丘みどりが色彩鮮やかに咲き誇る!~「椿姫咲いた」で真実の愛をドラマチックに~
2023年、丘みどりがスケール感たっぷりの一曲で咲き誇る。オペラ歌劇として知られる「椿姫」を題材につくられたドラマチックな歌謡曲「椿姫咲いた」が完成したのだ。丘はこの曲で、もう一回り大きく飛躍する。
完成を待ち望んだ新曲「椿姫咲いた」
「椿姫咲いた」の作曲は米米CLUBのメンバーでもあるフラッシュ金子こと金子隆博氏。テレビ収録の際に幾度か顔を合わせていた金子氏に、丘自ら「一回り大きくなるための一曲を書いてほしい」と依頼したのが始まりだった。そして、金子氏の提案で「夜桜お七」などで知られる歌人・エッセイストでもある林あまり氏に詩を依頼。「椿姫」をモチーフとしたオリジナル曲が華やかに誕生することとなった。
「椿姫咲いた」にはエッジの効いたサウンドと、抜群の歌唱力を誇る丘の力強さと繊細さが混在している。オペラ「椿姫」の第一幕を彷彿とさせ聴くものを引き込むイントロなど、聴きどころが随所に散りばめられるだけではなく、CDジャケットは、これでもかというほどの艶やかさ。憧れだった花魁の衣裳に身を包み、ビジュアルでも魅せる一枚となっている。
――作曲の金子隆博氏には、ダメ元で曲の依頼をされたそうですね。
丘みどり 『うたコン』(NHKの音楽番組)のときに何度もお会いして、ポップスがベースにある方ですが、そんな金子さんだったらきっとカッコイイ曲をつくってくれるんじゃないかと。そう思って、断られてもいい、当たって砕けろ精神でお願いしてみました。いいお返事をいただいたときは本当にうれしかったですね。
金子さんとは数カ月かけて打ち合わせをするなかで、とにかく攻めの歌をつくろうということになり、ならば歌詞の中身は想像で描くのではなく背景のしっかりしたものを題材にするべきだと提案をいただいたんです。そこで金子さんが推薦してくださったのが、作家として大胆で個性的な作品を書かれている林(あまり)先生でした。金子さんが直接お願いしてくださって、林先生からもいいお返事をいただくことができました。
――そんな林氏が歌の題材として選んだのが「椿姫」。パリの社交界を舞台に、高級娼婦と情熱的な青年との真実の愛が描かれ、華やかさと切ないヒロインの運命が紡がれるオペラの代表的な悲劇作品です。
丘みどり オペラは海外で何度か観たことはあったのですが、「椿姫」は観たことがなかったので内容はあまり詳しく知りませんでした。それで今回、「椿姫」がどのようなストーリーなのか、どんな世界観を持つのかなどいろいろ勉強しました。曲としては「椿姫」を題材にした林先生のオリジナルストーリーになりますが、作品が完成するまでとても楽しみでした。
――林先生とは、もちろん初対面ですよね。
丘みどり レコーディングのときに初めてお会いしました。金子さんから林先生の本を「読んでみて」とお借りしていたんですが、そこに描かれている大胆な文章とは真逆の方でびっくり。本当に普通の方で、「え!? この方があんな描写をされるの?」って。そのギャップに驚きました。そして、さすが先生と思ったのが、「椿姫咲いた」の歌い出しの“死にたいなんて 思ってた”というフレーズです。インパクトがすごい! これをテレビで歌っていいのかと思ったほどで、全体的にも作詞を専業にされている先生とはまた違う独特の表現がとても印象的です。
“真っ赤な椿ぽろりん ぽろりん”
――曲調も途中でテンポが大きく変わるなど、ダイナミックな展開です。
丘みどり どんどん流れが変化して、私自身も衝撃を受けました。でも実際に歌ってみるとこの変化が楽しくて、前半は自分に語り掛けるように。後半は一転してリズムに乗って力強く歌い、とくにサビの部分などは歌い甲斐があり気持ちいいです。演歌にはこう歌うべきという部分が少なからずありますが、金子さんにはあまりこだわらなくていい、感情の赴くままでいいんだと言われました。今回はこうすべきという意識を全部取り払って歌えたので、今までにない挑戦として新しい扉が開けたような気がしています。
――カラオケで歌うときのアドバイスとしては?
丘みどり この曲はキーがすごく高いところもあれば、すごく低いところもある。それくらい音程差があり、私もあさイチでは歌えない曲ですね(笑)。ポイントとしては、1番なら“真っ赤な椿ぽろりん ぽろりん”のところ。ゆったりとしたメロディーからギアチェンジしてテンポが大きく変わりますので、ここからはリズミカルに、曲に負けないように歌ってください。“ぽろりん”は、私もレコーディングのときに強弱をつけて何パターンか歌ってみた部分です。言葉にアクセントを置きながら、皆さんも感じるままに歌っていただければと思います。
丘みどり、花魁になる
――花魁姿でのジャケ写撮影、いかがでしたか? 「椿姫」を咀嚼し、歌の世界観に落とし込むなかで「花魁」の表現にたどり着いたそうですね。
丘みどり はい、ついに憧れの衣裳に身を包むことができました。でも、着物もかつらもめちゃくちゃ重たくて、しかも着付けに相当の時間を要するため途中で脱ぐことはできず、あさイチに着て夜までそのままずっと着っぱなしでした。休憩時間もこの格好。帯のところにタオルを置いて、汚さないようにしながらお弁当も食べていたんですよ(笑)。聞けばこの着物はレディー・ガガさんが来日したときに着用したものだそうで、縁起がいいなって思っています。身の引き締まる思いでした。
――ミュージックビデオも素敵な仕上がりとなりましたね。
丘みどり とても贅沢なセットで撮影させていただきました。切ないだけではない、気高く芯の通った女性を演じてほしいということで、セットを前に私なりの演技で主人公の思いを表現したつもりです。じつは足元は26センチもの高下駄を履いていて、ものすごく怖かったんですよ。そんな経験もさせていただきながら、全力チャレンジの撮影でした。
――ちなみに、花魁の衣裳は今後の歌唱でも着る機会があるんでしょうか?
