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城山みつき

城山みつきが母との絆と故郷・姫路への愛を歌い継ぐ。新曲『ひざまくら』で届ける陽だまりのぬくもり

世界遺産・姫路城を毎日見上げるお膝元で生まれ育ったことから、その芸名を授かった城山みつき。2015年のデビューから数えて、今年、11年目を迎える。

彼女は現在も生まれ故郷を拠点に活動を続けており、「姫路ふるさと大使」や「宍粟(しそう)観光大使」として全国へ地元の魅力を発信している。「お城と駅の間に住まいがありまして、もう本当に毎日お城を見てたので、そこから芸名を取りました。目の前の大きな道路に建っていた百貨店がマンションに建て変わったり、街は変化していってますけど、お城は変わりません。それがいいところだなと思いながら日々過ごしてます」と、生粋の「姫路っ子」らしい笑顔を見せる。

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母と娘の物語が凝縮された、ぬくもりの新曲『ひざまくら』

そんな彼女が4月15日にリリースした新曲『ひざまくら』は、これまでの力強い持ち歌とは一味違う、ワルツ調の心地よいメロディに乗せた、優しさとぬくもりに満ちた一曲だ。前作『慟哭の海』での情念の世界から一転、心温まる今作が誕生した背景には、城山自身からの提案があった。

「テイチクの大先輩である川中美幸さんが『あなたの口ぐせ』という作品を出された時、たまたまお寿司屋さんの女将さんが『あの歌、涙が出る』とおっしゃっていて、調べてみたら作詞がさわだすずこ先生だったんです。さわだ先生には母ともどもよくしていただいているので、『母と私の物語を、こういうあったかい雰囲気で書いていただきたいです』とお願いしたら、ご快諾いただいたんです」

さわだ氏からは“三味線” “踊り”、そして“ひざまくら”をテーマにした3つの歌詞が届いたという。

「『ひざまくら』の歌詞を見た時に、物語がすごく浮かんで来たんです。4行詩という、短い歌詞にも物語が凝縮されていて、今までにない歌が私の中で表現できるなと思って、『これをお願いします』とお伝えしました」

歌詞には、風鈴がゆれる縁側や、髪の毛をすくう母の優しい手、そして「五枚こはぜ」や「母娘(ははこ)舞」といった情景が鮮やかに浮かぶ言葉が綴られている。「こはぜ」とは足袋の足首部分を留めるための小さな爪状の金具。日本舞踊では「こはぜ」が5枚の足袋を履く。

じつは城山の母は、91歳となる今も現役の日本舞踊の指導者(花柳流錦扇会 会主 花柳八十琴彌《やそきんや》)であり、城山自身も名取として共に教えているのだ。

「小さい頃の母は、いろんなところに出稽古に行ったり、家にたくさんの方がお稽古に来たりと、常に忙しく動いているイメージでした。さわだ先生ご自身も日舞をされていたので、昔のおしゃれな方が使っていた『五枚こはぜ』という言葉や、以前、『母と踊ったことがある」とお話ししたことを覚えていてくださり、『母娘舞』と書いてくださったんだと思います」

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優しくフワッと。ワルツの旋律に乗せて

この愛情深い歌詞に、懐かしくも新しい旋律を乗せたのは弦哲也氏だ。

「デモ音源を聴いた時、すごくワルツのような曲で、ゆったりと歌われていて。新しい世界を表現できるかなって楽しみに思いました」

レコーディングでは、これまでの張り歌とは全く違うアプローチに挑んだ。

「できる限り優しく明るくイメージしながら、フワッと。自分の中で意識したのは、口角を上げて、ちょっと笑いながら歌えるような気持ちで。とにかくあったかく優しく、陽だまりをイメージしつつ。歌うぞっていうよりは、自分がその歌の中で過ごせるような、そんな心構えで歌わせていただきました」

すでにファンからも「亡き母を思い出して涙が出ました」という声が届いているというこの曲。カラオケで歌う際のコツを尋ねると、とても具体的なアドバイスをくれた。

「技術というよりは、まず気持ちをリラックスしていただいて、ワルツのように体を揺らしながら、ヒーリングのような雰囲気で歌ってみてください。そして後半、『明日(あした)を夢見て ひざまくら』というフレーズが2回出てくるんですね。1回目は6割くらいの力で柔らかく、2回目は8から9くらいの力で。弦先生が『大波のように歌ってね』とおっしゃってくださったので、自分が大波になったような緩やかな気持ちで、大きく伝えるように歌うと良いと思います」

さらに今作は、ミュージックビデオにも感動的な仕掛けがある。日舞を踊る女性が登場するのだが、なんと約40年前の城山の母なのだ。

「古いVHSの映像が残っていて、母も少し足が悪くなってきているので、その姿を残したいなと思って。こっそり母を思って入れていただきました。鮮明じゃない部分はAIで少し色を出してもらったんですが、最初は顔が変わりすぎてしまって(笑)。ギリギリ綺麗に見えるくらいに調整してもらいました。これから永遠に残りますし、カラオケの本人映像としても流れるので、歌のイメージと共に皆さんに知っていただきたいです」

