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神野美伽

神野美伽がデビュー40周年の皮切りに、大阪新歌舞伎座にて記念公演。多彩な表現力とパワフルな歌唱で観客を魅了

神野美伽が2月28日と3月1日の二日間にわたり、大阪の新歌舞伎座にて「神野美伽 デビュー40周年リサイタル」を開催。1984年のデビューから40周年に突入する今年は、新曲やアルバムのリリースのほかにもトピックが目白押しの神野だが、記念すべき年の幕開けに相応しい公演となった。

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神野も舞台でその人生を演じたこともある、笠置シヅ子の代表曲「ヘイヘイブギ」で幕を開けると、さながら“ブギの女王”が舞い降りたかのようにエネルギーに満ちたグルーヴで、観客を引き込んだ。

「たくさんのお客様、よく来てくださいました! こんなにうれしいことはないです。今日は40周年の“40”という数字に近い数の曲をやります」とファンにアピールすると、神野は昨年没後40年を迎えた歌姫、江利チエミの楽曲を歌った。

カバー曲としてリリースした最新シングル「旅立つ朝(あした)」を含め、リスペクトをたっぷり込めて歌唱した。

神野美伽

そしてジャズのスタンダードナンバーである「Summer time」と「Lover come back to me」から、「ベサメ・ムーチョ」やボンゴのソロから始まる「エル・クンバンチェロ」といったラテンナンバーを、時にスキャットも交えながら躍動感たっぷりに表現。さらには大好きな映画だという『ひまわり』の主題歌を、今の世界情勢に照らして憂いに満ちた歌声でしっとりと披露した。

「私はあきらめない。自分の人生をもう一度生きたい」

神野は昨年まで、関節症や脊椎炎、椎間板ヘルニアといった体の不調に繰り返し悩まされた。だからこその決意を語った神野は、1972年に和田アキ子が歌唱した名曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」をスケール感たっぷりに歌い上げた。神野だからこその言葉の重みを感じさせた。

二部は、65作のシングルジャケットがスライドしてゆくオリジナル映像からスタートした。

神野が金の波模様に鶴をあしらった華やかな振袖で登場すると、会場からは大きな拍手が起こった。

本人の解説付きで「整形手術を3回くらい繰り返しました(笑)」や「これなんかチェ・ジウみたい」など冗談をまじえながらのスライド上映に会場の笑いを誘った。

デビュー曲の「カモメおまえなら」から披露すると、懐かしい思いが溢れたのか涙を浮かべて聴く観客も見受けられた。年代順に代表曲をラインナップして歌唱する、メドレー形式の構成は長年のファンも、その時どきの思い出を巡らせることができる特別なセットリストとなった。

神野も「あー、懐かしい!」と言いながら、当時を振り返りそれぞれの楽曲を紹介しながら歌唱した。

神野美伽

オリジナルの歌唱が終わると、「オリジナルだけではなくて、カバーの歌もこの舞台の上では欠かすことなく歌い続けてきた大事な歌があるんです」と、『浪花しぐれ「桂春団治」』、「酔歌ソーラン節」、「無法松の一生」を熱唱。そして、ラストはオリジナル曲の「あんたの大阪」を歌唱し、観客も総立ちとなって手拍子を送った。

“演歌歌手、神野美伽此処にあり”というゆるぎない原点を再確認できる第二部だったが、リサイタル全体では38曲という楽曲を熱唱。圧巻のボリュームだったが、神野美伽という歌手の絶対的な存在感と幅広い表現力、そして高いパフォーマンス力を確信できるステージだった。

 


2022年6月9日発売
神野美伽「旅立つ朝(あした)」
神野美伽

「旅立つ朝(あした)」
作詞/保富康午 作曲/村井邦彦 編曲/鈴木豪
c/w「明日(あす)に生きる女」
作詞/保富康午 作曲/村井邦彦 編曲/鈴木豪
c/w「テネシー・ワルツ」
作詞・作曲/Pee Wee King, Redd Stewart 訳詞/和田寿三 編曲/鈴木豪
キングレコード KICM-31066 ¥1,500(税込)

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