丘みどり ステージでどうするかは検討中ですが、テレビ収録では通常の着物を基本に、可能なときは着たいなと考えています。ただ、花魁の衣裳でひな壇に座る時間が長いと、幅を取るので他の歌い手さんに迷惑になるかもしれない(笑)。そこも考えながら収録時に考えたいですね。
刺激をいっぱい。そして一回り大きく
――完成が楽しみだった「椿姫咲いた」の誕生によって、今年はどんな年になりそうですか?
丘みどり 『千鳥の鬼レンチャン』などのバラエティー番組に出演したことで、若い方のファンも増え、コンサートには親子三代で来てくださる方もいらっしゃるんです。それが本当にうれしくて、今後も皆さんに喜んでいただけるステージを披露したいですね。
そして、子どもが小さいので仕事は家庭と仕事を両立させるためにもメリハリをつけて、やるときはやるぞの気持ちで、歌だけでなくいろいろなことに挑戦していきたいです。昨年は映画にも出させていただきましたが、セリフは限られていました。でも、今年撮影に入る映画では主人公の娘役で、結構な量のセリフがあります。現場では俳優さんたちの演技力に目も白黒。プライベートのおしゃべりといざ本番の境目がどこだかわからないくらい、すごくナチュラルに演技されているのに毎度驚かされています。
刺激をいっぱいいただいて、この貴重な時間を歌にも生かしながら、丘みどり、「椿姫咲いた」とともにまた一回り大きくなれたらと思っています!
(文=藤井利香)
INFORMATION
「2023 丘みどりリサイタル」
開催日:2023年4月16日(日)
開催地:東京
会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
会場住所:東京都渋谷区宇田川町1-1
時間:開場 17:15 開場 / 18:00 開演
チケット:S席¥7,500-(1階・2階) A席¥5,000-(3階)
※1・2階席をお選びすることは出来ませんので予めご了承ください。
※3歳未満入場不可、3歳以上チケット必要
2023年2月22日発売
丘みどり「椿姫咲いた」
「椿姫咲いた」通常盤
「椿姫咲いた」CD+DVD
※【CD+DVD】(KIZM-759)のCDと【通常盤】(KICM-31091)に収録される内容は同じです。
「椿姫咲いた」は泣けるオペラとして有名な「椿姫」をモチーフに制作された歌謡曲。作詞には「夜桜お七」などで知られる歌人・林あまり氏、作曲には米米CLUBのメンバーとしても活躍する、“フラッシュ金子”こと金子隆博氏を迎えた豪華制作陣で放たれる丘みどり、2023年の勝負曲。カップリング曲「さだめ燃ゆ」は情念が描かれた演歌風歌謡曲。Aメロ+Bメロ+サビ①+サビ②の“ダブルサビ”で構成される。カラオケではそれぞれのパートを、変化をつけながら徐々に盛り上げるように表現したい。
カップリング曲にも注目
丘みどりらしさが光る「さだめ燃ゆ」「椿姫咲いた」のカップリングには、どんなに過酷な運命が待ち受けようと、世間を敵に回そうと、あなたとの愛の炎に身も心も焦がされてしまいたい主人公が描かれた「さだめ燃ゆ」が収録される。“情念”がテーマの丘みどりらしさが光る作品だ。
「女の情念をスケール感豊かに描いた演歌風歌謡曲です。作詞の森坂(とも)先生、作曲の向井(浩二)先生にはこれまでにも数曲書いていただいています。「こういう歌を歌いたいです」という私の思いをしっかりとお伝えし、そしてつくっていただきました。コンサートでも歌いたいなと思っています。
この曲も頭からインパクトのある詩が続くため、最初、思わず力を入れて歌ってしまったのですが、むしろ重く歌わない方が想いが伝わります。ちょっと難しい曲かもしれませんが、サラリと歌に詩を乗せていく感じでカラオケも楽しんでください」(丘みどり)
Profile
丘みどり(おか・みどり)
1984年7月26日、兵庫県生まれ。2005年、20歳の時に「おけさ渡り鳥」で演歌歌手としてデビュー。2016年に活動拠点を東京に移し、2017年「佐渡の夕笛」がヒットし、同年の『NHK 紅白歌合戦』に初出場を果たす。以降、3年連続で紅白に出場。2019年にはパラオで自身初の海外コンサートを開催。パラオの文化・音楽親善大使に任命された。2020年、デビュー15周年を迎え、両A面シングル「五島恋椿/白山雪舞い」を発売。2021年、結婚を発表し、娘を授かる。同年12月、産休を経て歌手活動を再開し、復帰コンサート「丘みどりリサイタル15周年+1~演魅Vol.3~」を開催。2022年1月、新曲「雪陽炎」を発売し、丘みどり第二章を開始。日本一の演歌歌手を目指し、日本一高い山、富士山への登頂を成功させるなど全力チャレンジ。抜群の歌唱力と愛らしいルックス、明るく親しみやすい人柄で人気を獲得し、歌手活動だけではなく、バラエティ番組や情報番組コメンテーター、朗読劇、ミュージカル、映画にも出演するなど活躍の幅を広げる。
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