城山みつき

故郷・姫路を描く祝祭音頭『千姫絵巻踊り』


表題曲が母娘のパーソナルな絆を描いたものなら、カップリングの『千姫絵巻踊り』は、故郷・姫路への果てしない愛が爆発した一曲。城山の熱意と行動力から生まれた。

「千姫様は激動の70年の生涯の中で、姫路での10年間だけがすごく幸せな時代だったと知ったんです。それをメインに明るく楽しく、皆様に歌って踊っていただけるものを作りたいと思いました」

徳川家康の孫娘である千姫は、7歳で豊臣秀頼と政略結婚し、大坂城落城の危機から救出されるなど波乱万丈な人生を送ったお姫様だ。その後、本多忠刻(ただとき)と当時としては異例の恋愛結婚を果たし、姫路城で子宝にも恵まれた。

『千姫絵巻踊り』は、千姫の功績を伝え、その魅力を全国に広める活動を行っている「姫路千姫顕彰会」の推薦曲ともなった。

「制作前にはご挨拶にうかがって、『天満宮』や姫路市の市蝶である『ジャコウアゲハ』、そして『忠刻さま』という言葉を入れたらどうかと教えていただき、作詞の冬木夏樹先生に『お祭りの様子も含めて、縁の言葉を入れてください』とお願いしました」

作曲は表題曲と同じ弦哲也氏。姫路の歴史絵巻を鮮やかに描き出す祝祭の音楽、音頭としてリズムが刻まれる。そして、母が初めて城山のために振り付けを担当し、CDには「踊り図」も封入されている。

「姫路には280年続く『ゆかたまつり』があって、何十年も前に母が振り付けした歌が今もお祭りで流れているんです。だから私がいなくなっても、お祭りで踊って流してもらいたいなっていう気持ちがありました。表題曲もカップリングも両方A面みたいな気持ちで歌っていきたいと思っています。ポスターも(それぞれをメインに)2種類作って配っているんですよ(笑)」

その意気込みを証明するように、ミュージックビデオは千姫の着物(レプリカ)を着用し、普段は非公開である千姫櫓(姫路城・西の丸にある化粧櫓)で撮影された。

城山みつき

二人三脚で歩んだ母にとってのご褒美

好きな言葉は「感謝」、そして「願いは叶う」。アマチュア時代、弦哲也氏の作品と出会い、いつか弦氏の曲を歌うことを夢見てきた。デビューから地道に歩みを進め、前作『慟哭の海』、そして今作『ひざまくら』でその願いを叶えた。

「弦先生のこれまでの歩を勉強させていただくと、昔は歌手でご苦労もされていて・・・。だからこそ地方のいち歌手の私にもすごく親切で、大変さを分かってくださる。楽曲的にも人間的にも本当に素晴らしい先生です」

そう尊敬の念を隠さない城山は、「今後の目標は、やっぱり継続していくことですね」と真っ直ぐに語る。

「地元で歌手になりたいと夢を持っている方が、『城山さんみたいになれるかな』と思えるような道筋を見せていけたら。地元の活動をしながら全国に行けるっていう姿を見せたいです。そして、聴いてくださる方が元気になったり、時には『腰痛が治った』なんていうお声もいただいたり(笑)。皆様のお役に立てるような歌を歌って、作家の先生が描いた世界をしっかり伝えられるように精進していきたいです」

インタビュー中、城山の隣には、現在91歳となる母親が寄り添っていた。その母に新曲『ひざまくら』を聴いた感想を尋ねると、「やっぱり、頑張ってきてよかったなと思います」と、短いながらも力強い言葉が返ってきた。

会主として舞踊を広め、また娘の歌手活動を支えてきた。『ひざまくら』そのものが、母にとってはご褒美のような一曲だった。母の言葉を受け、城山もこう返した。

「私にとっても宝物ですし、そういう宝物をいただけたのは、母と一緒に頑張ってきたからかなって。私は『苦労して』ってよく言われるんですけど、好きなことをさせてもらってきたので、辛いことよりもいいことしか思い出さないんです」

母とのあたたかな記憶、そして故郷・姫路への尽きない愛情。城山みつきの朗らかで前向きな人柄がそのまま音に表れたようなこのシングルは、慌ただしい現代を生きる私たちの心を、そっと縁側の陽だまりへと連れ出してくれる。長く愛される“ふるさとの歌”として、彼女の優しい歌声が全国のカラオケファンの胸に響き渡ることを期待したい。

城山みつき

 


2026年4月15日発売
城山みつき「ひざまくら」
城山みつき

「ひざまくら」
作詞/さわだすずこ 作曲/弦哲也 編曲/南郷達也
c/w「千姫絵巻踊り」
作詞/冬木夏樹 作曲/弦哲也 編曲/南郷達也
テイチクエンタテインメント TECA-26012 ¥1,550(税込)

【Amazon】ひざまくら – 城山みつき

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