの番組に呼んでいただき、新聞や雑誌などに載せていただけるとか、別のチャンスが生まれると思っています。ファンの中にはいろいろな方がいて、直接会って応援したいけど遠くに住んでいるとか、身体が悪くて家でしか応援できない方もいます。そういうファンにメディアを通して月に1回ではなく、できるだけ多く、勇気、愛、元気を伝えたいというのが目標です。それを丸く収めると、「みんなを笑顔にしたい」ということになるんです。

 

――そういう思いはいつ頃から、芽生えたのですか?

真田 デビュー当初はそんなことはまるで考えられませんでした。僕の同期には華々しいデビューを飾る人が多かったんです。三丘翔太君、エドアルドさん、松阪ゆうきさん、少し下には中澤卓也君や辰巳ゆうと君、ちょっと上にはパク・ジュニョンさん、川上大輔さん……。彼らが雑誌の表紙を飾っている時、僕はスナック回りをしていたので、すごく葛藤がありました。デビューはしたけどやめようかなと思ったことも何度かありました。そんな時でもファンの方が「何があっても応援するよ。絶対に大丈夫だから」と声をかけてくれました。今思うと「何が大丈夫なんだろう?」と思うのですが(笑)。いまだに、そんなふうに声をかけてくださるんです。あらためて自分のキャリアを振り返ってみると、結局、いつもファンの方が助けてくれたんです。そしてスタッフや家族が支えてくれたからこそ僕があるので、感謝の気持ちだけは常に忘れないようにしていようと思っています。

 
――事務所を移籍し、周囲の環境が変わったことで、ご自身にも何か変化はありましたか?

真田 人前に出たら常にひとりなので、いちばん頑張らないといけないという気持ちは前から変わっていません。ただ、たくさんの方に見られるようになって、多くの方からいろんなことを言われて、一時期すごく悩んでいました。それでステージや収録でもうまくいかず、いちばん大事な歌が、地に足が着いていない状態でした。

 

――余計に迷ってしまったわけですね。

真田 そんなのどうでもいい! もう一回、すべてを取っ払って、初心に戻って組み立てていこう。最近、やっとそう思えるようになりました。ちょっと気張りすぎていた部分があったと思います。力不足の小僧が頑張ったってしょうがない。自分ができることは歌。表情や動きが本当にダメだったら誰かが指摘してくれると思いますので、周りの意見に左右されすぎずに、やっていこうと決意を新たにしました。現在、新型コロナウイルスの影響で皆さんに会えないのは残念ですが、その休みは僕にとっていいリフレッシュになり、自分を見つめ直すいい機会にもなりました。

 

――最後にあらためて今後の目標を教えてください。

真田 僕は母から「男は何でもペラペラしゃべるんじゃない」と育てられたので、心の中をあまり表に出さないタイプなんです。事務所の社長がファンクラブの名称を『てっぺん』と名付けてくれました。社長がそう思ってくれたのはうれしいですし、もちろん、それが目標ですが、なんかくすぐったいような気もするんです(笑)。あえて言葉にしませんが、大きな夢はあります。心の中で思い続ければいつか叶う。そう信じて、頑張っていきます!

 

ナオキの本音――ホントはもっとイジられたい!?

甘いマスクとハスキーな声が魅力だが、本人はカッコいいと言われるのが苦手で、むしろ自分を「バカだな」と笑ってほしいという。

「僕は何事に対しても入り込むタイプなので、すぐ無表情になってしまいます。だから、子どもの頃からイジられた経験がないんです。でも、純烈さんはリーダーの酒井(一圭)さんも小田井(涼平)さんもアホみたいにイジってくれます。それがすごくうれしいんです(笑)。逆にイジるほうもやってみたい。テイチクの後輩、青山 新君(2020年2月5日、「仕方ないのさ」でデビュー)はかわいいので、すごくイジりたいですね(笑)」

 
文=川原田剛 写真=佐藤けんじ 撮影協力=ANTIQUES CAFE 衣装協力=JOURNAL STANDARD
 

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真田ナオキ「恵比寿」ミュージックビデオ

「お酒がまったく飲めないので、『ウーロン茶で雰囲気を出して』と監督に言われたのですが、お酒を飲むとどうなるのかがまったくわかりません。しかも師匠はいつもベロベロになるし、マネージャーは踊り出すので、周りに参考になる大人がいないんです(笑)。なので、よくドラマの中で主人公が手にするグラスに女性が映っている……、そんなシーンを頭の中で想像して演じました。僕は昔から表情や身体で表現するのが大の苦手。MVを撮影する時は4日ぐらい前から緊張して眠れませんでした(笑)」(真田)。

 


2020年10月21日発売
真田ナオキ「恵比寿」殿盤

「恵比寿」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
c/w「惚れた女の弱音酒」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/南郷達也 
テイチクエンタテインメント TECA-20058 ¥1,227+税

2020年3月4日発売
「恵比寿」(DVD付)

 (CD)
「恵比寿」

作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
c/w「昔に…誘われて」 
(DVD)ミュージックビデオ
テイチクエンタテインメント TECA-20016 ¥1,409+税

2020年1月22日発売
「恵比寿」【西口盤】

「恵比寿」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
c/w「昔に…誘われて」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
テイチクエンタテインメント TECA-20005 ¥1,227+税

2020年1月22日発売
「恵比寿」【東口盤】

「恵比寿」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
c/w「我が身恨んで」
作詞・作曲/吉 幾三 編曲/矢野立美
テイチクエンタテインメント TECA-20006 ¥1,227+税

真田ナオキのハスキーな声が生かされた「恵比寿」。「惚れちまったの俺」という印象的なフレーズで始まる、少し大人で、都会的な街を舞台にした恋人たちの物語だ。1月に発売された【西口盤】【東口盤】に続いて、3月にはミュージックビデオ(MV)が収録された【DVD付】が登場した。MVではカウンターでウイスキーのグラスを傾ける真田が登場する。また10月には殿(しんがり)盤がリリースされた。

 


INFORMATION
2021年2月17日発売
真田ナオキ「本気(マジ)で惚れた」

テイチク移籍第2弾シングル「本気(マジ)で惚れた」が2021年2月17日に3形態で同時発売される。
 


profile
真田ナオキ(さなだ・なおき)
1989年12月22日、埼玉県生まれ。2016年に「れい子」でデビュー。2019年6月、テイチクレコードへ移籍し、移籍後初となるシングル「恵比寿」を2020年1月に発売。3月にはミュージックビデオが付く「恵比寿(DVD付)」をリリース。10月には殿盤「恵比寿」を発売した。2020年4月からはUSENの新番組「真田ナオキのUSEN渋声横丁」(USENC-42)がスタート。「歌謡曲主義 26時の歌謡曲」(東海ラジオ)では木曜日のパーソナリティーを務める。